デジタルAV商品群で塩化ビニル樹脂使用削減の取り組みを加速
国内市場向け薄型テレビ「VIERA」で2008年度に代替化のめど
松下電器産業(株)では、機器内部の配線*1に使用されている塩化ビニル樹脂(以下、塩ビ樹脂)の代替化を進めていますが、デジタルAV機器の生産・販売を担当しているパナソニックAVCネットワークス社(以下、PAVC社)は、2008年度の国内向け新製品を対象に、内部配線の塩ビ樹脂の使用削減に向けた取り組みを加速します。また、主力デジタルAV商品については、電源コードや付属品などを対象に加えて塩ビ樹脂の代替化を積極的に推進していきます。
塩ビ樹脂は、絶縁性や機械強度などの物理特性に優れ、調達・コスト面でも評価が高い材料です。しかし、廃棄時の不適切な処理による生成物や柔軟性を確保するための一部の添加剤の有害性などが懸念されるとともに、リサイクル時に塩ビ樹脂だけを除去するのが難しいことなどから、当社では内部配線の代替化を推進してきました。しかしこれまでは、塩ビ樹脂と同等の強度や柔軟性を確保することが課題とされており、特に、内部配線に比べて使用環境がさまざまである電源コードについては代替化が難しかったのが現状でした。
PAVC社では、1998年から電線メーカーと共同で、塩ビ樹脂の新しい代替用材料*2を使った電線の開発に着手し、環境性能へのこだわりを持ち続けて代替材料の品質確保や安全性確保に向けた評価・分析などを行ってきました。そして、2006年度以降、薄型テレビを始め、民生用のデジタルAV商品(DVD、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、オーディオ機器)、業務用システム商品(パーソナルコンピュータ、プロジェクター、放送・業務用カメラレコーダー)について、まずは内部配線を中心に、主力商品での本格的な代替化を開始しました。
そして、2007年度には、BD・DVDレコーダー、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、オーディオ機器で、電源コード・付属品の代替化を実施しています。さらに2008年度には、電線メーカーと共同で、従来のものに比べて、柔軟性、耐久性に優れた代替材料を用いた薄型テレビ用の電源コードを開発し、これをプラズマテレビ・PZ800シリーズから順次導入しています。これにより、本年度中に、国内向けの薄型テレビ「VIERA」全機種について、塩ビ樹脂の代替化を進めてまいります。
現在、このようにPAVC社は、他の大手電機メーカーに先駆けて、民生用と業務用をあわせた幅広い商品群において、塩ビの代替化を推進しています。PAVC社の国内向け新製品で、年間に使用する塩ビ樹脂の内、2007年度には、総量の50%を代替化しました。2008年度の新製品では、65%の代替化を目指しております。また、海外商品へのグローバル展開についても、各地域の状況に応じて、今後、取り組んでいきます。
松下グループでは、内部配線については、国内の新製品は2009年4月以降、グローバルは2011年以降、使用禁止とすることにしております。それ以外の用途の部位についても、さらに検討を進め、順次切り替えてまいります。
以 上
*1:製品の内部で電気部品やユニット間を接続する信号線やケーブル類
*2:ポリエチレンやポリオレフィン系樹脂をベース原料とする樹脂