衆院選、どこの政党を支持するか、大変に難しい問題です。
私たちにとっての関心事は、やはり「仕事」を得られるか、というこの一点にあるはずです。
雇用対策をどれほどきちんとやってくれるか。
各種業界の構造を正確に理解して、個別の対応策を練っていただけるか。
こういうところに注目していきたいところです。
たとえば、「年越し派遣村」では貧困の可視化が行われ、製造業における問題点をあぶりだしたことで、この分野における労働問題の解決に確かな動きが生じています。
業界は全く異なりますが、高等教育界における労働問題についてはどうでしょうか?京大くびきりアイランド(現・くびくびカフェ)に見られるように、この業界は超格差社会になって久しくたちます。しかし、そのことになんらの改善の動きも見えません。大学の専任教員と学生の間に立ち、研究や教育の質の維持に縁の下で支える若手博士や研究員たちは、ほぼ無償のボランティア状態で業務に何年も就き、挙げ句、心身の調子を崩すものが続出しています。
この、高学歴ワーキングプア状態に置かれる人たちは、年をおって増え続けています。
来るべき選挙の後、少しでもこの問題に光りをあててくれそうな政党は、どこでしょうか?(この問題を取り上げてもあまり票にならないので、ほとんど期待はできないかもしれませんが、一縷の望みを託して。。)
これまでのところ、次にあげる3つの政党で若干の動きが見られています。
まずは自民党。
【自民党】
河野太郎議員HP「太郎の主張・政策」
**文部科学省政策棚卸し**
自民党「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」の主催で、昨年、文部科学省の事業における「政策棚卸し」作業が行われています。(2008年8月4、5日)
そのなかで、「キャリアパス多様化促進事業 4億円」について触れた議論では、評定者の全員一致でこれに「No!」、という結果でした。
理由はいろいろありますが、大まかには、「就職など本人、あるいは大学がマネージメントすべきことだ。そもそも本人に問題があるのではないのか。専門ができても社会性がないということではないか、自己責任だろう」というものが多かったように思います。
まあ、けちょんけちょんです。しかし、これは業界の構造上の問題がほとんど見えてないなかでの議論のようにも思えます。はっきりいえることは、展望は見えないだろうな、ということですね。
次に民主党。
参議院議員の広田一氏が、この問題に対して興味を示して下さっているようです。
詳しくは、UTCPの西山さんの下記報告をご参照ください。
参議院議員・広田一氏来訪―高学歴ワーキングプア支援対策の拡充のために
【UTCP 西山雄二】
結論からいくと、ほんのわずかだが希望が持てそう。だが、この党も「無駄遣い」にどれだけ歯止めがかけられるか、ということに燃えてますから、博士キャリア支援が、仕事に就けていない博士の就労支援-つまり、生活保護支給などのようなイメージ-などという風に捉えられると危ないかもしれません。
生活に困窮している博士の多くは、本来ならば給与をもらってしかるべき働きをしているにもかかわらず、構造上の問題で「ただ働き」をさせられているのです。博士キャリア支援などの予算は、この「本来であるならば報酬を手にしてしかるべき博士たち」に、遅ればせながら若干の労働対価が支払われるようになったという意味合いが大きいはずです。これすらも削られれば、アカデミアに残ろうという若手研究者たちはもはやいなくなるでしょう。
最後に共産党。
ここはかなり活発です。
HPでも、下記の記事が大きく扱われています。
石井郁子衆議院議員が提出した「若手研究者の就職難と待遇に関する質問主意書」(2007年12月17日)と政府答弁
3つのなかでは、今のところ一番期待が持てそうです。
さて、選挙ですが、なかなかに悩むところです。
いずれにせよ、投票に行かねば何も始まりません。
大学院生は今や26万人あまりいます。既に修了して、高学歴ワーキングプア状態で苦しんでいる方々は10万人近くいるとも言われています。あわせると、36万票となります。これは、決して小さくはないはずです。自分たちの意思表示をする絶好の機会が到来しているのではないでしょうか。
私たちにとっての関心事は、やはり「仕事」を得られるか、というこの一点にあるはずです。
雇用対策をどれほどきちんとやってくれるか。
各種業界の構造を正確に理解して、個別の対応策を練っていただけるか。
こういうところに注目していきたいところです。
たとえば、「年越し派遣村」では貧困の可視化が行われ、製造業における問題点をあぶりだしたことで、この分野における労働問題の解決に確かな動きが生じています。
業界は全く異なりますが、高等教育界における労働問題についてはどうでしょうか?京大くびきりアイランド(現・くびくびカフェ)に見られるように、この業界は超格差社会になって久しくたちます。しかし、そのことになんらの改善の動きも見えません。大学の専任教員と学生の間に立ち、研究や教育の質の維持に縁の下で支える若手博士や研究員たちは、ほぼ無償のボランティア状態で業務に何年も就き、挙げ句、心身の調子を崩すものが続出しています。
この、高学歴ワーキングプア状態に置かれる人たちは、年をおって増え続けています。
来るべき選挙の後、少しでもこの問題に光りをあててくれそうな政党は、どこでしょうか?(この問題を取り上げてもあまり票にならないので、ほとんど期待はできないかもしれませんが、一縷の望みを託して。。)
これまでのところ、次にあげる3つの政党で若干の動きが見られています。
まずは自民党。
【自民党】
河野太郎議員HP「太郎の主張・政策」
**文部科学省政策棚卸し**
自民党「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」の主催で、昨年、文部科学省の事業における「政策棚卸し」作業が行われています。(2008年8月4、5日)
そのなかで、「キャリアパス多様化促進事業 4億円」について触れた議論では、評定者の全員一致でこれに「No!」、という結果でした。
理由はいろいろありますが、大まかには、「就職など本人、あるいは大学がマネージメントすべきことだ。そもそも本人に問題があるのではないのか。専門ができても社会性がないということではないか、自己責任だろう」というものが多かったように思います。
まあ、けちょんけちょんです。しかし、これは業界の構造上の問題がほとんど見えてないなかでの議論のようにも思えます。はっきりいえることは、展望は見えないだろうな、ということですね。
次に民主党。
参議院議員の広田一氏が、この問題に対して興味を示して下さっているようです。
詳しくは、UTCPの西山さんの下記報告をご参照ください。
参議院議員・広田一氏来訪―高学歴ワーキングプア支援対策の拡充のために
【UTCP 西山雄二】
結論からいくと、ほんのわずかだが希望が持てそう。だが、この党も「無駄遣い」にどれだけ歯止めがかけられるか、ということに燃えてますから、博士キャリア支援が、仕事に就けていない博士の就労支援-つまり、生活保護支給などのようなイメージ-などという風に捉えられると危ないかもしれません。
生活に困窮している博士の多くは、本来ならば給与をもらってしかるべき働きをしているにもかかわらず、構造上の問題で「ただ働き」をさせられているのです。博士キャリア支援などの予算は、この「本来であるならば報酬を手にしてしかるべき博士たち」に、遅ればせながら若干の労働対価が支払われるようになったという意味合いが大きいはずです。これすらも削られれば、アカデミアに残ろうという若手研究者たちはもはやいなくなるでしょう。
最後に共産党。
ここはかなり活発です。
HPでも、下記の記事が大きく扱われています。
石井郁子衆議院議員が提出した「若手研究者の就職難と待遇に関する質問主意書」(2007年12月17日)と政府答弁
3つのなかでは、今のところ一番期待が持てそうです。
さて、選挙ですが、なかなかに悩むところです。
いずれにせよ、投票に行かねば何も始まりません。
大学院生は今や26万人あまりいます。既に修了して、高学歴ワーキングプア状態で苦しんでいる方々は10万人近くいるとも言われています。あわせると、36万票となります。これは、決して小さくはないはずです。自分たちの意思表示をする絶好の機会が到来しているのではないでしょうか。