おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

~あなたの運命を変える~「人生のターニングポイント学習法!!」5

2008-09-04 19:46:07 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望
音譜今日から、7日に渡って人間(ひと)としての『生きる力 を学ぶための特別企画としまして、人間が生きていく上でその人自身の将来の運命を決める、人生の“ターニングポイント”(人生の運命の分岐点)について、さまざまな作品を通じて、それを探し出すためのヒントになる決断部分マスターするための学習方法と、その見極め方(決断時)の参考例を掲載します。もし、あなたがこの人生の“ターニングポイント”の見極め方を本当にマスターすることが出来たとしたら、きっとあなたは自分の将来において、他の人たちに比べ数倍の高い確率で「幸運の運命」を手に入れることが可能になり、周囲の人が羨ましがるような「幸せな人生」が送れる大きな可能性を得ることになるでしょう。


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「リトルサンタ」
~永遠のきずな~

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♪Silent night holy night

さあ眠りなさい み聖母(はは)の胸で

愛しき我が子よ その悲しみが

その涙が 消えるまで

パパとママの墓石に寄り添いながら、雪に埋もれて死んでいるハルの遺体が発見されたのは、クリスマスが終わった翌日の朝でした。

クリスマスイブに家を飛び出したまま、とうとうクリスマスの当日になっても家に帰って来ない、彼女のことを心配したおばあさんが、町の警察に捜索願を出していたのです。

ハルの遺体が発見されたとき、その凍えきった体とは正反対に彼女の表情は、とても穏やかで笑っているように見えたそうです。

ただ彼女自身は、大きな勘違いをしていました。

彼女が歩き疲れて眠っていたのは、教会ではなく町外れの高台にある、両親が眠る墓地だったのです。

そして、彼女は冷たい雪が降り積もる中で、永遠の眠りに就きながら幻想を見ていたのです。

そう・・・ハルが出会ったパパとママも、そしておばあさんも、すべて天の国に旅立つ彼女のためにティノが用意してくれた、最後のクリスマスプレゼントだったのです。

おばあさんは、自分の体が不自由で車椅子生活だったために、どんなに自分がそれを望んでも、警察関係者や近所の人たちに説得されて、ハルの遺体発見現場には行くことが出来ませんでした。

でも、ハルの棺が警察の車で運ばれて家に戻ってくると、雪水の泥で汚れた彼女の体をきれいに拭いてあげ、彼女が大好きだった苺の模様がいっぱい付いた、誕生会用のドレスに着替えをさせてあげました。

また、彼女が今年のクリスマスプレゼントに欲しがっていたウォルドルフの人形やテディーベアーの縫いぐるみを棺の中に入れてあげたりして、彼女の天の国への旅立ちの身支度を徹夜でしてあげた。

そして、その夜は彼女との最後の時間を、一緒に暮らした五年間の思い出を、ひとつひとつ辿りながら一緒に夜を明かしました。

「ハル・・・」

「お前の本心も分かってあげずに、まだ子供のお前にあんなに辛いことを言って死なせてしまった、おばあさんを許してね・・・」


ただやはり、おばあさんの気持ちの中にはハルが死んだのは、彼女を無理に自分が児童養護施設に預けようとしたからだという強い心残りがあり、その後悔の苦しい気持ちが、一晩中おばあさんを悲しませた。




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もういちど君が 笑ってくれないだろうか

もう一度君が 歌ってくれないだろうか

その汚れなき瞳と その可愛い唇で

今度生まれ変わっても また君に会いたい

この同じ場所で この同じ姿のまま

どんなに悲しいときも どんなに嬉しいときも

いつでも君は 傍にいて

私に生きる 希望をくれたから

私に生きる 幸せをくれたから

その翌日、ハルの遺体は近所の人たちに手によって町に教会に運ばれました。

そして、新婦のミサや聖歌の合唱、献花などの一連の葬送の儀式が終わると、両親が眠る墓地に一緒に埋葬されました。

ただおばあさんは、その埋葬の際に彼女に伝えようと思っていた”さようなら”の言葉を言うのを途中で止めることにしました。

それは、突然おばあさんの気持ちの中に、彼女と過ごした五年間の思い出を、いつまでも葬りたくないという思いが込み上げて来たからでした。

やがて、季節はまるで春、夏、秋、冬と時間の流れを飛び越えるかのように目まぐるしく巡っていき、いつのまにかまた新しい年のクリスマスイブを迎えていました。

今年もハルとおばあさんが住んでいる町の子供たちにクリスマスプレゼントを届けにやって来たティノが、おばあさんのことが気になって家の中をのぞくと・・・・・

そこにはもう、去年までのクリスマスイブのようにハルの姿はありませんでしたが、彼女の分までクリスマスイブの手料理を汗だくになってつくり、彼女が大好きだったウォルドルフ人形と一緒に、二人分のクリスマスを祝うおばあさんの姿がありました。

それを見て、ティノがひと言つぶやきました。

「おばあさん、ハルちゃんのぶんまで、いつまでもお元気で・・・」


――おわり――


※上記のウォルドルフ人形の画像は、「絵本の店・星の子」のご好意で使用させていただいています。
「絵本の店・星の子」ホームページ

http://homepage2.nifty.com/hoshinoko/


※ウォルドルフ人形は、ルドルフ・シュタイナーさん(クロアチア出身)のユニークな教育思想を背景に生まれた、人形とだと言われています。その後、スェーデンのカーリン・ノイシュツさんが「LEX MED MJUKA DOCKOR/ぬいぐるみ人形とあそぼう」を著述してから、世界各国で広く一般にも知られるようになりました。


※今回の作品~青春うたものがたりシリーズ2~「リトルサンタ」の中で、私がつけたそれぞれの人生の“ターニングポイント”は、「緑の文字」の部分です。ぜひ、みなさんもこの作品を読んでみて、自分だったらどの部分を自分の人生ターニングポイントにするか?チェックしてみてください。ただし、このものに対しては、誰が選んだものが正解だとか不正解だとかという決まった答えはありませんが、精神心理学の専門家の話によりますと、その選び方ひとつで、みなさんのこれからの人生の運命が、幸せになるのか不幸になるのかの、そのふたつのどちらかかの運命の道に、間違いなく分かれて行くことだけは確かなことのようです。




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