LIFE  ~ありのままの私~

今生きてる私。日々の他愛もない日常を語って元気になれる、そんなブログを目指してます!

運命 ~New Departure~ (第2章:決意)

2009-07-13 16:43:09 | 小説


「せんぱ~い!!!
早く復帰して下さいよぉ~~~!!!」

声の主は施設の後輩、愛(あい)である。
どうやら、私が療養生活を始めてから施設の中がバタバタしているらしい。
休みを利用して、私の家へ遊びに来ているのだ。
目は大きく口は小さい。
本当に可愛い後輩だ。
それに性格もいい。
私は彼女が入社してから面倒をみている後輩で愛ぼんと呼んでいた。

「愛ぼん・・・そんな無理言ってもこの腰が動いてくれないのよっ!分かるでしょう~。」

そう、腰を痛めて休業し、早1週間が過ぎていた。
そうでなくても福祉業界は万年人手不足であり肩書きのもたない職員ならまだしも、
私は副主任として働いていた為、フロアーが回らなくなってなっているのだ。
全ての重責が主任へと向けられ、主任も隅々まで手が回らなくなりフロアーの規律が
ぐちゃぐちゃになっていた。
利用者さんから毎日くる苦情と職員の疲労も相当なものであり、愛ぼんは私に助けを
求めてきたのだ。
かと言って、この腰ではどうしようもない・・・。

「とにかく、電話で逐一指示をするから、何とか今居る職員だけで持ち応えてくれる?」
私の話を聴いていた愛ぼんは、渋い顔をした。



ある子は、利用者さんの不満を言う。
また、ある子は、主任の愚痴を言う。
こんな事が毎日のように続き、次から次へと後輩が家にやってきたのだ。
そして、私はある一大決心をしていていた。

私が居る事でフロアーの人達に迷惑を掛けている。
休んでいても一人として数えられ、新しい職員を雇ってはもらえない。
私の腰の状態も芳しくない。
これ以上、迷惑を掛けたくなかったのだ。
私の決心と言うのは、施設を辞めること・・・。



休業してから1ヵ月が経った。
ようやく腰の痛みも軽減し、歩けるまでになっていた。
この1ヵ月間といえば、家と整骨院の往復。
楽しみと言えば、整骨院で知り合った1人の男性との会話だったの。
この男性との出会いが私の1つ目となる運命の出会いであった。




第3章へつづく・・・


*運命 ~New Departure~ は、自作小説になります。
これから、どんどん面白く、そして主人公が悩み苦しみ楽しみ・・・幸せになっていく様を書いていきたいと思います。
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運命 ~New Departure~ (第1章:ある施設での出来事)

2009-07-11 12:22:16 | 小説


私は身体障害者施設で働く30歳の介護職員で名前は、相原夢!
この日のトイレでの出来事だった。
全身麻痺の利用者さんのトイレ介助をした私は、
利用者さんの腰周りに両手を広げ指と指を重ね合わした。
重なる指は今にもほどけそうで、私はめーいっぱい腕を伸ばした。
車椅子に座る利用者さんをそのまま持ち上げ、便座へと身体を
誘導させた・・・っとその時、私の指に激痛が!!!
「いたっ!」
痛みと共に指が離れていき、利用者さんを一瞬離してしまった。
無理に指と重ね合わした事で指に大きな負担がかかり、
どうやら突き指をしたらしい。
「あ~~~っ!!!」
私は声を張り上げ、離した手を大きく広げ、もう一度、利用者さんを
受け止めた。
ズキズキッ・・・指が痛む。
っと、その時だった。
今度は私の腰に激痛が走った!!!
「いたっ!!!」
無理な体勢で利用者さんを受け止めたことで
私は腰をひねってしまったのだ。
痛みにこらえながらも最後の力を振り絞り、
利用者さんを便座へと誘導した。
私の腰には今までにない激しい激痛が何度も襲いかかってきた。
ズキーンッ・・・ズキーンッ・・・と何度も何度も。

我に返った私は、利用者さんの様子が心配になった。
利用者さんの顔を慌てて覗きこむ。
その表情は強張り、”恐かった”のだと主張していた。
「ごめんなさい。恐かったね・・・。本当にごめんなさい。」
私は何度も何度も利用者さんに言葉をかけ、
何度も何度も緊張した身体を抱き締めたのだった。


利用者さんの身体は大きく、特に腰周りが凄かった。
その為、女性が介助をするのには限界があったのだ。
この事は、上司にも報告されており、
近々、女性介助から男性介助に変更になる予定だった。
私が腰を痛めたのはこの矢先であり、
それまでに腰を痛めた職員は私で3人目になってしまった。
どんなに気を付けていても介護には限界があり、
ましてや、コツを掴んで介護にあたっても、
相手が自分より体型があれば腰周りに手が届かない。
相手が自分より体重があれば女性には負担が重過ぎるのである。



それから3日後、腰の痛みで動けなくなった私は、
長い療養生活へと入る事になり、
ここから私の人生が大きく動いていくのであった。






第2章へつづく・・・


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