大きな問題を抱えて動き出した「木曽川水系連絡導水路計画」
木曽川、長良川、揖斐川を結ぶ「木曽川水系連絡導水路計画」は、国、岐阜県・愛知県・
三重県・名古屋市三県一市の確認のもとで2004 年(平成16 年)「徳山ダムに係る導水路検
討会」が設置され、検討が進められてきました。
昨年(06 年)8月開催の第6回検討会において揖斐川(西平ダム上流)と木曽川(犬山
上流)を結び毎秒20m3を流す「上流案」が、建設費約900 億円で三県一市は合意しました。
ところが、この合意から1年経つか経たない今年(07 年)8月。密室の協議の中、第7
回検討委員会は突如、導水の一部(平常時毎秒0.7m3、渇水時4.7m3)の水を長良川(岐
阜市北部あたり)に放流し、下流岐阜県海津市で背割堤を越して木曽川へ送るという「上
流下流分割案」建設費890 億円を発表。「コスト縮減」をうたい文句に三県一市は「合意」
しました。
一方、この導水路計画を含めた木曽川水系全体の概ね30 年間を想定した「木曽川水系河
川整備計画」(この中には、長良川中流部に新たに「遊水地」を整備するという大事業もあ
ります)の論議は、11 月28 日に開催された第10 回木曽川水系流域委員会で原案が承認さ
れたため最終段階に入りました。
各委員の締めくくり発言では
「三つの川の水が混ざるのは環境の問題が起こらないか心配だ。問題が起こるようならすぐ中止して欲しい。」など根
本問題を残したままの原案承認となっています。中には「計画決定の後、裁判が起きたり
しないように願っている」「原案のどこが修正されたのか分からない」などと発言する委員
もありました。異常なピッチで進む計画論議の日程。新春早々1月18 日の公聴会を経て強
引に幕を閉ざそうとしています。ストップ! 本当の市民議論はこれからです!
長良川を「水路」に変える導水路計画
市民の要望でもない長良川に流される平常時
毎秒0.7m3の水は、名古屋市工業用水となるも
のです。長良川は工業用水の導水路の役割を果
たすことになりますから、ダムで水が淀んでも
関係なく流されることでしょう。
渇水時には毎秒4.7m3の水が長良川に導水さ
れます。「河川整備計画」(原案)では、「1994
年(平成6年)規模の大渇水で、長良川(忠節)
で毎秒11m3の河川流量を確保する」としてい
ますので、長良川が水質的に一番心配なとき、
その3分の1以上が徳山ダムの湖底から流れて
くる水になるという悲惨な状況になります。
長良川に導水される水の内4.0m3は、流域委
員会で「木曽川のヤマトシジミを守るために必要」
と説明があった木曽川(成戸)流量40m3の一
部となります。河口堰建設で長良川のヤマトシジ
ミを絶滅させた国土交通省の説明ですからあき
れはてます。
水道用水としても工業用水としても要らないと言われた徳山ダムの水。
今、「環境改善」という名で莫大な税金を使って、長良川を流下しようとしている。
木曽川、長良川、揖斐川を結ぶ「木曽川水系連絡導水路計画」は、国、岐阜県・愛知県・
三重県・名古屋市三県一市の確認のもとで2004 年(平成16 年)「徳山ダムに係る導水路検
討会」が設置され、検討が進められてきました。
昨年(06 年)8月開催の第6回検討会において揖斐川(西平ダム上流)と木曽川(犬山
上流)を結び毎秒20m3を流す「上流案」が、建設費約900 億円で三県一市は合意しました。
ところが、この合意から1年経つか経たない今年(07 年)8月。密室の協議の中、第7
回検討委員会は突如、導水の一部(平常時毎秒0.7m3、渇水時4.7m3)の水を長良川(岐
阜市北部あたり)に放流し、下流岐阜県海津市で背割堤を越して木曽川へ送るという「上
流下流分割案」建設費890 億円を発表。「コスト縮減」をうたい文句に三県一市は「合意」
しました。
一方、この導水路計画を含めた木曽川水系全体の概ね30 年間を想定した「木曽川水系河
川整備計画」(この中には、長良川中流部に新たに「遊水地」を整備するという大事業もあ
ります)の論議は、11 月28 日に開催された第10 回木曽川水系流域委員会で原案が承認さ
れたため最終段階に入りました。
各委員の締めくくり発言では
「三つの川の水が混ざるのは環境の問題が起こらないか心配だ。問題が起こるようならすぐ中止して欲しい。」など根
本問題を残したままの原案承認となっています。中には「計画決定の後、裁判が起きたり
しないように願っている」「原案のどこが修正されたのか分からない」などと発言する委員
もありました。異常なピッチで進む計画論議の日程。新春早々1月18 日の公聴会を経て強
引に幕を閉ざそうとしています。ストップ! 本当の市民議論はこれからです!
長良川を「水路」に変える導水路計画
市民の要望でもない長良川に流される平常時
毎秒0.7m3の水は、名古屋市工業用水となるも
のです。長良川は工業用水の導水路の役割を果
たすことになりますから、ダムで水が淀んでも
関係なく流されることでしょう。
渇水時には毎秒4.7m3の水が長良川に導水さ
れます。「河川整備計画」(原案)では、「1994
年(平成6年)規模の大渇水で、長良川(忠節)
で毎秒11m3の河川流量を確保する」としてい
ますので、長良川が水質的に一番心配なとき、
その3分の1以上が徳山ダムの湖底から流れて
くる水になるという悲惨な状況になります。
長良川に導水される水の内4.0m3は、流域委
員会で「木曽川のヤマトシジミを守るために必要」
と説明があった木曽川(成戸)流量40m3の一
部となります。河口堰建設で長良川のヤマトシジ
ミを絶滅させた国土交通省の説明ですからあき
れはてます。
水道用水としても工業用水としても要らないと言われた徳山ダムの水。
今、「環境改善」という名で莫大な税金を使って、長良川を流下しようとしている。