パソコンはスリムデスクトップのVostro260sでした。
電源を入れてみると・・・全く応答がありません。電源ランプも点かない状態です。お客様は、電源は入ったとおっしゃいましたが・・・なんど電源スイッチを押しても反応ありません。電源スイッチの故障も考えられますが、スイッチは確実に押されています。
とりあえず、どらとも手持ちの電源ユニットに交換してみました・・・すると・・・電源が入りWindowsが起動してきました。どうも電源ユニットがおかしいようです。
Windowsのロゴが表示されてその後に・・・「個人設定を読み込んでいます」の表示から全く進まない状況です。お客様はこのことを言っているようです。
これは、ユーザープロファイルが破損している場合に起きることがあり、今回も修復してWindowsが起動するようになりました。
あとは電源ユニットを修理か交換すれば完了・・・だったのですが、ここからが大変でした。
まず、もともと付いていた電源ユニットの内部を確認しましたが、特に部品の異常は確認できず、電源ユニットチェッカーでも問題なく、検証用パソコンにつないでも正常でした。
とりあえず、同規格の電源ユニットに交換して、電源の入り切りや再起動などを行い問題ないことを確認しました。
翌日、パソコンの電源スイッチを入れると・・・また全く電源が入らない、最初の状態になってしまいました。

そうなると・・・電源ユニットの問題ではないことになります。一旦電源ユニットを最初のものに取り替えてみました。それでも、状況は変わらず電源が全く入りません。
ネットでいろいろ調べてみると・・・この機種に関して電源が入らないという事例も報告されていて、BIOSのアップデート、BIOS設定の一部変更などが紹介されていました・・・しかしどれも効果ありませんでした。その調べているなかで、気温が低いと電源が入りにくいといった記載を見つけました。
確かに、朝一番は、部屋も冷えておりパソコン自体も冷えています。そこで、パソコンをファンヒーターの近くへ持っていき暖気を暫くあてました。
すこし部品が温まった状態で、改めて電源を入れると・・・全く問題なく電源が入りました。

一旦電源が入ると、部品が温まるのか問題ありません。どうもマザーボード側の起動回路に問題あるようです。
お客様がパソコンを持ってきてくださったのは、夕方でパソコン自体も冷えていたので、電源が入らなかったのかもしれませんね。
さらにもう少し調べると・・・大元のコンセントを抜かなければ、気温が低くパソコンが冷えていても電源が入る。しかし大元のコンセントを抜いて再びさしても、パソコンが冷えていると電源が入らない。パソコンが温まっている場合は、大元のコンセントを抜いても再びさせば電源が入る・・・ことがわかりました。
そうなるとマザーボードの故障の可能性が高いです。マザーボード、特に起動回路あたりを調べましたが故障箇所を特定できませんでした。お客様とご相談させていただき、一旦電源が入ればコンセントを抜かない限り、通常通り使えることをお伝えし、この状態でご返却させていただくことにしました。もしコンセントを抜かなくても、電源が入らない現象が頻発するようであればマザーボードを交換することにしました。
後日、お客様のご都合のよいときにパソコンをご返却に伺い設置しました。電源を抜いてしまい、パソコン本体も冷えているので、思ったとおり電源が入りませんでした。ドライヤーをお借りして、数分筐体の背面から温風をあてて・・・再度電源スイッチを入れると、無事に電源が入りました。
あとは、Windowsが起動して、個人設定も問題なく読め、今までどおりに使用できることをご確認いただきました。
もし、コンセントを抜いてしまい、気温が低くて電源が入らない場合は、今回のようにドライヤーで暖めてもらうようにお願いし、暫く様子見とさせていただきました。
この機種のマザーボード・・・固体コンデンサーがCPUの周りに使われていますが・・・大容量の電解コンデンサーが見当たりません。コンデンサー自体は温度が低いと容量が小さめになるのですが・・・そのあたりも影響しているのでしょうか。
