消えてしまっても
雨を感じて
月が滲む
せえでええんか?
(雨のすきまを菌糸が走りまわっているように粘る考え
そげなこと、ゆーな。
しずくの光っているとこだけ
舌で舐める
どこが、可笑しい?
(誰にもらったのか忘れたハンカチで拭く遅刻した言い訳を
指先で
やせた意味をつくろって
きみも
きみでないこころをまとう
(つくねんと私語に座している楊梅は中国産やまもも
昆虫や植物
石ころそのものとして
好きな人と
ごろんと世間にころがって
(ただ濡れるだけの冗談をドン臭くととのえる
待つたのしみを
ブラシで研いで食べる
どこも、可笑しい。
月の傘さして
(つづく)