馬屋記ーヤギとクリの詩育日誌

詩育日誌11.19青いイルカの夢⑩浮寝

水に浮いたまま眠ると
すぐに代名詞を温める手が
降りて来て
ビールの栓ぬきで
すばやい動きの王冠を
飛ばしている
他動詞みたいに
はっきりした目的がない
背びれのような
ぎざぎざの機能がつるされて
そのさきで枯れた花たち
昼の食卓にも
イルカがひとり座って
ショパンを聴いている
こころは縁側にころがって
いなくなった親戚と
おしゃべりの表面で
笑っている
たのしい、でもつらい。
塩ふいたからだはまだ硬直していて
まわらないが
困惑をみやぶられたくない
海に浮いた
廊下板のすきまから
冬ざれが来る


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