馬屋記ーヤギとクリの詩育日誌

つらなりのほつれ fray of sequence(43)怪談を降りる

蔦植物のからまった
恣意性のカルカッタ
墓標の液晶ディスプレイが遺棄されている。

きょうはとくべつ空がひくい。雲の端末がくっきり落ちている山のいただきは安心して目覚めのふとももを高輝度フルカラーで横たえている。ちょっと、光の遠吠えまねして、怪談を降りてみよう。土のない街ではさよならをいうまえに文明がほころびている。蔦植物のからまった恣意性のカルカッタに墓標の液晶ディスプレイが遺棄されている。いる。よく見ると、なにかいる、緑と青の夜明けを膝のようにかかえて。善悪どちらでもないLEDに投射された植物の葉先をつたわって落ちる非指向のしずく……それらのひとつひとつのなかで鬼子が生まれている。歯が生えた状態で生まれた子供たちは土を食べる。土は、おいしくて。と、高輝度の声でささやく。


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