馬屋記ーヤギとクリの詩育日誌

つらなりのほつれ fray of sequence(38)夏のドット①

絵日記の升目に落ちる
夏の木漏れ日が
鹿の背中で白いドットになる。

夏休みには句読点をやさしく打とう。鹿の背中はどうして夏休みにだけ白ぬきドット模様に溺愛されるのか。夏のしづかな木漏れ日が背の毛皮に落ちたからか。絵日記の升目のなかに白ぬきのボンヌフォワがすこしずつ満ちてきた。木漏れ日の形状、模様、色彩、つまり意匠としての白ぬきドットが、森をまもる精霊たちからのデッサンを受け取っている。光と影の戯れをほどよい音韻の会話体にして、異界と交信しているのだ。ほら、軽トラに乗って土方焼けしたドルイド僧が栗を拾いに来た。呪いをかけられた草間彌生が鹿になっている。そうか、それで羽織っているのか、夏の白ドット。


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