
私が尊敬して止まない日本一の斬られ役、
「ラストサムライ」にも出演した兵庫県出身の福本清三さんの記事が、
久しぶりに出ていました。
今もずっと見ている時代劇の殺陣の中では、
必ずと言っていいほど出ています。
しかし、とっても見つけるのが難しい。
基本、斬られる専門の脇役ですから、ほとんどの場合、
背中しか見えていないか、カメラのピントの合っていない遠くに居ます。
それを動きの早い中で、探すのが楽しい。
ゲーム、「福本さんを探せ !」です。
慣れてくると、大体、背中の形、体型、斬られ方、動き方、
カメラの写る位置、場面の展開で予想がつきます。
予想が当たって、「あ、いた !」と見つけると嬉しいですが、
出て来ない時や見つからない時は、ガッカリします。
たまに、悪役の親玉になって、セリフが有る時は、
殺陣が、ほとんど無くて、早い内に、とっとと斬られて、
そっから先の芝居が面白くありません。
しかし、それでも、たまーに、最後の殺陣の場面に、
こそっと、写らないように出てたりしているので、気が抜けません。
殺陣の場面ほど、斬られ役の役者さんの演技の上手さが、
とっても重要です。
特に、斬られる前の立ち位置。
近すぎず、遠すぎず、斬られやすい体勢、突進の仕方、
斬られてからのカメラ写り、そして苦悶の表情、
縁側からの落ち方、障子や、ふすまの破り方、池への飛び込み方、
階段の転げ落ち方、そして主人公のカメラ写りに邪魔をしない。
言い出したら切りが有りません。
本当にプロフェッショナルの人達の、総合芸術です。
それを、せせこましい日本家屋の中で、長い刀を振り回し、
梁や、柱に当たらないように振り、ダイナミックに動かなくてはいけません。
本当に日本ならではと思います。
例えばカンフー映画やハリウッドなんかでは、セットを壊しまくります。
日本ではセットを壊す場合、ぶっ壊れるとか、ぶっ飛んでいくではなく、
ビリビリビリとか、バリバリバリと、ほとんど、そこから動かず壊れる。
そして、そこから、断末魔の指先とか、血だらけの顔が飛び出してくる。
しっかり、地獄絵図です。
さすが、そういう歴史を重ねてきて年季が入っている京都太秦です。
この前も、久しぶりに水戸黄門さんが京都に、お越しやして、
京都の人々に、徳川家の威光を振りかざしていました。
しかし、役者の方々は、いつにもまして、京都言葉で、
ちなみに、京都弁と言ったら京都の方々に怒られます。
皆さん全員が、生き生きと、京都言葉を操っておられました。
特別ゲストで、中村玉緒さんも出ておした。
そうどす、よろしおす、だらけでした。
さすがに、黄門さんも京都では、徳川家の威光を振りかざすは、
思いっきり出来ないので、
京都の偉いさんに書をしたためて、現場に来て頂いて、
処断してもらってます。
前回、京都に来た時は、貴族のおじゃるが悪い奴で、最後に
イケズが怒髪天を衝いて、眉毛点点、お歯黒で、「キー !」と絶叫して、
最高の回でした。
あの場面は、何度でも見返したいです。
話は違いますが、政府の文化庁が、京都に移転するらしいですが、
大丈夫おすやろか ?
イケズ倒されて、みんな東京に、出戻りならしまへんやろか ?
心配おすなー、可哀想に。
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