自分史・・純粋バカ一代・・ZAIYA友二 ・・デビルモンスター回顧録……旧タイトル 515の放浪

デビルモンスター逸話集・・そののちにアメリカ人たちから『デビルモンスター』と呼ばれた『オレ』の思い出話・・

【515の放浪】 《第13話》 【札幌にて】 《第12章》

2013年10月05日 05時00分00秒 | 515の放浪
 ゆっくりとフェンスから3mの距離まで近づいた。
 ふたりは黙ってオレを見ている。
「何の御用でしょう?」
 すると、年配の男が苛立ったようにフェンスを叩いている。
「なんでもいいから、中へ入れろ!」
それはできないな。
「フェンスの中へは、誰も入れません。明日会社が開いてから来てください」
「今、入れろよ!なんだおまえは」
「私、ここの夜間警備を任されてるガードマンですが」
 年配の男は、若い男に振り返って
「ガードマン頼んだんだとよ。あいつら」
こっちでも、あっちを『あいつら』と呼んでいる。どうやら、会社関係者とは知り合いらしいな。
「おまえ、鍵もってんだろう。開けろよ」
「開けられません。お名前教えていただけますか。今夜来られたことは伝えておきますが…」
「今夜のうちに用があるんだよ。それで来てるんだから」
「用がある人が来るとは聞いていません。こんな夜中に用はないでしょう…普通は…」
 男は、右手をズボンにかけている。その右手は、ジャンパーのすそに隠れて見えない。
なにか手に掴んでいるようにも見える。まさかと思うが、ナイフか拳銃なのか。











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