自分史・・純粋バカ一代・・ZAIYA友二 ・・デビルモンスター回顧録……旧タイトル 515の放浪

デビルモンスター逸話集・・そののちにアメリカ人たちから『デビルモンスター』と呼ばれた『オレ』の思い出話・・

第1話 【年下の男の子という場所にて】 《第6章》

2013年08月25日 23時00分00秒 | 515の放浪
自分の部屋に戻って考えた。
 キザワさんなんで消えたのか。それを解決するにはどうしたらいいのか。いったい、どこにいるんだ。どこを探せばいいんだ。途方にくれそうな時、ある手がかりを思い出した。
 以前、キザワさんから「親友なんだ」という人の電話番号を書いたメモをもらったっけ。携帯電話のない時代、家電を部屋に引いてる若者は、お金持ちという状況をオレに説明してたっけ。いや、裕福な友人がいるんだということを オレに自慢してるみたいだったな。だから、これが証拠だよと番号を書いたメモをわざわざオレに渡したみたいだ。

 よし、その「親友」にかけてみよう。10円玉をいっぱい持って公衆電話へ出かけた。
その番号にかけると、なかなか出なかった。
 長い呼び出し音の後、やっと「はい」とだけしゃがれた男の声が聞こえた。瞬時に、そうこちらも沈黙の時間は長くとれないので、瞬間的に『キザワさんがいるな』と感じた。だから「おい、電話だぞ。おまえさがしてるんじゃないか。どうする」という会話があった分、電話にでるのが遅れたか。そうかも…だけど。

「あっ。すいません。キザワさんの親友と聞いてお電話してます。キザワさん そちらに居られます?」
「シンユウ?」そこんとこだけ引っかかって聞いてきたか。音だけでは『親友』という言葉は伝わらなかったか。あるいは、『ただの知人』を相手が『親友』と言っているから、納得がいかないか。

「ええ。キザワさんの大切なお友達と聞いています。そちらにキザワさん来てませんか?」
「あんた 誰?」
すぐに『キザワはいないよ』とは言わないんだ。オレが何者なのか気になる?
「キザワさんの後輩です。キザワさんに伝えたいことがあるんですよ。そちらにいないんならどこにいるかご存知ありませんか?」
「伝えたいことってなに?」

ほぉう。こちらが質問したキザワさんの所在には答えずに、そこかよ。
「できれば本人に会うか電話で直接伝えたいんですけど…そちらから、キザワさんに伝えることできますか?」
「だからさぁ~…」面倒くさそうに…いや、どうするか考えてるのかな。
「キザワに伝えることってなに?」
そうかい。それがどうしても気になって聞きたいなら、そこが突破口になるかも。
 しかも、相手はこちらの質問を ことごとくはぐらかしている。『キザワ』には触れてほしくないということかも…

(つづく)第1話全編 は[FREE PAGE]に掲載します




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