≪純粋バカ一代≫《第31話》【対決免許試験場】≪16≫

【１６】
羽交い絞めされたまま「立て！」と言われた。

仕方がない。立つか。と上半身を起こしていくと、羽交い絞めにした腕は力を入れてないようだ。

上半身の体重を一気にかけて、地面に叩きつけた。警官は、肘を思いっきり地面に打ち付けて「痛い！」と腕をゆるめた。

その隙に、腕をすりぬけて立ち上がった。

試験課長の方を見ると、驚いて逃げ出そうとしている。

俺は黙って試験課長を追いかけた。

追い付いたらどうしてやろうという考えもないまま、追いかけた。