試験後、いつものように待合室で外を見ていた。
ふっと目の前に誰か立った。見ると、30歳代細身の眼鏡スーツ男だ。
その男は「国家公安委員会の者です」と言った。先週の事件のために来たか。「東京から来たんですか。それはごくろうさまです」
・・ということは他に警察官もいるはずだ。
ゆっくり後ろを見ると、待合室の外に3人の男がいる。1人は外を見ていたが、2人は俺の方をじっと見ていた。私服警官か。
ゆっくりと、左の方を見ると、門を開けている試験課の職員がいた。その向こうの道路には、警察バスが見える。
短靴が見える。機動隊か。