ひたむきってどっち向き?

主に医療・教育など、興味のあることについて
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新潟大学に行ってみた

2015-10-25 10:58:01 | 医療
新潟県まで県外出張。せっかくなので新潟大学&附属病院を堪能。

新潟大学には、筑波メディカルセンター病院の鈴木將玄先生つながりで、先日のつくばでの日本プライマリ・ケア連合学会学術集会でもお会いした井口清太郎先生(新潟大学総合地域医療学講座)がいらっしゃる。


お忙しい中、院内を案内していただいた。

【新潟大学医歯学総合病院のうんちく】
病床数825床、3次救急医療機関、災害拠点病院&DMAT派遣病院指定、ドクターヘリ基地病院でもある。平成15年に医学部附属病院と歯学部附属病院を統合、現在の「医歯学総合病院」を設置。平成26年に新病棟完成。100年以上の歴史を持つ地域の基幹医療機関である。とにかくデカくて新しい。


【新潟県はニューヨークと似ている】
大学病院がある地区は潟(海岸平野、島状)になっていて付近と橋で繋がっており、確かにニューヨークのマンハッタン島を彷彿させる。名前も「新しい潟」と「ニューヨーク」、無関係ではない。災害等で橋が倒壊した際に医療機能が分断されることのないよう、平成24年からドクターヘリの運航も開始している。


【ドクターヘリの基地病院】
ヘリポートがバスロータリーの真上にあり、施設見学中にも出動シーンに出くわした。冬はドクヘリにソリを履かせたりランデブーポイントでは救急隊員が事前に雪を十分に踏み固めておくなど、機体が傾かないための配慮という北国ならではの運航の苦労なども教えていただいた。


【医学生実習&高校生向け啓発】
井口先生の所属される「新潟大学総合地域医療学講座」の活動記録が研究室の天井に貼られていた。
全ての医学生の地域医療実習だけでなく、地域の高校を回って医学部進学のための講演会を開催したりと、将来の新潟の地域医療を担う若者の育成にもご尽力されている。


【オール新潟による次世代医療人の養成】
「リサーチマインドを持った総合診療医の育成」文科省のGP事業(Good Practice:大学教育の充実)があり、筑波大学でも取り組まれているが、新潟でも本事業に採択され、医療人育成プロジェクトを推進中。次世代の新潟の医療を担う人材を育成するため、新潟大学・新潟医療福祉大学・新潟薬科大学という地域の医療資源が連携しているところが素晴らしい取り組みだと感じた。


【臨床研修&医学部地域枠】
奇しくも平成27年度の医師臨床研修マッチングの結果発表の翌日で、新潟大学では前年比10名弱の増とのこと。新潟大学(12名)と順天堂大学(2名)に設置された地域枠入学者の地域定着が始まっているらしい。彼らの勤務する医療機関のコーディネートや専門医研修のあり方など、臨床研修センターの皆さんのご苦労も多いことだろう。
※地域枠入学者は医学在学中に奨学金(15万円/月)を支給され、卒業後、医師として一定期間(9年間程度)を県内の医療機関で勤務した場合に返還免除。


【まとめ】
井口先生は院内の様々な場所を案内してくださったが、とにかくお話が上手で思わず聞き入ってしまった。他県においても多くの医療人が地域の人々のために医療の提供や人材の育成に尽力していることを再認識。県外(海外も)の様々な場所に友人がいて、その方々と交流を持てる(=繋がっていると実感する)ことは非常にありがたいことだ。
会議と会議の狭間に何とかお時間をとっていただき恐縮。井口先生、本当にありがとうございました。


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