ひたむきってどっち向き?

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第10回茨城PTLS講習会(Primary care Trauma Life Support)

2017-06-04 12:21:50 | 医療
PTD(Preventable Trauma Death)=「防ぎ得た外傷死」を減らすことを目的とした第10回茨城PTLS講習会(Primary care Trauma Life Support)が茨城県立中央看護専門学校(=中央看専)にて開催された。

第一線で活躍する医師にとって、交通事故等による多発外傷はストレスの多いものだが、外傷の初期治療を効果的に行うことができればその時期の死亡率を35%減少できると言われている(らしい)

そのため、救急車で運ばれ医療機関で治療を始める最初の1時間は「ゴールデンタイム」と呼ばれており、今回のPTLSは、外傷に対しいかに効果的な初期治療を行えるかに主眼を置いたコースである。


毎回恒例のデモンストレーション。笠間市名物「イノシシにはねられた人」。陸奥圓明流を極めてないよい子のみんなは戦おうなんてしちゃダメだ。


スタッフも1秒前まで知らされていない状態で箕輪良行先生から会場の1年目研修医が指名され、テンパりながらも、なんとかデモ終了。

午後からは各分野に別れてのスキルチェック及びオスキー(実技テスト)。

【医師コーススキルチェック内容】
1:単純X線(頭部、頸椎、骨盤)
2:全身CT(単純頭部、体幹造影)
3:穿刺(心嚢穿刺、胸腔ドレナージ、外科的気道確保、骨髄輸液)
4:PS/FAST/骨盤


こちらは穿刺ブース。インストラクターからきめ細やかな指導を受けていた。


オスキーでは、受講生たちはテンパりながらも、コースで教わったプライマリー~セカンダリーサーベイの流れを必死に思い出しながら頑張っていた。
これを繰り返すことで日々の臨床での観察でも抜けがなくなっていく。
そのため、茨城県で行うこのコースでは、通常よりもシナリオ数を増やし(12回!)、受講生が何回も繰り返し体で覚えられるように工夫しているとのこと


講師からきめ細やかなフィードバックを受けられていたのも印象的だった。

外傷系の緊急時にどうしても専門医が間に合わず、自分だけで対応せねばならないケースに陥ることもあるだろう。そんな時に致命的なものを見逃さず応急処置を行い、時間を稼ぐためにも非常に有意義なコースだと感じた。

主に1~2年目の研修医が受講していた。地域の医療を支えていく若者たちが休日返上で頑張る姿に心から敬意を表したい
また、受講生の倍近くのスタッフが尽力してこその素晴らしい研修会。病院・消防など関係者はもちろん、裏方で走り回って足が痛い&遅くまで事前準備に関わった県医療人材課の皆さんにも感謝したい。

医師コースと併せ看護師コースも開催されていた。既受講者からの評価も高いこのコース、来年度も同時期に開催予定なので、これから実践投入されるから、興味のある方は是非!

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