ひたむきってどっち向き?

主に医療・教育など、興味のあることについて
スペシャリストと一般ピーポーを足して2で割ったくらいの内容のブログ

プチ臨床実習 in 大和クリニック(その4)

2015-07-26 21:13:00 | 医療
訪問診療ではいろいろなお話を聞くことができた。

お孫さんがジブリに勤務してて、「バケモノの子」の美術監督を任されているとか。うちの息子が前日に観に行って号泣したということを伝えたらすごく喜んでいた。孫の活躍はおばあちゃんの誉れである。カボチャとミョウガもらったww

【いちばん心に響いたおばあちゃんの一言】
私は夫と2人で暮らしている。台所に長く立つのは体に負担だが、なんとか自分たちで出来るように頑張って、介護保険を使わないように心がけている。日本も財政が厳しいと言ってるから。
私たちは娘たちやヘルパーが助けてくれているが、これからは夫婦2人だけの世帯が増えてくるだろう。夫婦どちらかが元気なうちは良いが、今後のことを思うとつらくなる。
8月から介護保険料の自己負担額が1割→2割になる(所得によっては1割)。年寄りが生きづらい世の中になっていく。



普段はこんな話しないらしい。県庁さんが来たので地域を代表して伝えたかったのだろう。
介護保険料の個人負担増については、団塊世代の高齢化への対応など政策的な何かがあるんだろうとは思う。でも、どんな理由があるにせよ、お年寄りに無理させたり悲しませる国にしちゃダメだなとしみじみ。

今回お邪魔した大和クリニックは0歳児から100歳超えまで、人間という生き物の誕生から死ぬまで一生涯をケアしていた。人によっては家族の手に負えなくなったら入院したい・させたいという家庭もあり、そのライフステージ&意向に合わせた様々な医療介入が必要。それを医療従事者と協力して提供していくのが行政の使命であると感じた。

ただ、配偶者や家族など身近な人がキーパーソンとなってなんとか成り立っているというのが印象。核家族化や独居などの社会問題をどうにかしないと、医療技術とか医療制度だけでそうこうできる問題ではない気がする。

事件は「現場」で起きているのは真実だが、社会を動かす何かは「会議室」で決まっていくこともまた真実。どれだけ現場と会議室の「真実の解離幅」を小さくできるか。外に出て聞くしかないし、大切なことは現場で直接聞くと書類で見るよりも何十倍も心に響く。
おばあちゃんが私に一生懸命教えてくれようとした・伝えようとしてくれた「想い」を大切に&忘れずに日々の活動を続けていきたい。


(あと1話だけつづく)


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