ひたむきってどっち向き?

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レサシアンの謎(マネキンのオーバーホール)

2016-11-23 22:08:12 | 蘇生教育
日本ACLS協会 茨城トレーニングサイトでは,毎年この時期に心肺蘇生用マネキン,AEDなどの大掃除を実施している。

もちろんマネキンやAEDは,講習会終了後に毎回拭き掃除はしているが,年1回はバラし,内部クリーニング&部品交換したりと,隅々までメンテナンスを行ういわゆる「オーバーホール」が行われる。

BLS(一次救命処置)の受講者なら分かると思うが,講習会では手の皮が破れて出血するほど胸骨圧迫を繰り返す。それも命を救う術を習得するため。
1ブース3人換算で2,000回/日,1年だと50,000回以上押されてもおかしくない。
相当タフに作られていてもガタはくる。日頃のメンテナンスが大切。


分解してみると,ちゃんと目玉がある。さすが舶来品だけあって青い眼


人工呼吸の練習で膨らむ肺も新品に交換。BVMで入りを確認。


これだけ並ぶともはやロボット工場。コワい。鉄腕アトムの世界を彷彿させる。


今回は,うちの奥さんも参加し,マネキンの理解・分解・再構築を学んだ。

サイト長の安田貢先生はじめ先輩方から「質の高い製品を大切に使って長持ちさせる」という当たり前だが重要で,かつなかなか難しいことを学ばせてもらっている。
皆さん休日返上でのボランティアで参加。でもへこたれないのは、純粋に「良い環境を作って受講者の満足度を上げよう」という想いからだろう。心から尊敬する。

【レサシアン(成人用マネキン)に関するうんちく】
20世紀初頭,パリのセーヌ川で少女の遺体が引き上げられた。そのうら若き少女の繊細な美しさとうっすらと浮かべた微笑が、彼女の死に謎を残した。
後に、口対口の人工呼吸法を実用的且つ効果的に教えるためのトレーニングマネキンを開発しはじめたアスムンド・レールダルは、この少女の早すぎる死に胸を痛め、悲劇がくりかえされないようにと、心肺蘇生訓練用マネキンの顔に少女のデスマスクを採用し「レサシアン」と名づけた。

(参照:レールダル社HP)
http://www.laerdal.com/jp/docid/6681880/Symbols-The-girl-from-the-river-Seine

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