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祈り/テンギス・アブラゼ監督@岩波ホール

2018-08-14 20:54:39 | 映画・演劇・美術
 と言うことで、休みの最初はジョージア映画観賞。ジョージア映画なんて日本でそんなに上映される訳ではないので、ほぼ片っ端から観てる状態。とはいえ、このテンギス・アブラゼ監督作品が一挙3作品上映なのだが、この作品は観てないので。と言うか、10月にはいよいよルスタビ合唱団来日もあり、今年は個人的にジョージアイヤーだな。国内的にも、ジョージア出身の力士、栃ノ心が初場所優勝でジョージアが注目されている。場内はもちろんルスタビ合唱団の合唱がかかっている。
 果たして、その作品はとてもアヴァンギャルドな作品だった。宗教的、幻想的な映像美の中に、血も涙もない残酷なストーリーを織り込んでいる。ジョージアはグルジア正教会と言う古いキリスト教の国である一方、周辺をトルコやペルシャと言ったイスラム教国に囲まれる。他にもアゼルバイジャンのゾロアスター教など、異教徒との争いが絶えない国。いや、それ以前の問題だ。敵を討って来た兵士に、敵の右腕を取って来なかったから意気地なしだ、と罵られ、町を追い出されるとか。
 なんと言うか、ジョージア映画である前に、これはソ連映画。共産主義から見た、宗教批判と言う面もありそうである。ただ、テンギス・アブラゼ監督としても、宗教の無情さは看過できないものであったに違いない。
 ある意味、カルト映画として観ると、強烈なインパクトがある。西アジアの大自然が、まるでこの世のものとは思えないアヴァンギャルドな美しい映像(モノクロなため、緑溢れているはずの大地がまるで火星に降りたかのようだ)になっていて、ゴダールのような無機質な残酷さはクールでもある。悲しい物語である一方、大人のおとぎ話でもある。




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