タイ人雇用調査と統制環境

日本の親会社の連結対象企業となっているタイの現地法人は、J-SOX・内部統制と対応を迫られる、まさに今、取り組んでいる最中である。
そこで、手をつけて頂きたいことは、ローカル・タイ人幹部社員(日本人現地採用者も同)の人物調査です。
タイ国におけるビジネス環境、社内不正と汚職は密接に結びついており、この社内不正と汚職の共存は、タイでの内部統制を著しく阻害する。
適正な人物調査を行うことで、タイ現地法人の承認権を有する従業員の確かな裏付け取れていることを立証し、従業員による承認リスクを回避していることをアピールする。

タイ国でタイ人従業員を新規雇用する時、あるいは内部昇格をさせて承認権を与える場合、次の点に注意をしながら進めていくことが肝心です。

【内部統制におけるリスク概念】
あらかじめ起こり得るローカル(タイ人)従業員の雇用に関するリスクを予測し、対応策をシュミレーションしておく。
リスクの洗い出し
リスクの分析・評価
リスクの対応策の立案と実行

【雇用調査実施の目標】
タイ人従業員の雇用および昇進の正当性を確保する。
タイ人従業員の雇用および昇進の継続性を維持する。
タイ人従業員の雇用、昇進の正当性確保、継続性維持についてシッカリとした裏付けが取れている証明。

【雇用調査の意義】
タイ人従業員の雇用および昇進に関する規定の内容を把握し、信用情報をどのように入手し、雇用および昇進の意思決定に利用しているかを検討する。
雇用および昇進に関わる基幹業務プロセスにおいて、どのステップでどのように利用されているか、また、その情報の更新状況について検討する。

【雇用リスク対象】
主要従業員の雇用および昇進のすべてはリスク対象となる。
1) 雇用リスクの洗い出し
学歴、職歴などの過去の経歴の事実確認
過去の犯罪歴、係争案件の確認
過去の職歴における労働組合活動
過去の職歴における退職事由、評判
現住所、自宅など生活状況確認
同居人の確認
2) 予測される雇用リスク
不適切な人物に承認権を与えてしまう危険性
経歴詐称による不適切な人物の雇用および昇進をさせてしまう危険性
不適切な人物の雇用および昇進をさせてしまう危険性
労働組合活動に積極的な人物を雇用してしまう危険性
虚偽情報の届出
3) 雇用リスクの分析・評価
人材紹介会社経由の書類について、卒業学校、前職場において事実を確認
法令遵守について関係各所への法令違反確認
前職場において事実を確認
住居登録における同居人確認
現地確認および周辺評

■写真の説明
日系某社の女性総務部長の自宅。
入社15年で、どの日本人駐在員よりも社歴は長く、会社を牛耳る「影の社長」と社内ではささやかれる実力者。
長年にわたり、汚職の限りをつくし、写真のような豪邸を建築しちゃいました。夫は無職、子息2名は高級インターナショナルスクールに通学。
汚職で稼いだお金でハイソな暮らしを形成、これでは2人の子供がかわいそうだよ。

社内不正をする人の理由の第一番はこれ、「自分の資力を超えた生活をしている」。
これは調査をすれば、すぐ分かります。ちなみにこの女性総務部長は、様々な証拠を裏づけとして、会社を辞めて頂いております。
これにより、会社の承認権に関するリスクは回避され、内部統制の機能する統制環境の質は向上しました。

タイ人の雇用に関する調査は DATAMAX CO., LTD. へ
http://www.datamax.co.th
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