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銀座へ行ったのよ。
銀座は30代の頃に汗水たらして働いていたとこ。
歌舞伎座の近くで残業の毎日だった。
歌舞伎座のあの建物もなくなってしまうんだ。
銀座の街は、少し通りをそれて歩くといいんだわ。
画廊とか、バーとか、
古臭いけど、美味しい老舗のレストランとかあるからね。
日が暮れなずむ頃には、きれいな出勤前のお姉さんにも遭遇したり。
ネオンが灯ると、ビルが輝いて、
暖簾の間から焼き鳥の煙なんかがもれてきてさ。
たまにスカウトのお兄さんに名刺貰ってた。
仕事の帰りにバイトしません?
この近くに店があるから覘いていかない?
お水に向きそうだったのかね?
若かったんだね。
そりゃぁ、少しの気の迷いもあったけど、
甘い水を飲んでしまったら、ね。
ハマりそうだからヤメといた。
それで、今日。
晴海通りで、声をかけられたのよ。
「あの、すみません。」
えっ、まさか。
アホな私は昔を思い出した。
なわけないよ。
えっ、まさか?
マニア向けのおばはんAV?
ララピポか?
そうか!
道を聞きたいって事?
ゴールデンウィークは全国から銀座に出向いてくるもんね。
日本語だし、中国人じゃないわな。
はい、はい、おばさんは皆に親切。
振り返ると、いかにも銀座にいそうなタイプのおじさん。
おすぎとピーコ臭が出てる。
「へんなスカウトとかじゃないので。。。。。」
げっ、当たり前だろ。
わたしゃいくつになってるとおもっとる!
「あの~、特別な美容があるんですが。。。」
なんじゃそれ!
わたしゃ、特別な美容じゃなきゃダメか。
おっぴろがった毛穴は特別じゃなきゃダメか。
引力に負けとるほうれい線はスペシャルかぁ~!!
時間は残酷でございまして、
年月を経て銀座を歩くと、
小金持っとるおばさんになっていましたってことでやんした。
あ、あ、あ、銀座逝き。