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幸せ者

彼女のことだけをよく知ってる
そして音楽が胸の中でいつでも鳴ってる
そんな感じでいい

Fishmans、佐藤伸治への想い 第2回 染入る言葉~ナイトクルージング

2004年11月30日 | Fishmans、佐藤伸治への想い
Vo,Gで全ての曲の作詞作曲を担っていた佐藤伸治が急逝したのは、99年の3月だ。
本格的にFishmansを聞くようになって1年余りの出来事だった。
風邪をこじらせて、肺炎で亡くなった。
生まれて初めて、オンタイムで本当に自分の好きなアーティストが死んだ。
ジミヘン、ジョン・レノン、ボブ・マーリーが死んだときにみんなはどう思ったんだろ?
俺が感じたのは悔しさだった。
何で佐藤伸治なんだ?
なぜFishmansなんだ?
なぜこんなに才能に溢れ、音楽に対して純粋な人が死ななくてはいけないんだ?
メンバーが減り、次回作に対する意気込みも語っていた彼が死ななくてはいけないんだ?
これからどんな音楽を聞かせてくれるのか。
その期待や思い入れの分だけ怒りがこみ上げてきてしまった。
思わず友人に電話をし、なぜか切れてみる。
その後に来るのはもちろん喪失感。
ありきたりな表現で言えば目の前真っ暗。
理不尽な簒奪。
いくら一所懸命にやっても、素晴らしいことをしても報われないことがあるって改めて気付いたよ。
遅いかな?笑

追記:99年の初めには同じように応援していた横浜フリューゲルスが企業の倫理によってのみ安易に消滅させられた。それに続いての喪失だった。
一気に二つも大事なものを奪われてしまったわけで、その時は本当に普段にも増していろいろなことが信じられなくなった。

とにもかくにも、俺にできることと言えばFishmansの音楽を聴き続けるだけ。
それ以外に何にもできない。
無力感と無意味な日々。
でも、やっぱ人間気付くね。
特に佐藤伸治の詩の持つ言葉のマジックで立ち直れたね。
「それでも人生は続いていく」んだからね。

とは言え、佐藤伸治以外の詩はただの言葉になってしまった。
言葉が響かない。
色が無い。
動かないのであった。
その後1年くらい日本の音楽はFishmansしか聴けない日々が続くのでした。
(その3に続く・・・?)


さて今回は、「ナイトクルージング」Fishmansのエポックメイキングアルバム「空中キャンプ」('96)の5曲目に収録されいる。
「チリチリチリチリ・・・」というアナロギッシュなノイズに始まるこの曲は、
Fishmansファンの間でも一番好きな曲に上げる人も多い歌だ。
30歳を過ぎて車の免許を取得した佐藤伸治が、夜中にドライブをしていて、
その時の気持ち良さにインスパイヤされて作ったと言われている。
前回の「In the Flight」でも書いたけど、この曲も浮遊感に溢れる歌。
冒頭の「ジリジリ」に、
訥々とヒラヒラしたリズムを奏でるギターが絡み、重厚なベースと、ホロホロ落ちてくるようなピアノの音、最後にドラムのビートが重なってくる。
このオープニングを聞いているだけで、体は重いから浮かないけど、心が、魂がブワブワしてくる。
そして、漂う音と言葉。
エンディングは少しずつ音が少なくなり、最後はピアノがリズムを落として鍵盤を人差し指で大切に、優しく抑えるように響く。
そして波が沖へ引いていくように音楽が終わる。



ナイトクルージング by 佐藤伸治

誰のせいでもなくて いかれちまった夜に
あの子は運び屋だった 夜道の足音遠くから聞こえる
ああ、誰のためでもなくて 暮らしてきたはずなのに
大事なこともあるさ ああ、天からの贈り物
Up & Down , Up & Down , Slow , Fast ,Slow , Fast
Say Together oh , ナイトクルージング
ナイトクルージング ナイトクルージング

窓は開けておくんだ いい声聞こえそうさ
窓は開けておくんだよ いい声聞こえそうさ

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