Being on the Road ~僕たちは旅の中で生きている~

日常の中にも旅があり、旅の中にも日常がある。僕たちは、いつも旅の途上。

東トルキスタンの青い空/ カシュガル 第2回

2023-01-22 13:43:05 | 旅行

2015年の記録

東トルキスタン最後の訪問からまる3年、正直、行きたくて、行きたくてしょうがないのだが、まだ、ちょっと行けそうにないので、8年前の写真で想いを馳せることにした、第2回。

 

 

ウイグル族は、子供が多く、街に子供が溢れている。(少数民族は、一人っ子政策の対象外であるが、朝鮮族、モンゴル族などの国家を持つ民族は、一人っ子政策対象だった。)

 

 

新彊ウイグル自治区は、中国の西方にある。その中でもカシュガルは、西端に位置する。非公式の新彊時間(北京時間-2時間)は、区都ウルムチを基準にしているので、さらに西方のカシュガルは、感覚的には、北京時間-3時間ほど。(北京時間は、日本時間-1時間)

 

 

人民路の北側、エイティーガル寺院の周囲と職人街周辺、それに国際バザール周辺が、カシュガル旧市街になる。

 

 

老城を一望できる摩天輪へ。老城は、ウイグル族の伝統的家屋が集積して建設されたもので、黄土色の要塞といった感じである。

摩天輪そのものは、開店休業の状態で、僕のためだけに動かしてもらった。

 

 

摩天輪の基礎に貼られたウイグル語一色のビラ。(数字は携帯の電話番号)

 

 

旧市街にあった、老城を描いた壁画。

 

 

“地球の迷い方”に載っていたバスターミナルを探して天南路をウロウロしていたときにスクータに乗っていたおじさん、喜んで撮影に応じてくれた。

 

 

 

半日、網の目のように張り巡らした旧市街の路地を散策。僕の好きなビスケット調のレンガと土壁の街なみ、街角にあるモスク、

フレンドリーでウイグルの人たちとのふれあい、幸せな時間。野暮な解説不要だ。

 

 

 

人力で捏ね回して作るアイスクリーム、日本では、見ることのなくなったエコロジー。もちろん、濃厚でシャキシャキの味は、Goo!

 

 

【メモ】

“タイパ”って、言葉をご存知だろうか?タイムパフォーマンス、つまり時間効率のこと。映画やドラマも倍速で見るといった話を聞くと、複雑な気持ちになる。

 

映画1本、本来ならば2時間半楽しめるところ、1時間しか楽しめないのは、コスパ悪くない?と思うのは、サブスクに馴染みのない世代の発想。きっと、映画やドラマを見るのは、友人との話題に参加するための情報収集なのだろう。

 

賢人も愚人も金持ちも貧乏人も、最後は“死”という同じ終結を迎える。そのように考えると、人生は、結果ではなく、プロセス。どう人生を楽しみ、生きたかだろう。まぁ、どのような価値観、どのような生き方を選ぶかも自由だけどね。

 

そもそも、若者にそんな思考を植え付けたのは、僕の世代かもしれない。「報告書は、最初に結論を書け!」とか、「未来は時速60分でやって来る!」とかと、煽りまくった訳だ。

 

僕は学生時代、北海道のサロマ湖畔で年越しをしていた。年末、12月31日まで、アルバイトで稼ぎ、その晩、上野発青森行きの夜行列車に乗り、翌朝、青函連絡船で函館に渡り、札幌行きの特急に乗り継ぐ。さらに札幌発網走行きの夜行列車に乗り、網走から勇網線(すでに廃線)、常呂町営バスと乗り継ぎ、3日目の朝、やっと到着。カネもなかったが、それだけが、理由じゃない。1年に1度、遠さを感じるためだ。そんな話を今の若者にしたら、タイパの悪い面倒なオヤジと笑われるだろうな。

 

 

旅は続く



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8 コメント

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Unknown (アミ)
2023-01-22 15:20:32
宝物の旅行記をたくさん持ってらして、凄いです!
お幸せですよ!!( ^^) _U~~🌸
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Unknown (Zhen)
2023-01-22 15:51:10
アミさんへ

お褒め頂きありがとうございます。
ハイ、僕は、しあわせ者だと思っています。

この素直すぎるというか、謙遜のない性格が、日本では、ちょっと生き辛いかな (笑)

では、また。
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Unknown (marurobo36)
2023-01-22 17:40:19
一人っ子政策 いよいよ歪みが 大きく取り上げられ始めましたね。
この制度も 地区によって色々で、カミさんは、4人姉妹です。
一人っ子政策じゃないの??って聞いたら 男の子が生まれるまでは、OKだったみたいです。
という事は、一人目 男だったら それで終了~!!
実際は、もう2,3年前から 人口減少が 始まっていたみたいですが
遂に政府発表でも 認めざるを得なくなって来ました。
政府の都合で、生むな!!生め!! って 国民振り回されっぱなしです。。。
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Unknown (Zhen)
2023-01-22 20:40:33
Maruさんへ

僕のいた工場は、山東省の田舎だったので、自営業者、農民の子弟は、兄弟がいましたね。ただ、男の子が生まれなきゃOKって訳ではなく、皆、親が罰金を払ってのこと。よって、お金の工面ができるまで3年掛かったので、ほんとうの年齢より3歳若いとか。ただし、我が社(国有と外資の合資)の従業員は、2人目を産めば懲戒免職でしたので、日本人と少数民族以外で、2人の子供がいる人はいなかったですね。

1人っ子政策にしろ、ゼロコロナにしろ、人間が自由を制限すれば、必ず歪がでるってことですかね。

では、また。
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Unknown (りくすけ)
2023-01-22 20:48:29
Zhen様へ。

お邪魔します。
個人的な「西域」の象徴は、
野暮な解説不要の幸せな時間を記録した画像6枚目、
「山積みの葡萄」です。

シンセサイザーの幻想的なテーマ音楽が流れはじめ、
夕闇迫る砂の海を、駱駝という船に乗って往く隊商の列。
1980年に始まった、日中共同取材・制作による番組、
「シルクロード 絲綢之路」。
そこで特に旅情を搔き立てられたのは、
大陸最深部の「新疆ウイグル自治区」の映像でした。
彫の深い面立ち、こぼれそうに大きな瞳、
ほんのり色付いた滑らかな肌。
オアシスの葡萄棚の下で微笑む女性が印象に残っています。

さて、世代のギャップ。
オジサンオバサンが「最近の若い者は」と嘆くのは世の常。
でも「最近の若い者」を育てたのは、
嘆きのオジサンオバサン。
自分たちがせっせと得体の知れない奴らを育ててしまうのも、
世の常のようですね。
きっと我らの親世代も同様だったと思います。

「津軽海峡冬景色」を地で行くサロマでの年越し。
僕は大いに共感します。
電話やネットで気軽にコミュニケーションできる場所が、
実はこんなに遠いのだと実感する。
それは大事なことだと考えます。

では、また。
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Unknown (Zhen)
2023-01-22 22:20:41
りくすけさんへ

早々にコメありがとうございます。

葡萄、確かに「西域」という言葉で、連想するでしょうね。

ある世代から上にとっては、喜多朗のシンセサイザーが流れ、石坂浩二のナレーションのNHK特集「シルクロード 絲綢之路」が、新疆ウイグル自治区との出会いでしょう。

学生時代の年越し、厳密には、急行八甲田の社内なんだよね。蛇足ながら、青森に向かう車内の出稼ぎ帰りのおじさんたちは、陽気だった。気前よく、「おい若いの飲めよ」と酒や肴を勧められた。一方、新年の東京に向かう車内は最悪。みな、寂しさから、やけ酒を飲み、喧嘩などなど。

では、また。
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Unknown (lunta_november)
2023-01-23 09:45:16
カシュガルは2006年にカイラス、アクサイチンを回って西チベットから入りました。
それまでずっとチベット一色だったのでウイグルの世界は全く違って、それはそれでまた魅力的でした。
街並みなど9年経ってもあまり変わっていない感じですね。
たくさん並ぶナンがおいしそう!
ぜひまた行ってみたいと思いつつ、チベットと同様、あるいはそれ以上にひどい中国政府の迫害に胸が痛み、行くことができません。
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Unknown (Zhen)
2023-01-23 21:25:17
Luntaさんへ

西チベットからカシュガルへ、凄い、羨ましいです。

チベットには、まだ行ったことがありませんが、東洋の範疇なんでしょうか。ウイグルし、明らかに中東ですからね。

今回のブログの2015年頃は、街角に武装警察がいるものの、まだ、まだ、穏やかでした。弊ブログ「東トルキスタンの夢、新疆の現実」の2019年には、明らかに尋常でない空気が流れていました。当時、重慶で会ったチベット帰りの旅行者は、すでにチベットは、征服されたって、言ってました。今、ウイグル自治区内をカメラをぶらさげて、フラフラできないんじゃないかな、と思っています。それでも、現実から目を背けたらいけないと、僕は思ってしまう。

では、また。
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