でりら日記

日々の雑記帳

映画『ザ・ロック』

2007年06月17日 | 趣味の雑記
映画「ザ・ロック」

観た日/2007年6月16日
原題/The Rock
監督/マイケル・ベイ
製作総指揮/ウィリアム・スチュアート、ショーン・コネリー、ルイス・A・ストローラー
製作/ドン・シンプソン、ジェリー・ブラッカイマー
脚本/デヴィッド・ウェイスバーグ、ダグラス・S・クック、マーク・ロスナー
出演者/ ショーン・コネリー(ジョン・パトリック・メイソン)、
       ニコラス・ケイジ(スタンリー・グッドスピード)、
       エド・ハリス(ハメル准将)
音楽/ニック・グレニー・スミス、ハンス・ジマー、ハリー・グレッグソン・ウィリアムズ
撮影/ジョン・シュワルツマン
編集/リチャード・フランシス=ブルース
公開/1996年 アメリカ 135分


 タイトルの「ザ・ロック」というのが、アルカトラズ島(連邦刑務所含む)のことだったと今回初めて知
った。作中でそう呼称してたのかな、聞き逃していた。カリフォルニアはサンフランシスコ湾に浮か
ぶ島、意外と近いところに現代のイフ城はかつての姿を残し、観光地化されていた。そこでVXガ
スを携えて、観光客を人質に立て篭もったるはかつてのベトナムの英雄、「誇り高き」海兵隊員。

 何度見てもこれは面白い。何より、ショーン・コネリーが格好良い。格好良すぎる。『エントラップメ
ント』でもセクシーだったが、この『ザ・ロック』は彼の魅力がぎゅっと、いやふんだんに余すところな
く盛り込まれている。製作に関わっているのだから当たり前といえば当たり前だけれど、この存在
感たるや。

 ご老体に鞭打って(実際作中でもそう言っている)カーチェイスを展開するわ走るわ泳ぐわ、パン
チも貰って火も潜って、文字通り大活躍。若山弦蔵氏のお声も渋い。やはりこの人。

 ニコラス・ケイジ。
 ショーン・コネリーの横では本当に若造だ。そのひ弱っぷりと頑固さがまた好感が持てる。でも、
この二人と対照的なメイスンの愛娘、スタンリーの彼女、がなんとも無力すぎて、結局男が頑張る
映画なんだなぁとちょっとさびしかったり。でも護るものがなければ、きっとメイスンは本気でトンズ
ラしていたと思うので、この二人は重要な役割を担っていたんだよ。

 前回見た時も思ったのだが、この血なまぐさいアルカトラズで命を懸けて戦う男たちは、いや、お
とこというのは本当に子供だ。こと、これだけのことをしでかす人というのは、良くも悪くも純粋で、
だからこそその究極に位置するハメル准将もメイスンも、子供なのだ。メイスンはかなり斜めに世
の中を見ているけれど(さもありなん)、「今の生活=(獄中生活)は刺激がなくてね、」とアルカトラズ
ではしゃいでみせるあたり、やっぱり子供なのだ。スパイ時代のスリリングな生活や、脱獄にかけ
た長い時間とその間のトレーニングや絞りに絞った知恵、そういったことが忘れられない。それは
多分、命がけだけど遊びなのだと思う。

 ウィットに富み、優雅で、隙がなく、機敏で、そうして残酷にして冷淡。笑顔がセクシー。ショーン・
コネリーにしか出来ないだろう。(いや大好きなんですよ私。)

 子供のまま大人になってしまった「男」。いや、子供なら本当は残忍で狡い筈なんだけど。
 誇りある海兵隊、を連呼する准将には特にそれを感じた。で、ちょっと石原軍団を思い出した。そ
してなんだかそれは哀れを誘った。普通は欲に塗れて生きていくんだ。でもあなたは純粋すぎた。
だからあなたは憤り、口を噤むを潔しとせず、だからあなたはここで滅んでいくんだ、と。亡くなった
奥さんはきっとその事を理解し、危惧しながらこの世を去ったのではないだろうか。

 メイスン。
 結局自分では投獄された理由を娘にもスタンリーにも、ひょっとしたら亡き奥方にも話していない
のではないだろうか。そうだとしたら、実に彼らしい。そして、咄嗟に気配りが出来るスタンリーは
細やかな男だと思う。グッドスピードという名がとても好きだ。いい名だと思う。


 最後に見たときは君はまだ幼かった。(こんなに大きくなった娘に、)どう接していいか判らないん
だよ、と当惑を見せるメイスン。私もよ、と目を逸らす彼の娘。脱獄して最初に彼は娘に連絡をとり、
危険を犯して彼女に会いに行く。

 そんなの!パパって言ってむぎゅってすればいいんだよむぎゅって!とTVの前で拳を握り締め
ていた私だが(むしろ私が代わるぞ!の意気込みで)こういう当惑を見せてだらんとベンチに足を
投げ出して座ってしまう素のメイスンと、それをさり気なく見守りつつ、娘の前で恥をかかせぬ様に
傷付けぬようにと一芝居打つスタンリー、このシーンが大好きだ。

 このシーンがあったればこそ、無茶な作戦にも乗り、途中で逃げるスキがあったにも関わらずス
タンリーを助けに戻りもし、そしてあのラストへも繋がるのだ。

 そして忘れてはならないのが音楽。僕らのハンス・ジマー御大。そう、BLOOD+にすんばらしい楽
曲を書いてくれたあの人ですよ。この作品ものっけからドキドキするようなテーマが流れている。無
意識のうちに流れ込んできて、確実に記憶に残っていく。すごいなぁと思う。
 絵が描ける人、文章が書ける人、音楽を作れる人、奏でることが出来る人。誰が一番偉いという
のでもないけれど、やっぱり誰かの記憶に残る何かを作れるというのは凄いことだと思う。


Godspeed。
 懐かしい映画になってしまったが、私が大好きだった映画「ストリート・オブ・ファイヤー」。ロックミ
ュージカルで、若かりし頃のマイケル・パレがもう堪らん程のヒゲ面男前で、ダイアン・レインもかな
りセクシーだった。(ちなみに当時、山口美由紀さんの「V-K☆カンパニー」では主役二人がこの二
人のコスプレをして暴れまくるという嬉しいシーンがあった。勿論、廉がひらひら赤黒ドレスだった
と思う。)

 有名なのは「今夜はエンジェル」というタイトルで日本でも椎名恵がカヴァーしていたのを覚えて
おいでの方も多いだろう。
 この映画の第二のテーマと勝手に私が思っている「Nowhere Fast」という曲、最高に好きなのだ
が、この曲のクライマックスの歌詞がまさにGod Speed, God Speed, God Speed, なのだ。

 サントラをゲットして一生懸命翻訳していた頃はよく判らなかったのだが、単にもっと速く、だけで
はなくこの意味も(つまり二人の幸運を、に)かけていたのかなぁ、と今更思い至った。いや違うかも
しれないけど。久々に聴いてみるとしますか。


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