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My Life Still Goes On 2025

コツコツと60代を突き進んでおります

ああ30年前… 昭和が終わった日 / 佐野眞一

2019-04-18 22:59:28 | 読書もしてマス

平成時代もあと10日あまり。
なんだか“何かが変わる実感”もないままに
5月1日を迎えそうです。

ということで、昭和の終わりから平成の始まりを
ドキュメントのように書かれた本を読みました。

システム屋としては、年号の修正対応などもしたわけで
Xデーを迎えるまでの、それなりの心構えをしていました。
まあ、そのあたりは以前書いたはずなので割愛しますが。

この本は、天皇陛下が崩御される2、3年前からを
時系列的に綴っているものです。
昭和天皇が体調を崩されての手術であったり、
その後の様子、そしてご危篤となった1月6日のこと。
宮内庁、政府、街の様子、
それぞれの視点で取材されていました。

ほとんどの国民にとっては当然初体験であった天皇陛下の崩御。
あの日の早朝のことはフジテレビだったか
ワタシ、ずっとビデオに録画をしておりましたね。

東京の狛江でワンルームマンションで暮らしていた頃です。
平成の終わりとは違う、自粛モードの日々。
今回の退位に伴う改元とはまったく違う世間。

この30年前のことが懐かしく甦ってきました。

でも、今年はチャラチャラしたイベント、
特にカウントダウンなんぞがありそうで、
厳粛さのかけらもなさそうだなあ。
ま、おめでたい、ってことで良しとするか。

ドキュメント 昭和が終わった日
佐野 眞一
文藝春秋


そして、もう一冊。
著者のルポがなかなか読み応えあったので、
図書館のネット検索をしていたら、
こんな著書を見つけたので借りちゃいました。
いきなりこんな表紙です(^^;)

別海から来た女――木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判
佐野 眞一
講談社

そう、結婚詐欺だけでなくお金を搾取したあとに
男性を練炭殺害した例の女の裁判記録のルポです。

こういったルポは、裁判を軸として
周辺の取材による事件の経緯や被告の経歴などが書かれ、
半ば好奇心でも読むものですが、
何だか別世界のことのようでもあるものの、
同じ人間なのだと考えるとホントに恐怖を感じるものです。

で、この“事件”のことはともかく…この表紙(^^;)

図書館で借りる本というのは、
たいていカバーフイルムで覆われています。
ワタシも子供らが小さい時に自宅の絵本を保護していました。
で、このフイルム。
当然のように透明です。

おわかりですね(^^;)
電車の中でこの本を読むときに、
この表紙がモロ見えなのです(^^;)
このオッサン、木嶋佳苗の本を読んでいるのか、と。
例えば吊革につかまってこの本を胸辺りで広げる、
座席に座っている人には表紙の全貌が見えるわけですよ。
そう、表紙からの続きのように裏表紙も含めて!
いやあ、困った困った、インパクトが強すぎて。
書店の平積みでもきっと目立ったのだろうなあ。

座席に座って読む際には
なるべく表紙を水平に下に向けていましたが。

まあ、それでも隠し隠し
何とか通勤時に読み終えました。

この著者のルポ、
悪く言えば三面記事を掘り下げているような感じもあり、
でも直接的な関係だけでない周辺事情も取材されて
興味深いものが多いようです。
今後もノンフィクション、ちょこちょこ借りるとするか。


Jリーグ愛が詰まってる!!(*^-^*) Jリーグ54クラブ巡礼 / 平畠啓史

2018-12-15 17:32:09 | 読書もしてマス

Jリーグ関連の番組やらイベントやらで活躍、
というより“顔を出してる感”満載の、実は「芸人さん」のようです。
調べてみたら、山口智充さんとのコンビ(活動休止中)だそうで、
しかも宝塚ファミリーランドで働いていたそうです。へえー。

そんな平畠啓史さんですが、
J1からJ3まで全てのクラブのスタジアムを踏破され、
この本を出されました。

いやあ、楽しい。
読んでいてスタジアムに行きたくなる。
自分が応援しているクラブだけでなく、
フラっと足を運びたくなるような、
そんな「Jリーグ愛」、そして優しさの詰まった本です。

ワタシも、この“ひらちゃん”、あまり知りませんでした。
テレビやJリーグのネット動画などで見かけてはいましたが
どんな人なのかも知らなかったし、
サッカー好きなタレントが喋っているんだろうな程度。

まあ、それでもサポーターや一般観客の目線で
鋭いところをツいているなあ、とは思っていたのですが…。

この本は、とにかく各クラブ、各スタジアムの“いいところ”を
個人的見解(“ひらちゃん流”)としながらも書かれています。
ネガティブなこと一切なし!

自分が実際に出かけたスタジアムで体験したこと、
もちろん取材として知ったこと、
そして各クラブの歴史や重要な試合のこと、
きちんと調べて書いてあり、
それが一般のサポーターや地域の人の目線。
そんなちょっとしたエピソードに感動すら覚えます。

何度も書くけど、
「ここがダメだから、ここを直せば」的なこと一切なし。
そこに、とてつもない“やさしさ”を感じます。

こういう本は、えてして興味ないクラブのページを
飛ばし読みしちゃいそうになるのですが、
自分もスタジアムに行った気になりたくて、
最初から順番に(北から南へ)読みました。
地元のサポの話に感動したり、
スタグルを食べてみたくなったり、
ホントに楽しい本です(*^_^*)

あ、“ひらちゃん”にも会いたくなっちゃいましたね。
そしてワタシ、あまり人に勧めることをしないんですが、
Jリーグをお好きな方は、ぜひ読んでほしいと思いましたよー。

Jリーグ54クラブ巡礼 - ひらちゃん流Jリーグの楽しみ方 - (ヨシモトブックス)
平畠啓史
ワニブックス

足かけ三年でようやく読了 宮本輝 / 田園発港行き自転車

2018-12-05 22:57:41 | 読書もしてマス

振り返ると、自分でも意外なほど、
宮本輝作品を読んでいるようです。
ただ、なんだかお話とタイトルが一致しない(^^;)

例えば「お、この本読んでなさそう」と
図書館でパラパラっとめくって
「ああ、読んだヤツじゃん」となることが多いです。
逆にタイトルを覚えていても物語が判然としない、
そんなものもあるのです。

で、この本。
3年ほど前、まだ新刊の時に
タイトルに惹かれて図書館で借りました。
ところが、ズバリ途中まで読んでも
どんなお話なのか、進展が解らない(^^;)
じっくり読むうちにタイムアップ。
と言うのは図書館では2週間という貸し出し期限があるので
その間に読み切れなかったんですな。

決して「まったく面白くない」と感じたわけではないのです。
お話の最後に向けて、初めのうちは何人もの登場人物の
人物像やその背景と関係性のくだりが多かったのです。
「この人たちがどんな関係なのだろう?」と考えれば
もう少し早く読み進むこともできたと思いますが、
あまりインパクトがなかったんですねえ。
犯罪小説や推理小説なら展開が気になるところですが
いかんせん、宮本輝さんの小説には悪人が出てきません。
“いい人”ばかりだと、少々読むほうものんびりしちゃう感じ。

それをようやく、3年越しで読み終わりました。
ずっと借りていて読まない、というのではなく、
借りられない期間もあり、
途中で文庫本も発売になったり、
忘れていたり、
小説を読む気にならない時期もあり。
で、ここにきて少し物語を思い出し「あの登場人物はどうなったんだろ」
なんて気になり、あらためて借り出したのでした。

東京、富山、京都、それぞれの地の当時人物が
つながっていくことがわかり、
上巻の未読部分と下巻は比較的早く読み進むことができました。

“人のつながり”。

望むと望まざるにかかわらず、つながっていた。
端的に言うならばそんなお話です。


それはそうと…
ワタクシ、宮本輝さんの小説を読むと、
必ず一箇所、ひとつのセリフが心に残ります。
人には大したことない言葉なのかもしれませんけどね。
どの言葉かはナイショですが。


そして、この小説では、
富山、愛本橋にも行ってみたくなりました。
一人で歩いてみたい、そんな思いです。

田園発 港行き自転車 (上)(下)巻セット (集英社文庫) 宮本 輝 集英社

と、書籍の情報をネットで検索したらこんなCMが…。
まったく見たことなかったケド。

宮本輝『田園発 港行き自転車』CM


ホロっとしちゃうんだなあ  俵万智 / ありがとうのかんづめ

2018-10-24 21:26:10 | 読書もしてマス

いやいや、そもそも泣く本じゃねぇし(^^;)

このブログでも何度かご紹介している俵万智さんの本。
今年中学三年生?になる息子さんが小学生だった頃の日々、
“子育て”ということだけではなく、
息子さんと一緒に体験したり、
息子さんの成長によって自分も何かに気づかされたり、
なんてことを短歌として歌われ、
その背景になった出来事がエッセイふうに添えられている本です。

いっとき、影響されて短歌を書いてみようか、
なんて時期もあったワタシですが、
とてもとても31字でセンスよく歌うなんて芸当は
自分には無理だと、再挑戦しようにも勇気がありません。

そして、
歌には、歌にしたいと感じた作者の思いがあるはずですが
いかに31字にセンスよくまとまっていても、
それを読んだ読者?は、歌の背景にある細やかな状況までは、
読み取ることはできません。
せいぜい「きっと、こういうことがあったんだろうな」まで。
これはワタシだけではないと思いますが、
この本のように「この歌はこういうことがあって生まれた」と
補足説明的なことが書かれていると、とても理解ができます。

この本は万智さんと息子さん(たくみん)の
成長の記録が詰まっていますが、ワタシも同じような時期に
息子とたくさん過ごしたので、
万智さんの親としての感じ方がすごく理解できるのです。
(それを歌にはできませんが(^^;))

で、通勤時、座席に座れたときにはカバンから取り出して
この本を読んでいたのですけど、
ホロっとして目が潤んじゃったりするんですよね。
目にゴミが入った”ふりでハンカチで目を拭うのでした。

この感覚は何なのだろう。
たくみんが純粋だから?
万智さんの愛を感じるから?
いえいえ違うんですねえ。

そうです、息子とたくさん遊んだ日々が
走馬灯のように浮かんでくるからなんです。
(おお、走馬灯などという表現、珍しくしちゃったわ)
そんなんでホロっとしてんなよ、いいオッサンが。
とも思いますけど、まあしょうがないじゃないですか。

そして、あとがきに万智さんが、
「小学生の息子は、もうこの本の中にしかいない」
なんてことも仰っていて、
いいなあ、ちゃんと遺すことができて、
なんてことも考えちゃうんですよね。

あ、でもワタシにはこのブログがあったんだ。
「幼稚園から小学生の息子は、もうこのブログの中にしかいない」
息子とのことは、たーくさん!山ほど書いてきたからなあ。

実際に掲載されている歌は、
いろいろなところで発表もされてきましたし、
そもそも数年前の雑誌掲載をまとめたものなので
特に“あとがき”では、
その頃のご自分も振り返って書かれています。

もうひとつ、その“あとがき”に書かれていた言葉で、
「もう親としてしてやれることが減ってきた」
というのもありました。
これも共感できるんですよね。
自分の世界を作り始めた子供、
自分の言葉で主張を始めた子供、
これが親離れなのでしょうけどねえ。

でも、万智さんにはこの本があり、
ワタシにはこのブログがある、ってことで(^^;)

小さい子の、純粋な「ありがとう」、
ああ、やっぱり息子の小さい頃を想うと
ウルウルしちゃうオッサンだわ(T_T)
はー、情けない(^^;)

と、
またまた心をふるわせる素敵な本に出会えたのでした。

ありがとうのかんづめ: 子育て短歌ダイアリー
俵 万智
小学館

安井かずみがいた時代 / 島﨑今日子

2018-09-27 23:22:38 | 読書もしてマス

私がよく行く宝塚市立中央図書館。
ネットで蔵書を検索して予約をすることができます。

人気のある書籍は予約が数百人になっているものもあり、
先日借りた分厚い本も、何か月か待ってようやく借りることができました。
そういった本は、当然次の方の予約も入っているので
二週間という貸し出し期間のうちに読まねばならないのです。

が、時として、ずいぶん前に予約していて
早く読まねばならない本よりも
時として先に読みたくなっちゃう本もあるのです。
期限のある本が読み切れるか心配になるのですけど…。

先に読破してしまった本がこれです。
「安井かずみがいた時代」

特に1970年代前半。
ワタシの中では作詞家として
阿久悠さんと双璧とも言えるほど
ヒット曲の数々を書かれた「安井かずみ」さん。

雑誌記事の写真などで何度かお姿を拝見はしていましたが、
小中学生だったワタシの印象は、
モデルさんのようなルックスとファッション。

子供だったワタシにとっては「キレイなヒト」というより
「ゲーノー界の女のヒト」という感じでした。

沢田研二さんの“危険なふたり”、
浅田美代子さんの“赤い風船”、
歌謡曲小僧で明星や平凡の歌本が好きだったので
他にもたくさん「作詞 安井かずみ」は目にしていました。

阿久悠さんは「スター誕生」の審査員などで、
テレビにもよく顔を出されたので“お人”、“お声”も
イメージできましたが、安井かずみさんは、
あくまで作詞家以上でも以下でもありません。

加藤和彦さんと結婚されたことも
取り立てて印象に残るわけでもなく、
まあ、自分に関係ない“業界のこと”だったのですよね。

でも、この本にあるのは、
交友のあった方々の証言で綴られた
生身の安井かずみさんです。

やっぱりカッコいい“ゲーノー界”のヒトで、
元々のセレブが女性の仕事での自立を目指し、
作詞家として極めることで、
さらにセレブリティに磨きがかかった。
そして、人を愛し、人を束縛し、人に甘え、
それらが全て“安井かずみ”であったこと。

70年代前半の芸能界事情、というほどではないにしろ、
タイトルどおり、あの時代”が著されています。

自分が関与したわけでもないのに、
子供だった“あの時代”の、オトナの事情も
覗くことができるような本でした。

安井かずみがいた時代 (集英社文庫)
島﨑 今日子
集英社

IT系技術者あるある  理系の人々 / よしたに

2018-08-23 21:43:25 | 読書もしてマス

1984年の10月に始まったIT技術者人生(というほどのものか?)。
途中1年半ほどケーブルテレビカメラマンという職に
スピンアウトしていましたが、それを除いても32年あまり…。

その間には、WindowsがPCの通称にまでなり、
パソコン通信といえばニフティという時代も過ぎ去り、
ダイヤルアップでインターネットに接続することもなくなり、
ほぼ「ネスケ」と「IE」だけだったブラウザも様々となり、
20万前後したPCも3、4万で買えるようになり、
インターネットで買い物や銀行振込ができるようにもなり、
若者がイジる端末もポケベルからケータイ、スマホへと変わり、
企業のシステムもC/S型へとコンパクト化し、
そして…ワタシも還暦を間近に控え(^^;)

ああ、PCやネットの黎明期に携わってきたのだなあ、と
振り向くとあらためて感じてしまうのでした。

でも、ワタシの基本的な考えとして、
「たかがコンピューター。たかが人間が作った仕組み。」
というのがあるのです。

今の時代、多少は垣根がなくなってきているかもしれないけど、
一般的に言うSEやプログラマーは技術者であって“作る側のヒト”。
ということは、設計がしっかりしていないと作れない。

で、ユーザは作成されたものを“使う側のヒト”。
ということは、“作る側のヒト”に要望をちゃんと伝えなくてはいけない。

実は、この感覚、似て非なるもの。
ひとつのシステムの中でも、
技術者(SE/PG)はあくまで論理的かつ効率的に処理ができるか、を考える。
そこでは、実は「ユーザが使いやすいかどうか」はよく抜け落ちる。
利用者(ユーザ)は、使いやすいか、見た目がいいか、などを考える。
そこでは、論理的に破綻しているか、実現可能かどうかは全く考えない。

極論で言うと、そんなせめぎあいの中でシステム開発は行われている。

そこに予算やら人員配置やら、さらに難題があるわけで、
人的単価、工数管理も含めた原価率調整なども加わり、
費用を抑えたいユーザと何とか高く売り上げたいIT業者、
みんながみんな、納得してまるく収まる開発なんてほぼあり得ない。
あ、バブルの時期ならまだしも。

なんて過去の経験を書いてはみたが、
きっと今だって同じようなものだ。

連絡やサポートだって、業者側はメールで済ませたい。
でもユーザは顔を見せて説明してほしい。それが誠意だと。

両方の経験をしているワタシの話はともかく、
そんなIT業界や技術者の“あるある”は実感できてホントに楽しい。

自分も絵ゴコロあれば書いていたかもしれない、
そんなコミックが「理系の人々」。

徹夜と休日出勤、マシンルーム(今はサーバルーム?)での作業、
プロジェクトの打ち上げ、喫煙コーナーでのプチ打ち合わせ、
ひとクセふたくせあるユーザの担当者、作業終わりに深夜から焼肉、
あー、なつかしいなあ。

と、郷愁に耽ることのできる本なのでした。

アレ?ということは、まだIT技術者に未練が?
いやいや、だからワタシ“IT技術者”だってば!


WEB連載を書籍化したもの。

理系の人々 6 (KITORA)
よしたに
KADOKAWA

そしてWEBの連載(ダ・ヴィンチニュース)は下のバナーから。
(勝手にバナー化しちゃってらぁ)




今後も楽しみです  お互い40代婚 / たかぎなおこ

2018-06-08 22:17:47 | 読書もしてマス

たかぎなおこさんのコミックエッセイに出会ったのは、
実は北海道・札幌地下街の書店でした。
もう10年以上前のことになっちゃいます。

当時所属していた会社で、札幌の店舗スタッフに向けて
新システムの操作講習会の講師をするという出張のなか、
機器を設置した日の晩のことでした。
一人で作業した講習会場設営のシンドさもあって、
(この時のこと→東京~札幌8日間の出張が終わります
何か、“あまり頭を使わずに読む本を探していたのでした。
「150cmライフ」だったか、
「一人暮らしも×年め?」だったか、
そこらへんは曖昧なのですが、
一気に2冊ほど購入した記憶があります。

で、その後、
だいたい年に一冊程度の新刊が発売されていまして、
食べ歩きをしたり、マラソンをしたり、
家族のお話があったり、子供の頃の話があったり、
一人旅したり、温泉めぐったり、
楽しいコミックエッセイなのです。
そのたびに購入して読んでおりました。

たかぎなおこさんの普段の生活、
まあそれでもほんの一部でしょうし、
ご本人は写真などで顔出しされてはいませんが、
勝手に身近に感じていました。

そして、この春の新刊では、
とうとう結婚されて出産もされたと。

なんだかホントに、
三重県から上京されてからの、
女子の独身ライフを見守ってきたような気がして
「おー、結婚して子供までできたかー」
とまるで親戚のお祝い事のような気がしました。

そもそも、自分の体験などをコミックエッセイにして
そこそこ本が売れるってのは、天職だったのかもしれませんよね。
単純に自分が体験したことを事実のままに書く、
人に紹介するという要素も少しはあるにしても
基本は自分が感じたままを書かれているので、
押しつける感じのイヤな感じもなく。

そして今回の「お互い40代婚」。
それまでも、結婚について触れることもありましたが、
快適な独身ライフが楽しそうで、
読者のワタシも「このヒト結婚どうすんだ?」なんてこと
微塵にも思っていませんでした。

この本では、40歳を過ぎてからの婚活、
出会いとなれそめ、子供を作ることへの想い、
そして、42歳だか43歳だかでの出産まで
ふんわりとしながらもそれらの事実が書かれています。

大ファンとは言えないただの一読者なのですが、
今後、子育てエッセイの要素も含まれるであろう、
たかぎなおこサンの本に期待したいと思ってマス。
時には夫婦の話、時には独身時代のようなエピソード、
とっても楽しみにしています。

アレ?何だかファンレターのような結びだナ(^^;)

お互い40代婚 (コミックエッセイ)
たかぎ なおこ
KADOKAWA / メディアファクトリー

ありのままに 「三度目の人生を生きる」 / 西城秀樹

2018-05-24 21:38:20 | 読書もしてマス

先週亡くなった西城秀樹さん、
以前図書館で借りて読んでいたのですが、
ふたたび、借りてきました。

亡くなった方の映像や音楽などの需要が
すぐに高まることはよくあることですので、
秀樹の本が読みたい、ってのも
まるでヤジ馬のようではありましたが、
すぐ図書館でネット予約したら
幸いにも一発で予約できたわけです。

でも、ヒデキって、
“まじめでいい人”のイメージが強いですよね。
ワイルドなロッカーのイメージ戦略の時代もありましたが、
あくまで曲だとか衣装だけだったのかもしれません。
スキャンダルも多少はあったのでしょうけど、
つまり彼を陥れるような人が周囲にいなかった、
それは彼の人柄でもあるんじゃないかと
勝手に想像しています。


そんな秀樹が二度の脳梗塞を経て書いた本。
若い頃の生活も含めて、好き勝手にやってきた一度目、
最初の脳梗塞から比較的早くに復帰した後の二度目、
そして二度目の脳梗塞後を三度目として
「三度目の人生を生きる」としています。

すべてをリセットして、
そして不自由な身体のこともすべて公にして
家族のためにと頑張る宣言をしている本です。

いろいろと自分の信念で“良かれ”と思ってきたことが
実は身体にいちばん良くなかったと反省もしながら、
それでも今は家族のために、
子供たちが成人するまでは「生きる」と。
つらいリハビリも「やるしかない」と。

病気を患ったことを除けば
“あの頃”とは別な意味での幸せな日々を
送れるようになっていると綴っています。
穏やかな日々になりつつあったのですねえ…。

無念だったと思いますし、
運命だったのかもしれませんが。

でも秀樹が遺した歌は
“今の歌”ではなく、
“懐かしい歌”になってしまうかもしれないけど
あの笑顔とアクションとハスキーボイスとともに
人々の心に在り続けるでしょう。

ありのままに 「三度目の人生」を生きる
西城 秀樹
廣済堂出版

ブンヤ暮らし三十六年 / 永栄潔

2018-03-20 00:11:38 | 読書もしてマス

最近、読書のスピードが異様に落ちています。
いろいろと読みたい本はあるし、
図書館の検索でも目についた本を借り出したり。

でも、一冊を読むスピードが遅いのです。

ま、心当たりはあって、
ズバリ、左目なのです。

いやいや左目はほぼ見えないので
右目ひとつで小さい文字を追うことがヘヴィで、
きっと右目の疲れが尋常じゃないのだと思います。
両目でものを見ることができるって、
みなさん!普通ですけど幸せなことですよー。


さ、そんな遅い読書ではありますが、
1ケ月ほどかけて、ようやく読了した本がこれです。
最近文庫版が発売されて、その広告で知ったのですが、
単行本を図書館で借りてきたわけです。

朝日新聞社の経済部記者の著者が
働いてきた職場や、所謂取材時の対応、
自分の所感などを振り返っています。
もちろん業界の方々とのやりとりや
時に失敗したお話なども。

ワタシは別に新聞社に興味があるわけでもありませんが、
こういった“仕事”での経験談は好きなのです。
特にマスコミの方ですから、
社会的な出来事にどう関わっていたかもあり、
ワタシ自身がその時代に何をしていたかなど投影し、
新聞記事の裏側的なお話もあることで、
とても面白かったです。


世間には、新聞記者さんのように
いったいいつが休日なのかわからないような
そんな職業の方もたくさんおられます。

もし、若い頃に自分がそんな世界に行っていたら
なんて想像もまた楽しいものです。

ま、ミュージシャンになって堕落していたかもしれませんが(^^;)

ブンヤ暮らし三十六年: 回想の朝日新聞 (新潮文庫)
永栄 潔
新潮社

実は心が温まる… 夜廻り猫 / 深谷かほる

2018-01-23 22:50:13 | 読書もしてマス

WEBコミックとして連載されている、
8コママンガのコミックなのですが、
実はとても深いマンガでした。
とっくにご存知の方が多いとは思いますが、
インターネット上で
話題になっていたので
ついつい買ってしまいました。

当初、主人公の猫の絵を見て、
シニカルな、少し社会を斜めに見るような
そんなマンガなのかと思っていましたが、
いやいやいやいや、裏切られました

心がとっても温もってくる、
(あ、でも善意や優しさの押し売り的なものでなく)
人間なら誰しも感じたり思っていそうな、
でも口に出しては言えない、行動できない、
人が忘れてしまった、でも誰の心にもある、
そんな“ほんの少しの”、でも“心に効く”ような
やさしさがたくさんありました。

ワタシなんかが語るのではなく、
気になる方はぜひ。

※本のご紹介なので、WEBサイトのリンクは貼りませんm(__)m

一人で泣いてる子はいねがー

夜廻り猫(1) (ワイドKC モーニング)
深谷かほる
講談社

 

夜廻り猫(2) (ワイドKC モーニング)
クリエーター情報なし
講談社

 

夜廻り猫(3) (ワイドKC モーニング)
クリエーター情報なし
講談社

おしゃべりさん / さいとうしのぶ

2018-01-18 22:45:02 | 読書もしてマス

記事のカテゴリーに悩みましたが…

昨日の「かーかん、はあい」の流れで、
ワタシが息子に読んでやっていた本のひとつを
ご紹介させてください。

もういっかいおしゃべりさん―おはなし30ねえ、よんで!
さいとうしのぶ
リーブル

いろいろなものが、
一人称で自分のことをおしゃべりする絵本です。
ですので、幼稚園くらいの子が楽しいかもしれません。
食べ物でも動物でも乗り物でも、
いろいろなものをある程度知った年ごろがいいと思います。


この中に「ピーマン」の回があり、
なぜか関西弁のピーマンのグチから始まるのです。

ワタシがこのピーマンの“おしゃべり”を
関西弁をさらに誇張して読んでやると
(ネイティブな関西人やないからね)
息子は「おもしろーい(*^_^*)」と
喜んでくれたものです。

ネタばれになっちゃって申し訳ありませんが、
子供にきらわれるオレ、ピーマンは
 いつも子供にわからないようにきざまれるんや。
 あれ?今日はきざまない?ひきにくをオレに詰めるの?
 え?ピーマンの肉づめ?やったあ、おれが主役やあ
というのが“おしゃべり”のあらすじです。



ほかの“おしゃべりさん”も、
まじめなものから、楽しいものまであり、
それぞれ声色を変えて読んでやりましたが、
子供が喜んでくれると大人もうれしいものです。

ま、こんなことを覚えているのは親ばかりで
子供はきっと忘れちまっているのだろうなあ。


それでもワタシとしては、
書店の子供用コーナーで
面白そうなものを探していたあの頃が
とても懐かしく思い出されるのでした。


最初に買ったのはもちろん第一弾のほうで、
これが楽しかったので、
「ピーマン」の入っている「もういっかい おしゃべりさん」を
買ってきたのでした。
親が、おしゃべりの主役になりきって読むと
子供は楽しいみたいですよー(*^_^*)

おしゃべりさん (おはなし30ねえ、よんで!)
さいとうしのぶ
リーブル

かーかん、はあい / 俵万智

2018-01-17 22:40:28 | 読書もしてマス

年末年始、たくさん読書をしようと
図書館で借りていた本を
軒並み放置したままで、あまり読書できませんでした。

まあ、読了したのはそのうちの何冊かで
“読書ざんまい”には程遠かったのです。

でも、この「かーかん、はあい」は、
もちろん読了(*^-^*)

俵万智さんが子育ての際に、
お子さんのために選んだ本を紹介している本です。

ご自分の子育ての中で選んだ絵本を紹介しており、
ワタシとしても
「子供らのために、面白そうな本を選んだなあ」
と懐かしく思い起こさせる本です。

まあ、ワタシの場合、
自分が読んでやるのに面白そうな本、ってのも
ありました。

その本については明日、引き続き書くことにします。


この本の、というか俵万智さんが
「子育ての実体験」を書く本が好きなのは、
子供の言葉や感性が、すごく伝わるからです。

子供の言葉や感性にハッとさせられる、
子供だから大人だからと分けてしまうのではなく、
自分だって子供のときはこんなだったんだ、というのを
大人としての感覚も交えて書く、
簡単に言えば、大人だけれど、大人だからこそ
子供の言葉や感性を大切にしている感じです。

うーん、うまく言えず、モドカシイ(^^;)


「かーかん、はあい」の1冊目のあとがきに
お子さんの言葉に感激する様子がありましたが、
ワタシも(母親ではないけど)そんなこと言われた日にゃ、
感涙するやもしれません。

俵万智さんのお子さんが小さい頃の本なので、
既に10年近く経っています。
でも、子供のために絵本を選ぶ本なので
ポケモンやドラえもんを含めても、
今でも小さい子に読んであげたい本ばかり掲載されていますよん。


かーかん、はあい 子どもと本と私
俵 万智
朝日新聞出版

 

かーかん、はあい 子どもと本と私 2
俵 万智
朝日新聞出版

上の2冊を借りましたが、それらを併せた文庫本もあるようです。
これは、買っておこうかなあ。

かーかん、はあい 子どもと本と私 (朝日文庫)
俵 万智
朝日新聞出版

オレがマリオ / 俵万智

2017-09-22 22:32:36 | 読書もしてマス

3年半ほど前に書いた、
同じ本のことを再度書きます。


とは言っても、文庫版が出版されたので
それも含めての再レビューであると言えますが。

ここ数年、読書する本は、
図書館で借りてばかりでした。
ですので、
購入して手元に置くのはずいぶんひさしぶりなのです。

それが一度読んだ、短歌の本とは自分でも驚きです。


俵万智さんのお子さんが4、5歳から
小学校低学年頃の歌が多く詠われています。
そして、東日本大震災を機に石垣島への移住。

タイトルの「オレがマリオ」は、
ゲームばかりしていた子が、
石垣に住むようになってからの冒険のような毎日に
自分がマリオになったようだと言った、
という歌からのものです。


もちろん、万智さんの女性の部分を詠われたものも多く、
ただただ、子供との暮らしの歌ばかりではありません。


でも、この歌集は、
私が「小さい子の親だった事実」を
思い起こさせてくれる大切な歌集となりました。

自分はデジカメで画像をたくさん切り取ってきたけれど
なかなか言葉で切り取ることはできませんでした。

ブログにもいろいろ書いてきましたが、
短歌のように、想像力をかきたてるようなものでなく、
一緒に過ごした日記みたいなものであったと思います。

子供との瞬間瞬間を文字で、しかも31文字で。
とても難しいものです。


3年半前、新聞か何かの書評で興味を持ち、
図書館で借りたときは、
まだ子供と過ごす時間も多かった時期ですが、
息子も中学生になり、
親父と二人で過ごすなんてことがほとんどなくなった今、
あらためて「小さい子と過ごしたこと」を
自分は経験したんだな、としみじみ思います。


「あとがき」には、ワイファイの話と、
電子書籍の話も載っていて、
これらも素敵なエピソードです。


“読み込む”本ではありませんが、
親の視点で子供を見た歌、
女性の視点での生活の歌、
石垣の自然を感じた歌。

やさしい言葉があふれています。
好きです。

オレがマリオ (文春文庫)
俵 万智
文藝春秋

「北の国から」全巻を再読

2017-07-07 22:43:49 | 読書もしてマス

先日の「ライスカレー」で書きましたが、
結構多くの書籍を処分することにいたしまして。

ハタチ頃から買い集めていた
倉本聰さんのシナリオ本も例外ではなく、
「北の国から」全巻も含んでいます。

30数年前の下北沢居住時代から、
狛江、沼津、南足柄、名古屋、真鶴、港南台、宝塚と
引っ越すたびに共に移動してきた本たちです。
(あらためて書き出すと結構引っ越していますなあ)

当時買った本やCDの中には
既に処分してしまったものも多いのですが、
倉本聰さんの本だけは処分しなかったのです。

愛読書というのではないですが、
若い時に感銘を受けた本を捨てきれなかった、
というところでしょうね。

約20年にわたって買い揃えた「北の国から」、

初期の本はカバーはもちろん、
本体も黄ばんだりしちゃってます。

連続ドラマであった1981~82年放送分の
シナリオ前編、後編から時系列に読み進み、
小学生だった純と蛍がそれぞれ結婚するまでの約20年分。
映像を知っているので、それを思い出しながら。
時に感動して涙ぐみ。
長編小説を読み終えたような達成感でした。
やはり「家族」が描かれていましたね。
もちろん「父と子」がメインになっちゃっていますけど。


そして今回気づいたのが、
「北の国から 前編」の冒頭に
「読者へ」と題された作者からの序文。


1980年初めには、
ドラマや映画のシナリオが出版されることは少なく、
世間からあまり認知されていなかったからでしょうね。

もちろん今でも“一般的”ではないのかもしれませんが、
認知度からしたら、隔世の感があります。

ワタシ自身は、父が“そっち系”の仕事をしていたこともあり、
シナリオ(いわゆる台本)の作り(ト書きなどの)に
まったく違和感もなく、
中学生時代から自主8ミリ映画のために
シナリオを書いていたりしたのですけどねえ。


さて、「北の国から」再読も完了したので、
いよいよ、サヨナラです。

30数年、ついてきてくれてアリガトね。


ライスカレー / 倉本聰

2017-07-03 21:16:47 | 読書もしてマス

持っている書籍を整理するために
いくつかの本を再読しています。

この「ライスカレー(シナリオ)」もそのひとつです。

1986年の春に放送されたテレビドラマ。
もう31年前のことです。
25歳の多感?な頃、
主人公の時任三郎の奥手な暗さを感じながらも
同世代としては毎週楽しみにしていたドラマでした。

ストーリーなどは省きますが、
最終話で、自分だけでなく他人の仕事にも厳しい仲間が
過去に"こんなことを言われたことがある"と
告白するシーンがあります。

 「どうしてお前はそんなふうに、自分の基準で他人を見るンだ」

 「自分がすぐれた能力を持っているから、自分が努力家だからって、
  それを他人に押しつけられちゃかなわない」

 「人は様々だぜ、いろんなヤツがいるンだ」

 「働きたくないやつ、のんびりしたいやつ、
  やりたくてもできないやつ、楽に生きたいやつ、
  それぞれがそれぞれの生き方をしてるンだ」

 「すべてにお前を押しつけるな」

 「お前はまわりを悲しくしちまう」

この言葉、今回読み直して、ドキンとしました。

ワタシも他人に自分の基準を押しつけるクセがあるからです。

着地点など人それぞれなのに、
きっと
同じ結果を求め、同じ行動をして
同じペースで、同じような満足を求めるのだと
勝手に判断して相手をリードしたがるのですね。

幸い、この数年後に、
当時の職場で別な部署の上司から、
 「いろんなヤツがいるんだから、
  みんながお前と一緒のペースじゃなくていいんだよ」
と言われ、ずいぶんと他人への求め方が
変わったのではありますが。


今回の読み直しで、
あらためて肝に銘じました(^^;)


…でも、給料もらって組織に属している以上は
高みを目指すべきだと思うのですけどねぇ。
やり方は人それぞれだとしても。


このライスカレーはシナリオ本なので、
基本的にはドラマで役者が語るセリフではあります。
でも、作者の創り出した言葉。
30年ぶりにドラマも見直したくなりましたぜ。