昨日のどんよりとした天気の中、中島公園の雪を踏みしめて向かった先は、コンサートホール・キタラ。この札幌が誇るホールも、もう出来て25年にもなるのですね。
久し振りに来たのはオルガン ウィンター コンサートを聴くためで、ワンコインで楽しめるコンサートとして毎年楽しみにしているのですが、ここ2年位聴いていなかったのはコロナで開かれなかった?私が人込みを避けていた?トシなのでどちらだったかなぁ?ま、都合悪くなるとトシのせいに出来るのは、年齢を重ねたメリットですがね。
開場して間もない時間に着いたので、ロビーの人はまだ少ないですが、演奏前の客席を見る限り満席。何年か前まで当日券もあったのですが最近は事前に売切れて、オルガンの魅力がより多くの人に届いているからでしょうし、それはとても嬉しい事です。
この日のコンサート、当初は23代専属オルガニストとなった、ヤニス・デュボワさん(中)だったのですが、健康上の理由で一時帰国しているそうで、その代わりが松居直美さんに。
デュボワさんにはお大事にと思いますが、私は松居直美さんのバロックからロマン派のプログラム大歓迎で、これは思いがけないプレゼントです。
演奏は、ブクステフーデの「プレルディウム(プレリュード)ト短調」から始まりますが、深々としたペダル音に一気に引き込まれ、信仰心は無くとも、俗世間?から心が飛びます。
この曲と次の曲は、ドイツのルトゲリ教会のオルガンで録音したCDを持っているのですが(演奏:鈴木雅明)、やはりホール全体が鳴る生の低音には心が揺さぶられます。 そして5曲目のバッハBVW662、これまた深々としたペダル音が酔わせてくれます。
思えば私は低音フェチの気があって(?)、ボンつく低音で無く、こうしたスーっと静かに空気が揺らぐ、そんな低音に憧れ、小型スピーカーから30㎝ウーハーへ、更には部屋に不相応な38㎝ウーハーへと買い替えて来たのは、こうした低音が聞きたくてだったなぁ、挙句の果てにサブ・ウーハーまで手を出したな…などと、余計な事を思い出してしまいます。むろん32フィートパイプの生音にかなう訳が無いのですけどね。
そして6曲目のバッハBWV582がまた酔わせてくれて、予定のプログラムは終了。
アンコールはバッハのBWV709「主イエス・キリストよ、われらを顧みたまえ」でした。止まない拍手に応え、再度出て来て深々と礼をした後、振り返ってオルガンも称えてくれたのは、札幌っ子としては嬉しい事でした。
ところで私、もう20年位前ですが、松居直美さんをお見かけした事があって、ステージで拝見する限り、若々しくてあまり印象が変わらず、失礼ながら1950年代のお生まれだそうですがとてもそうは見えませんでした。
また、演奏する曲については、毎回演奏者の解説がプログラムに書かれているのですが、今回は直にマイクを持ち、肉声でお話していただいたのも嬉しく、良いコンサートに出会えて満足。どうぞまた、キタラのオルガンを弾きにいらして下さいね。
満足感一杯で外に出ると公園はもう黄昏時。この時期ちょうど雪灯りのイベントをやっているので、一部ですが見せてもらいました。
いつも雪か氷の器にキャンドルを立てて、と思っていたら、最近は竹も使っているのですね。北海道にはこういう太い竹は自生していないので、ちょっと違うかな?とも思ったのですが、白い雪に竹の緑も良いものでした。
■ 以上、聞きたい365日 第338話でした。