CareTaker 's Log

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変革を恐れる教育者

2007-01-05 00:18:12 | 雑記
教育の明日 速効を求むべからず

 「近ごろは規範を守らず、社会のしきたりを損なうものが大勢いる。これは教学の本意ではない。道徳を教え、誠実品行を尊重させるべきだ」

 最近の言葉と思われるかもしれないが、そうではない。約130年前の明治12(1879)年、明治天皇が発した「教学聖旨」を現代風の表記に改めたものだ。

 維新後の政府によって学校が制度化されてから、7年後のことである。

 これに対し、内務卿の伊藤博文は「教育議」を奏上して異議を唱えた。

 社会の乱れの大きな原因は、維新後の時代の変化にある。教育のせいだけではない。教育は水がしみ込むようにゆっくりと進めるものだ。「急(きゅう)施(し)紛(ふん)更(こう)以(もっ)て速効を求むべからず」。あわてて教育を変え、速やかな効果を求めてはならない、というのである。

 国が徳目を決めて国民に教え込むことについても、伊藤は反対した。一つの国教をつくって広めるようなことは、賢人や哲人の出現を待つべきだ。政府がやるべきことではない、と。

 伊藤は後に初代総理大臣となる実力者である。しかし、流れには抗しがたかったのだろう。この翌年の教育令改正で、「修身」が教科の筆頭に置かれた。

 その伊藤も、教師への締めつけは強めようとした。教師を規則で束ね、心得を守らせ、生徒の模範たらしめよ。教育議にそう書いている。

 教学聖旨の2年後には、文部省が「小学校教員心得」をつくり、尊王愛国と道徳を教えることを教師に徹底する。

 この明治の時代と、教育基本法の改正が進められた近年はよく似ている。日本教育学会会長を務めた寺崎昌男・東大名誉教授はそう指摘し、次のように語る。

 「社会に問題が起これば、教育のせいにされ、最後は教師が責任を押しつけられる。明治に起きたことがまた繰り返されるだろうと、私は教師たちに話してきました」

 教育基本法の改正論議では、教師が厳しく批判された。安倍首相の肝いりの教育再生会議でも、「ダメ教師」がやり玉に挙げられている。

 教育議から11年後、「教育勅語」が発布された。天皇の神格化が進み、軍部はそれを利用して戦争へ突き進んだ。

 もちろん、歴史は単純に繰り返すわけではない。いまと戦前では、社会のありようがすっかり違う。しかし、「明日」を見通すためには、過去に学ぶべきものも見つけた方がいい。

 その意味では、教育の速効を戒めた伊藤の主張は、現代にも通じそうだ。

 学校の制度をめまぐるしく変えるよりも、じっくりと取り組む。悪いところばかりに目を向けるのではなく、うまくいっている教室に学び、広げていく。今年こそ、そうした発想ができないものか。

    ×   ×   ×   

 様々な分野で過去を踏まえ、「明日」のあるべき姿をシリーズで考えたい。

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伊藤氏は急に教えることをころっと変えてしまうのは良くないと言っているだけで、決して変えるなとは言ってないと思うんですが。現在の教育がうまくいっていないのは誰の目にも明らかなことだし、変える必要があることもはっきりしている。だから変えるのであって、なにがあっても変えたらダメってのはおかしいでしょ。いままでの方法でやってきた結果、現在の状況があるわけで、それを今までと同じ方法で改良してても追いついてないわけです。だったら改良の方法そのものを変える必要がある。

『「社会に問題が起これば、教育のせいにされ、最後は教師が責任を押しつけられる。明治に起きたことがまた繰り返されるだろうと、私は教師たちに話してきました」

 教育基本法の改正論議では、教師が厳しく批判された。安倍首相の肝いりの教育再生会議でも、「ダメ教師」がやり玉に挙げられている。 』

ダメ教師は社会の問題か?教師自身の問題でしょうが。「責任を押し付けられる」って何で被害者面しているんですか。自らの仕事である教育をほったらかしにして政治活動しているような教師の生徒からマトモな学生が育つと思いますか?真面目にやっている人もそりゃいてるでしょう。でも、そうでない人も多いから問題になっているのに、さも自分たちはなんの問題もないように言ってるんですか。いまの教師が自分たちの問題を解決して来ないで自分たちのやりたい放題のことをしてきた結果でしょうが。

教育勅語口語文
「私の思い起こすことには、我が皇室の祖先たちが国を御始めになったのは遙か遠き昔のことで、そこに御築きになった徳は深く厚きものでした。我が臣民は忠と孝の道をもって万民が心を一つにし、世々にわたってその美をなしていきましたが、これこそ我が国体の誉れであり、教育の根本もまたその中にあります。

 あなた方臣民よ、父母に孝行し、兄弟仲良くし、夫婦は調和よく協力しあい、友人は互いに信じ合い、慎み深く行動し、皆に博愛の手を広げ、学問を学び手に職を付け、知能を啓発し徳と才能を磨き上げ、世のため人のため進んで尽くし、いつも憲法を重んじ法律に従い、もし非常事態となったなら、公のため勇敢に仕え、このようにして天下に比類なき皇国の繁栄に尽くしていくべきです。これらは、ただあなた方が我が忠実で良き臣民であるというだけのことではなく、あなた方の祖先の遺(のこ)した良き伝統を反映していくものでもあります。

 このような道は実に、我が皇室の祖先の御遺(のこ)しになった教訓であり、子孫臣民の共に守らねばならないもので、昔も今も変わらず、国内だけでなく外国においても間違いなき道です。私はあなた方臣民と共にこれらを心に銘記し守っていきますし、皆一致してその徳の道を歩んでいくことを希(こいねが)っています。

明治二十三年十月三十日」

それほど天皇が神格化されているようには思えませんが?
むしろ
「父母に孝行し、兄弟仲良くし、夫婦は調和よく協力しあい・・・・」
いいこと書いてないですか?

現状が悪いことがわかっているのに、
急に変革することばかり恐れてなんの有効策も立てれないのでは、悪くなっていくしかないですよ。



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