読んだ中でお薦めの本を紹介します!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

特攻 絶望の海に出撃せよ

2016年07月06日 | 
特攻絶望の海に出撃せよ

毎年、夏の時期になると太平洋戦争に関わる放送や記事が多くなりますね。
今回は「特攻」についての本をピックアップ。

特攻隊のさきがけ「敷島隊」「桜花」「回天」の三部作。

敷島隊・フィリピンレイテ島攻略のために組織された特攻隊。稼動出来る飛行機が少なかったための苦肉の策で生み出された事は周知の通りです。
「指揮官の命令により爆弾を抱いて敵艦に突っ込む戦術」を外国人は理解出来なかったようだ。アメリカ海軍の兵士は爆弾を積んだまま突っ込んでくる日本軍飛行機に悩まされることになる。そもそも理解できないのだ。天皇という宗教の法主の命令で嫌々自爆テロを行っていると思っていたらしい。中には特攻機からの攻撃が怖くて心身症に陥る兵士もいたようだ。今の日本人も理解できないだろうが。
お国のため、天皇陛下のためとは言っても、飛び立ったら帰る事は出来ない。しかしながら彼らは国と家族を守るといった使命感で志願として飛び立っていて厳密な強制とはなっていなかった。中には雰囲気などで拒否出来なかった人もいたと思いますが。

そんな中、まず海軍の作戦において少ない飛行機を有効に使う手段として特攻がなされた。
そして若きエースパイロットの関行男大尉が指揮官として任命され見事にその作戦を成功に導いた。皮肉な事に結果的に特攻という無謀な作戦が常套作戦になってしまうのだが。

母親や妻はどんな気持ちで彼らを見送ったのだろうか。
母親の住む家では軍神の母として近隣住民に尊敬されていたが、終戦後は一転日本を泥沼化した戦争へ加担した非国民扱いになってしまう。戦後の生活は非常に苦労されたそうだ。

桜花という特攻機をご存知でしょうか。
桜花は日本が日独伊同盟を行ってから兵器の情報交換を行っていたドイツから潜水艦経由で入手した「ロケットジェット」を搭載した特攻機です。自走して発進する事が出来ず、一式陸攻に吊るしたまま上空で飛び立つロケット弾のような仕組み。
戦果はというと一式陸攻は被弾に弱く、敵の攻撃を受けるとすぐ発火して墜落してしまうため、なかなか桜花の戦果は上がらなかったようだ。目標地点に達する前に母艦ごと墜落してしまう。戦果は低かったようだ。
靖国神社就遊館に展示されていますので実物を見てみるのもいいでしょう。

回天・ご存知の人も多いと思うが回天とは操作の出来る運転手搭載の魚雷です。
狭くて暗い操縦室に入り、母艦となる潜水艦を発射してから数分後には敵艦に到着するまで、どんな思いで出撃していたのだろうか。こちらも戦果は低く、敵艦にたどり着かなかった者の多かったらしいです。海底に突き刺さってしまったなど。回天は一度発信すると戻れない。スクリューにバック機能がないため前進しか出来ない。発射管を引いたら待っているのは確実な死だ。そのため、海軍回天練習所では事故が多発したようだ。

結局、特攻という最終的な命令を行った司令官や指揮官で自身も特攻で命を落とした人は少ない。自身生に拘るならなぜ他人に死の命令をしたのか。今となっては誰も解明できない。