中国人理解/異文化理解

「中国人とうまくつきあう実践テクニック」(総合法令出版)著者による公式ブログ

絶対に贈ってはいけない品物 続編 <その2>

2014-02-12 | ■異文化理解

前回の続きです。贈り物として相応しくないものはまだまだあります。「薬」をプレゼントしてはいけない。「ハンカチ」もダメ、「ネクタイ」もダメ、「靴」もダメ etc. 知っておきたい「転ばぬ先の杖」です。

ダメな理由をひとつずつ解説していきましょう。

「ハンカチ」は涙を誘うと言われ、「不幸を暗示するプレゼントだから」という理由です。「ネクタイ」は女性が男性を拘束するという意味があるそうです。「あなたは私のいいなり・・・」というように、まるで飼い犬に首輪を付けるような感覚なのでしょうか?

「靴」は「これを履いてどこか遠くへ(?)行ってください」という「私から遠ざけたい」という意味があるそうです。また中国語の「靴」(xie)は、「邪」(xie)と同じ音です。これは「あやしい」「おかしい」という意味・・・。他にもまだまだNGアイテムはありそうです。


■地域により品物やその理由はさまざま

前回と今回のコラムで今回贈ってはいけない品物の中から代表的な物を紹介してきましたが・・・。しかし、ここで注意が必要です。「中国のすべての地域で同じ」とは限りません。地域によっていろいろな違いがあり、その理由や背景もさまざまです。

そのすべてを理解することが大切なのではなく、ビジネスシーンに合わせてひとつひとつを自分自身で確認しながら、自分がどう異文化と向かい合っていくべきかを考えるこ、これが異文化理解を深めるためには大切なことではないかと思います。


■中国人や台湾人観光客がドラックストアで「薬」を箱買いする様子をしばしば眼にするが・・・

「薬」は送るということは「病気を招く」という意味で嫌われます。「薬」もプレゼントしてはいけない品物です。しかし、中国人や台湾人観光客がドラックストアで「薬」を箱買いする様子をしばしば眼にします。話を聞くと、「これは○○○に頼まれた・・・」、「これは○○○さんへのお土産・・・」、「これは実家のおばあちゃんへプレゼント・・・」など、完全にお土産アイテムです。

日本の「薬」は、「安心だから、安全だから」ということで人気があります。「キャベジン」や「正露丸」、「龍角散」や「太田胃酸」、風邪薬の「ルル」や「ベンザ」などなど、まとめ買いしていく人も少なくありません。「吉村さん、今度台湾に来るとき、風邪薬を6つ、胃薬を4つ買って来て・・・」といずれも銘柄指定で買い物を頼まれ、スーツケースがいっぱいになるほど薬や化粧品を持って行ったこともありました。(私は「薬の売人」ではありません・・・)(x_x)>

中国や台湾は「漢方」(中医)の国ですから、体に優しいいい薬はたくさんあるのではないかと思うのですが、わざわざ薬を日本で買って、お土産にしたり、自分で使ったりします。やはり、日本製品に対する「安心・安全」信仰は根強いものがあるのでしょうか。誰もが知っている定番のブランドはとても人気があります。

ここで「裏技」をひとつお教えしましょう。「薬」をプレゼントするときは、プレゼントした相手からコインを一枚もらうとよいそうです。つまり、こうすることで「薬を送った」のではなく、「薬を売った」ことにすのです。


■病気の見舞いに「梨」を持って行くのはダメ・・・

病気で入院している友人に果物を持って行ったりします。果物は病気のお見舞いにごく普通の贈り物だと思うのですが・・・。中国では「梨」は絶対にダメだそうです。

日本では病気見舞いに「鉢植え」はダメだと言います。「そこに長く根付く・・・」ことを嫌うからで、「生花」が一般的です。花瓶に花を活けるわけです。

「梨」は中国語で同じ発音の漢字に「離」(li)があり、「離れ離れになる」を意味し、「別れ」を暗示させる言葉です。病人に対して、「もう二度と会えませんね・・・」とお別れを告げる意味です。確かにもらったほうはどんなにおいしい「梨」でも、「これでお別れですね・・・」という送り物はあまりいい気分はしないですね・・・。


To be continued