韓流ファンの日本人観光客までレイプ集団の毒牙に!
文=張 赫(フリーライター)
韓国では、成人女性は言うに及ばず、児童や地理に不案内な観光客を狙ったレイプ事件が多発し、深刻な社会問題となっている。
李明博大統領が昨年12月の日韓首脳会談で慰安婦問題を取り上げた1か月ほど前、42歳の男が刑務所を出所した。男は2004年にソウルで20代女性に性的暴行を加えた罪で逮捕・起訴され、懲役7年6か月を言い渡されていた。
長い刑期を終えて出所した男は保護観察対象となり、足首にはGPSが入った“電子足輪”が付けられた。だが、再び同じ過ちを繰り返すまでに時間は かからなかった。今年8月、37歳の女性宅に忍び込んで性的暴行を加え、最後は殺害した。男はすぐに警察に逮捕されたが、「捕まれば刑務所にいき、捕まら なければそれでよかった」と反省の色もなかったという。
韓国では近年、未成年による性犯罪も社会問題化している。10月4日、忠清南道で高校1年の男子7人が、中学2年の女子に集団で性的暴行を加える事件が起きた。
暴行した男子生徒は、「強制的な暴行は加えていない」と容疑を否認。学校側は「事件に関わった学生たちは9日間の停学で、警察の捜査結果を待っている状態」とコメントしている。女子中学生は現在、総合病院の精神科で治療を受けているが、まだ学校に通えない状態だという。
外国人観光客も標的にされる。被害者になりやすいのが、韓流ブームによって大挙する日本人観光客だ。「日本人女性は韓国人と付き合いたがっている」という都合のいい“伝説”が韓国の若者の街・弘大に広まっており、そこで事件は起きた。
弘大は弘益大学校の略称で、その周辺の地名にもなっている。同大は韓国を代表する美術家、デザイナー、ミュージシャンなどを輩出しており、学生た ちは韓国全土からやってくる。大学周辺では、夜になるとロック、ジャズなど様々なジャンルのクラブがオープンし、まばゆいネオンを光らせている。
そんな弘大のあるクラブで今年3月、20代の日本人女性3人が、居合わせた韓国の若者5人と意気投合した。すると翌朝、旅行会社のツアーに参加し ていた3人は、集合場所のホテルのロビーに姿を見せなかった。旅行会社の職員が弘大を捜し回ったところ、あるホテル内で倒れている一人の女性を見つけ、事 件が発覚した。現場には汚物が散乱し、昏睡状態に陥っていた女性の体にはレイプされた形跡があった。
警察の調べによると、被害者らはツアー日程をすべて終えた後、弘大のクラブへ向かった。そこで韓国人男性と酒を飲んだのだが、その後の記憶はまっ たくないという。彼女たちは事件が公になるのを恐れて被害届も出さずに帰国してしまったが、実は弘大では外国人観光客を狙った同様の事件が多発している。 警察の捜査も後手後手に回っている状況だ。
アジアでは群を抜く児童を狙った性犯罪の数
韓国における昨年1年間の強姦発生件数は1万9498件で年々増えている。人口10万人当たりでは39・2件で、なんと日本(0・9件)の40倍以上である。
通常、国が発展すれば性犯罪や粗暴犯罪は減るものだ。例えば日本では、強姦の件数は1964年に6857件とピークを迎えた後、90年には 1548件まで激減した(2011年は1185件)。そうした傾向は他の先進国の犯罪史にも共通している。その点で韓国は特別であり、あるいはまだ先進国 の一角を占めるだけの「成長」を遂げていないのかもしれない。
韓国で特に深刻なのは、児童らを狙った性犯罪の急増だ。韓国警察庁が発行した『2011犯罪統計』によれば、昨年、児童・青少年が被害を受けた件数は2054件で、07年(857件)の2・4倍と、わずか4年で倍増している。
また、韓国政府機関の女性家族部が10年に発表した統計では、08年、韓国の児童人口10万人当たりの性犯罪発生件数は16・9件。これはドイツ(115・2件)、イギリス(101・5件)、アメリカ(59・4件)に次いで世界4位、アジアでは1位となっている。
今年8月には、韓国南部の羅州市で自宅で寝ていた7歳女児が布団ごと男に連れ去られ、性的暴行を受けた。7月には、性犯罪の前歴者が登校途中の10歳女児を性的暴行目的で連れ去り殺害する事件が起きている。
多発する性犯罪を少しでも減らすため、韓国政府と警察はあらゆる対策を講じてきた。女性家族部が10年から運営を開始した「性犯罪のお知らせe」 というサイトでは、性犯罪者の住所を邑面洞(市町村の意味)まで公開し、近隣住民だけに番地が記載された告知書を郵送している。今年8月には、サイト上で 住所を番地まで公開する法案を推進すると発表した。
次に警察が力を入れてきたのが、電子足輪だ。これはアメリカが80年代に導入しており、常習性が見られる性犯罪者に対してGPSの装着を義務付けて いる。韓国では08年9月から13歳未満の児童への性犯罪者に対し、電子足輪を最長で10年間装着することを義務づけた。が、電子足輪をつけた性犯罪者が 再犯に至るケースは後を絶たない。
ついには化学的去勢(薬物治療)まで始められた。16歳未満の子供に性的暴行を加えた19歳以上の加害者に、性的衝動を抑える薬物を投与することが認められ、今年5月に初めて執行された。最近、被害者の年齢を19歳未満まで引き上げる改正案も検討されている。
韓国世論は薬物治療を推進すべきとの意見が多い。しかし、賛否があるのも事実で、薬物に詳しい専門医には「副作用によって男性が生殖機能を失う事例もある。これは倫理的な観点で考えなければならない」という反対論もある。
児童の性犯罪などに詳しい、シンクタンク「福祉国家ソサイエティー」のアン・ジンスク氏は、韓国で性犯罪が氾濫する要因についてこう語る。
「加害者のほとんどは無職であり、カードローンなどで借金を抱えています。韓国経済は好調に見えますが、一部のエリートを除いては20代、30代の 若者が安定した職業に就くことは難しく、深刻な格差が広がっている。彼らの不満が爆発し、その蛮行が弱者に及んでいるのです。韓国社会の構造を根本から改 革しない限り、こうした犯罪はなくならないでしょう」
性犯罪への対応は、韓国が真の意味で先進国となれるかの指標でもあるのだ。
強姦件数はなんと日本の40倍! 経済成長しても性犯罪が激増する“特別な国” (SAPIO) より