子どもができたら生みたい。
それは母親として当たり前の感情でしょう。
そして生まれてきた子どもは責任を持って育てことは、簡単なことではありません。
そんな中で子育ての悩みを相談し、周囲からのサポートを受けながら子どもと向かい合うのは自分にっとてだけでなく、子どもにとってもとても大切なことです。
しかしそれが受けられない母親の場合は、自分の思い込みに基づいた子育てで子どもを思わぬ方向へ導いてしまうこともあります。
まるいぴよこが描いた「消えた子供~戸籍のない11歳少女餓死事件~」は、保護者の責任が問われるテーマのコミック。
母親の子どもへの関心の薄さや、何より母自身が自分の家族から疎まれた存在であることを乗り越えられず、自分の生き方を見つめ直せなかったことが原因で、本作に登場する女の子は命が絶たれてしまいます。
子どもが生まれたから、気持ちも母親になって子どもに接することができるわけでもありません。
ましてや、自分の置かれた状況を実家の家族に知られたくないため、助けを求めず子どもを死に至らしめたことに弁解の余地も全く感じられませんでした。
こうやって親が自分の親子関係を修復できないまま子育てをすることで、子どもに虐待をしてしまうということはあるようです。
その反面、親から受けられなかった愛情を子どもに注ぎ幸せな子育てをしている母親も多いはず。
母親になるということは子どもの人生に責任を持つということは大変ではありますが、手探りでも自分の子どもと向かい合うことは忘れてはいけない大事な事柄だと考えさせられる作品です。