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「吉原手引草」

2008年02月28日 | 読んだり

松井今朝子    2007年  幻冬舎

[ちょいすじ] 吉原遊郭を形作る、引手茶屋のお内儀、遊郭の番頭、見世番、遣手婆、楼主、幇間、芸者、女衒、そして客。彼らそれぞれの語りを通して見えてくるのは、「葛城」という花魁。花魁にいったい何があったのか。いや、花魁は何をしでかしたのか。聞き手の若い男はいったい何を引き出そうとしているのか。
吉原という世界の特徴をあますところなく利用しきった“花魁ミステリー”

よくぞここまで調べなすった。
その上、よくぞそこまで筋を立てなすった。
実にウマい。
と、それだけならウマいだけだが、
最後まで登場しない花魁「葛城」 ( 登場、してるけどしてない 
の、「その後」を思うときにゃあ、胸中一陣の涼風あり。