噛噛堂ときどき営業中

ハイホーと、
めしの支度の合間縫い、
噛噛堂書店はときどき営業中。

めがね

2007年09月30日 | 見るもの聞くもの

荻上直子・監督  2007年 (於:TOHOシネマズ)


隣で観ていたMr.は、途中で眠くなったらしいがな。
そのユルさがイイ、
のですよ、それが。
そうしてユルくなりたい時に観る一本。

なので、自宅鑑賞は不可ですな。
部屋の片づけも、洗濯物の取り込みも、夕飯の支度もやりようのない、そこは劇場。
だからこそ、ユルさに「集中」できるわけで。
ってな逆説的現象。


「かもめ食堂」と同じく、もたいまさこと小林聡美を味わう作品でもございます。
こうなりゃもう、徹底的に、もっと味わいたいぞ、この二人。
「やっぱり猫が好き」よ再び!

「町長選挙」

2007年09月29日 | 読んだり

奥田英朗    文藝春秋  2006年

[ちょいすじ] ご存じ精神科医・伊良部参上。なぜかその迷医っぷりで、いつかコトは解決し…


死の恐怖から逃れられない球界のドン・田辺満雄 「オーナー」
ひらがなが思い出せない若きIT長者・安保貴明 「アンポンマン」
アンチエイジングに狂走する女優・白木カオル 「カリスマ稼業」

以上3編は、球界のアノヒト、IT界のアノヒト、芸能界のアノヒトを、軽くモデルにしておちょくって、軽く痛快。


そして、少し趣の変わる表題作「町長選挙」。
(一応)東京都である離島にて繰り広げられる4年に一度の町長選は、八木派と小倉派に二分されて、正に死闘ともいえるバトルが繰り広げられる。
迷医・伊良部がからんで、いったいどう解決するのか、できるのか?!…

中編なれど、「サウスバウンド」に通じるよな、痛快丸かじり のラスト。



今さらだけどら、「イン・ザ・プール」と「空中ブランコ」もいってみようか。
今んとこアタシの伊良部像は、石塚英彦。

「江利子と絶対」

2007年09月28日 | 読んだり

本谷有希子    講談社  2003年

噛噛堂における2冊目の本谷作品。
「本谷有希子文学大全集」と冠され、短編2編と中編1篇収録。


短編「江利子と絶対」「生垣の女」は、
期待通りのアナーキーっぷり。
まったくもってこのヒトの作品読むと、
ジブンの中の理由なき強暴に火がつくよな気がするよ…


しかし意外や、中編「暗狩」は真面目(?!)な恐怖モノ。
3人の小学生が迷い込んだ屋敷で繰り広げられていたのは、××××…!
はたして3人は、生きて帰ることができるのか!
本作のみ、まるで趣が異なるんだけど、どこか「救い難い」という点では底に流れるものは同じか…
困るのは。
ポイントになるのは「屋敷の構造」なんだけど、、、
どー頑張っても、思い浮かべることができまっせん!

横溝正史「本陣殺人事件」を読んだ時の歯がゆさを思い出しちまった。
地図が読めない女に加えて、立体図関係にも脳欠陥のある女デス…

「次郎と正子 娘が語る素顔の白洲家」

2007年09月27日 | 読んだり

牧山桂子    新潮社  2007年

[ちょいすじ] 白洲次郎と白洲正子の第三子にして長女の牧山桂子(かつらこ)さんにより暴かれる(!)、「生活」の中の次郎と正子。


いやー、いつかは読みたいと思っていた白洲正子さんの著書を読む前にこれ読んじゃったでしょー。
それら著作を、きっともう、普通の感覚じゃ読めないや(笑)
勝手に想像していた「素晴らしい」白洲正子観、崩壊~(爆)

「何かが変だ」  それは、私が何才の頃からか、自分を取り巻くまわりの世界を意識するようになった時に感じたことです…

この一文で始まり、

この本を書くにあたって、数人の友人たちに、自分たちの両親についてどのような思い出を持っているかを聞いたことがあります。彼らの両親についての思い出話は、きちんとした家庭の、テレビのホームドラマを見ているようでした。それらくらべ、私の両親は、子供の記憶に残るような事をする、おかしな人たちだったと思います。

このあとがきで閉じられる、思い出の断片集。

確かにフツーじゃない次郎と正子の「家庭」。
なれど、次郎なりに、正子なりに、つくられたその家庭に、愛あり。
時として意地悪なほど(特に母・正子に対して)秘話を暴く桂子。
なれど、そこにはやっぱり次郎への、正子への、愛あり。

家事能力のいっさい無い、
娘と常に張り合おうとする、
次郎へ勝ち誇ろうとする、正子。

ここで知ったそんな可笑しみを大事に抱えながら、
いつかその著作を読もう、白洲正子…

裏磐梯に行って記 3

2007年09月25日 | なんだ坂こんな坂

そういえば。
この夏の思い出第一位は、「真鶴へウマい魚を食べに行こうツアー」であった。
あの日。
炎天下を、歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて歩いて、
ついに熱中症率約73%に達したアタシは町営休憩所で濡れタオルを首に当ててひたすら横になり…
ひやむぎを食べて帰ってきました。
ヒヤムギー、、、マナヅルデヒヤムギー、、、



アタシ、別に歩くのは嫌いではありません。
いえ、好き、といえるでしょう。
そしてMr.も、というか、Mr.はもっと、歩くのが好き。

ってゆーか。

好きすぎ。
二人で歩いていると、ときどきふとこんなキブンに…
これって、何かの修行ですか?!

さわやかな風、身軽ないでたち、足に合った靴…ならば、ウォーキングらんらん♪
でも、どんなに修行度が濃いかというと、
炎天下だろーが(記憶に新しくは真鶴)、両手に荷物だろーが、アタシがハイヒールだろーが、
「歩こうか」
いえね。
最初のうちは、諸条件(天候、気候、時間、距離、服装等等…)を加味した上で、
ジョーシキ的に考えて「歩ける」範囲での提案だと思ってたんですけどね。

ついに真鶴で懲りました。



今回も、どうやらまたも晴れ女・晴れ男パワー炸裂で、初日はちょいバテ噛噛。

でもね。

朝5時に回った昨日と同じコースには、
ほら、別の顔が待ってました…

朝景色、二人占め。
早朝バンザイ。



ま、そのあと、またもや桧原湖炎天下コースが待っていたのですがね。
今となっちゃ、いいオモヒデです。


***********************************************************


さても猪苗代は蕎麦を食わいでかの蕎麦どころ。
帰りの電車に乗る前に、と、目星をつけたは「いわはし館」。

 「歩けそうだよねー、ここ」

 「タクシー使いますっ」




高遠風とかいう名物いわはし蕎麦。
蕎麦は絶品、味噌を溶いて召し上がれ。

裏磐梯行って記 完

裏磐梯に行って記 2

2007年09月24日 | なんだ坂こんな坂

五色沼の往路最終は毘沙門沼。
「あっ。ボートだ! ボート乗ろう~」



30分 700円。
「乗ろう、乗ろう~♪」



………





え? あたし?



あたしがーっ?!



「えっ、何これ!」「やだっ!」「ちょっとちょっとっ!」「どーすんのコレ!ウソでしょ!」「だめだっ!」
同じところをグルグル回り、狭い水路に入り込んでにっちもさっちも…


 「ねー、もしかしてボート漕ぐの、初めて?」


 「初めてっ」


つーか。
普通、
あんたが漕ぐでしょ!


ラスト10分でバトンタッチ、何とかかんとか岸に着き、ふと目についたのは…



………。

今さらそう言われても。
(*飲酒はしておりません)


3 に続く。

裏磐梯に行って記 1

2007年09月23日 | なんだ坂こんな坂
この間、行ってきたのは、
♪ 会津~磐梯山は~ タ・カ~ラ~の ♪
その裏っ側。裏磐梯。
バンダーイ \(^ ^)/



磐梯山はねー、真ん中にあった小磐梯が大噴火で何百メートルも小さくなって、
今の形になったんだよ。

…と、噴火記念館の動く模型で知ったの巻。
その模型のガラスに映ったジブンの影に大驚愕。10歩も後じさり恥ずかしかったの巻。



その「山」にアタック… 



じゃなくて。
五色沼ハイキング。
往復8km。


緑の中を、特別なアップダウンもなく、てくてくてくと。
てくてくてくと。
てくてくてくと。
  
てくてくてくと。
時にせせらぎあり、時に風は吹き、時に木漏れ日ゆらぎ。

でも。
暑いんですけどっ。
  

あんまり暑いがために、この沼の色も、
「これって、自然の美といえばいえるけどー、
工場排水汚染っていわれりゃそうも見えるよねー」

なんて。
考え方が凶暴になってますな。



でも、小さい秋見つけた。



2 に続く。

セレブなキブンで

2007年09月22日 | かむかむんち

オサレ~な洋館で、イタリアンランチ♪




と、思いきや。
「定期健康診断」でございますゆえ、これがね。

市指定の検診医をネットで見比べてたら。
なにこれ?
これ、ビョーイン?
これが、ビョーイン?
この、
白亜の御殿 が?
市の補助ありで、おんなじ料金ならば、ここ、行くでしょ、ねぇ?


しかも。
帝国ホテルのドアマンかってくらい腰の低~いセンセイでございました。


レントゲンも、尿も問題ナッシング。
乳がん、子宮がん、ドンマーイ。
血液にいたっちゃ誉められる始末。
ヨカッタヨカッタ、いたって健康。



つまり、

心おきなく、

ガンガン働け ってかー?!

いっぱいいっぱい

2007年09月20日 | ハイホーしたり

はー。
ジェットコースターのブレーキ壊れてますよ状態。
断れないこの小心者魂が招いた自爆状態。
ハイホーの加速が止まらない……

やっとこさっとこ、
本日の帰路は、稲村の山側から海岸線へ。
七里ヶ浜から左前方に光るは江ノ島。


なんか。

泣けるし。


だって、ご褒美みたいな風景なんだもの。
一日の〆にこれが待っているなら、頑張れます。たぶん。


「続・豚の死なない日」

2007年09月12日 | 読んだり

ロバート・ニュートン・ペック    白水社  1994年

[ちょいすじ] 父を亡くしたペック一家。13歳のロバートは、負債と飢えと残された家族を背負いながらも「生きて」いく…


前作以上に悲惨ともいえる状況の中にあって、ユーモアがますます生きている!
しかも、どのページをパッと開いても、殿堂入りの格言だらけ。
人間は信じられる存在だということ。
明日は信じられる希望だということ。

何度も、
何度も、
何度も、
何度も、
噛みしめたい作品ゆえ、多くを語らず 

「正義のミカタ」

2007年09月11日 | 読んだり

本多孝好    双葉社  2007年

[ちょいすじ] 真性いじめられっ子の蓮見亮太。超いじめられ時代の高校生活を脱却し、やっと新しくはじまるはずだった大学生活…しかしそこにいたのはかの天敵・畠山! またもボコボコにされかかった亮太に救いの手をさしのべてくれたトモイチは、『正義の味方研究部』に所属していた。それって、いったい、「何?」。はたして亮太は正義の味方になれるのか…

殴る とか 殴られる とかってなイタい状況を、
これでもかとばかりに笑える場面に塗り替えてしまう手腕よ!
正義の味方研究部なるものが明らかになる前の、そんな前半部分のカッ飛び方は、
思わずそこだけで☆5つくれてしまうほどの勢いだったが…

だったが。

なんですわなー。
大学という狭い社会の「巨悪」に挑んでいく後半は、ちょいとダルい。
そのわりには、
ラスト、亮太が自分で選びとった着地点は、静かに気持にしみてくるんだけど。

タイトルの「正義のミカタ」が敢えてカタカナになっているのは、
「正義の味方」というより「正義の見方」だからともとれ、
つまり「正義」って何よ? と、「ミカタ」を問うているよな気もするし。
又は、「味方」なんて大上段に構えたくない(構えられない)、
そんなキブンであるよな気もするし。

イタく、可笑しく、燃える前半場面と、
ラスト小学生に「ダッセエ」とつぶやかれてしまう亮太。
そこはやっぱり捨てがたく、

「家日和」

2007年09月10日 | 読んだり

奥田英朗    集英社  2007年


ネットオークションにはまってしまった主婦42才 「サニーデイ」
会社が倒産して「主夫」となった夫36才 「ここが青山」
妻と別居してからインテリアに目覚める夫38才 「家においでよ」
内職の営業マンとの夢想にふける主婦39才 「グレープフルーツモンスター」
夫が起業するたびに新境地をひらいてしまうイラストレーターの妻34才 「夫とカーテン」
ロハスにはしった妻の友人をネタにしたい作家の夫42才 「妻と玄米御飯」


「家」の中でおきる、ありそうななさそうな、
ドラマような普通なような、<在宅>短編小説 全6編。

「ここが青山」と「家においでよ」の2編に各々☆5つ~!

しりしりー

2007年09月08日 | めしの支度

人参を千切りにして、炒めて、塩・醤油して、溶き卵。
そんだけ!
その名も、しりしりー。
って、何ものー?!
一行完結の沖縄料理(らしいです)。


人参と卵の甘さ。
塩と醤油のちょっとしょっぱさ。
コーレーグスふりかけりゃあ大人のつまみ。

簡単でヤバい料理はタスカリマス…