本多孝好 双葉社 2007年
[ちょいすじ] 真性いじめられっ子の蓮見亮太。超いじめられ時代の高校生活を脱却し、やっと新しくはじまるはずだった大学生活…しかしそこにいたのはかの天敵・畠山! またもボコボコにされかかった亮太に救いの手をさしのべてくれたトモイチは、『正義の味方研究部』に所属していた。それって、いったい、「何?」。はたして亮太は正義の味方になれるのか…
殴る とか
殴られる とかってなイタい状況を、
これでもかとばかりに笑える場面に塗り替えてしまう手腕よ!
正義の味方研究部なるものが明らかになる前の、そんな前半部分のカッ飛び方は、
思わずそこだけで☆5つくれてしまうほどの勢いだったが…
だったが。
なんですわなー。
大学という狭い社会の「巨悪」に挑んでいく後半は、ちょいとダルい。
そのわりには、
ラスト、亮太が自分で選びとった着地点は、静かに気持にしみてくるんだけど。
タイトルの「正義のミカタ」が敢えてカタカナになっているのは、
「正義の味方」というより「正義の見方」だからともとれ、
つまり「正義」って何よ? と、「ミカタ」を問うているよな気もするし。
又は、「味方」なんて大上段に構えたくない(構えられない)、
そんなキブンであるよな気もするし。
イタく、可笑しく、燃える前半場面と、
ラスト小学生に「ダッセエ」とつぶやかれてしまう亮太。
そこはやっぱり捨てがたく、