水銀党本部執務室

冬月のブログです。水銀党本部の活動や、政治社会問題、日常の中で感じた事など様々なテーマで不定期に更新されております。

安倍総理、お疲れ様でした。

2007-09-15 16:26:39 | Weblog
大学の研究会で箱根に行っている最中の出来事。
セッションが終わった直後の会議室にゼミ生が入ってきて、安倍さんが辞める!と。
みんな口々に「それは、給油が駄目になったら総辞職するって話だろ?」「嘘だろ?」「どういうことだ、何故なんだ」と、騒然となってホテルの部屋に戻り、テレビをつけた。



安倍さんを叩いていたマスコミや野党が、一つ決定的に勘違いしていた事がある。
それは、安倍さんが権力の座にしがみつきたくて総理を辞めずに続けているという考え方。
9月12日の安倍さんの突然の辞任で彼等がパニックになったのは、安倍さんの目的というものを最初から誤解していたからです。

勿論、政治の世界には政策の専門知識などほとんど皆無で、権力闘争つまりは政局だけでのし上がってきた人が多いし、「総理になりたいから総理を目指す」手段
=目的の人も多い。
何が何でも天下を取りたいという小沢一郎はまさにその典型。
総理になって何をするかとかそういう事よりも、とにかく俺は総理になりたい、そういう政治を天下取りと勘違いしている人は民主主義国の現代日本で人の上に立つべきではない、戦国時代に帰った方がいいと思うんですが、現実はこういう人が多いわけです。
しかし安倍さんは、そうじゃなかった。

安倍さんは、人気とりのためにマスコミを喜ばせる政治をしたり、自分の権力にこだわっている政治家ではありませんでした。
彼はそういう目先の事ではなくて、常に国家百年の計を考えていた。

憲法、教育、少子化対策、安全保障、文化といった、数十年後、百年後の日本を繁栄させるために必要な改革を行わないといけない、これが彼の信念で、総理大臣の椅子というのは、彼にとってそのための手段でしかなかったんです。

損得勘定で考えるなら、参院選敗北後に総理を続ける事は、安倍さんにとってマイナスでしかなかった。
マスコミに叩かれ左派の国民からは憎まれ、いい事など何も無い。
ただただ、国のためを思う安倍さんの自己犠牲の精神で、今日まで安倍さんは総理をやってくれていた。
もし健康状態がここまでひどくならなければ、まだ続けていて下さったかもしれません。

戦後の世界が冷戦に至った理由として、アメリカのトルーマンには民主主義国の指導者として守らなければならない原則があったのに対して、ソ連のスターリンにはリアルポリティークな欲望しか無かったと言いますが、これでいくと、民主党の小沢氏にはただ選挙で勝ちたい首相になりたい欲望しかないのに対して、安倍さんには、この国を良くするための信念しかなかった。

だから安倍さんが、インド洋での給油活動という、彼の描く日本国のビジョンにとって必要なものを継続させるために自分がいては障害になると判断した時点で辞める、これはマスコミには理解できないかもしれませんが、彼のこれまでの行動論理で考えれば全く矛盾の無い、整合性のつく行動だったわけです。

なんで参院選で負けて辞めないのに、給油ができないと辞めるんだと、ずれた批判をしている人がいますが、よく考えてみて下さい。
インド洋での給油活動は日本国の外交・安全保障に必要な戦略ですが、参院選は国家の戦略と無関係な些細なスキャンダルでマスコミに煽られた国民の衆愚露呈でしかなく、いってみればイナゴの大量発生か何かのような自然災害で、安倍さんの信念を阻むものでは無かった。

安倍さんは、視野の狭いマスコミや民衆の人気ではなく、常に将来の日本の繁栄のために頑張っていたんです。

私達は、忘れるべきではない。
衆愚政治や権力闘争しかしない、わが身だけがかわいい政治家ばかりの永田町で、安倍さんだけが自分のことより国の将来を憂えて、身体をはって、信念をもって戦った事を。

その事を何も理解できずに、もはや客観性を欠いた心無い誹謗中傷で安倍さんを痛めつけて、病院送りにしてしまったマスコミや反安倍派に言いたい。

今あなたがたは、安倍さんが国政を「投げ出した」と批判していますが、私も全くその通りだと思う。

あなたがたは、安倍さんに「投げ出されて」当然だ。
自分の命を賭けて守るに値しない国民だと思われて当然です。

松本零士のキャプテン・ハーロックを思い出す。こんな腐った国はもう見捨てて、海賊にでもなった方がどんなにか気が楽でしょう。

ですが、安倍さんは最後まで見捨てなかった。
安倍さんはこの一ヶ月、下痢がひどくておむつをはいて働いていたんだそうです。
身体は極限まで衰弱して、それでも耐えてきた。

それでもあなたがたから聞こえてくるのは見当違いの罵詈雑言だけ。
私が安倍さんなら、もうとっくに辞めてますね。
「お前らなんて勝手に滅びろよ」と。

でも安倍さんは頑張った。それは彼がこの国を愛していたからじゃないんですか?

安倍さん、本当にお疲れ様でした。
今は、自分の身体のことを考えてゆっくり休んで下さい。


これから政界は、不必要な数年間の停滞に入るでしょう。
総裁選では福田さんが優勢だそうですが、福田さんにはこの戦局を逆転する力は無い。
また、衆院選で民主党が勝って政権をとったとしても、長期政権は維持できません。
民主党は自民党以上にスキャンダルを抱えた政党で、公約もほとんど実現不能なものばかり。与党になればマスコミもそれを報道せざるを得ませんから、たちまち国民に失望され、求心力は低下、分裂したところを自民党に吸収され、小泉さんの再登板か麻生政権で自民党に戻る。

ただ、その間の無駄な政争に費やされるこの数年間は、日本にとって全く損失にしかならないものです。
国民の多くが、自分の投票行動を後悔する事になるでしょう。

この「失われた数年」が、日本にとって致命的なタイムロスとならない事を祈るばかりです。

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