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りゅういちの心象風景現像所

これでもきままな日記のつもり

ゴールデンウィークの足柄峠(1)

2011-05-06 13:09:49 | 阿豆麻波夜

父と「足柄峠をあるこうか」と話していました。

昨年来、「足柄之坂」についていろいろ考えていますが「考えるよりも先に歩いてみたほうがよいのでは?」とはかねがね思っていたのです。出かけたとしてもクルマでさっと通り過ぎるくらいでしたから、幼い頃に歩いて眺めた風景とはやっぱり違います。一方で、原風景ともいえる記憶の方は変に細かいところは鮮やかなんだけど、「子どもの頃の記憶」にありがちなイメージの世界の域をでない。全体像となるとどうもぼやけている。
父は父で、好きだった山登りも近頃ではあまりできないでいました。有名な山に出かけては、山頂で撮ってきた写真を自慢げに見せてくれたのもだいぶ前のことになりました。寄る年波のせい。。。というにはまだちょっと若いと思うのだけど。。。体力は十分にあるように見えるのだけれど、健康状態に波があって、歓迎できない状態が長く続くようになってしまって。昔のように本格的な山にチャレンジするというのはちょっとムリみたいなのです。だけど、足柄峠ならハイキングくらいの気安さでのぼれます。山歩きの気分が味わえそうだということで「じゃぁ、たまには一緒にのぼってみるか」と。



そしたらそれを聞きつけた甥っ子のサクが「山登り?いきた~い!」と登る気満々。学校の遠足でのぼったことがあるらしく、はやくも「僕が案内する」というつもりでいるらしい。サクにはどうも「仕切りたがる」ところがあって、いつの間にか足柄峠に僕らを引き連れていく!という話になっているらしい。それで妹家族は4人が全員参加することになって、そこに母と僕の弟も加わり、あっという間にパーティーは9人になってしまった。。。なんだか家族総出になってしまって、なにか調べようと思ってもこりゃどうもムリそうな雰囲気。ゴールデンウィークまっただ中のハイキングなら、休日らしく楽しんでみるか!と開き直っていました。



ここ数年、どうも体調が思わしくない父ですが、若い頃のムリが今頃になってたたっているというのが本当のところみたいです。
当日朝、母から電話で「また不整脈が出た」という知らせを聞きました。
「またお酒飲みすぎたの?」とたずねてみたけど、どうもそうではないらしい。
それって、ちょっと怖い。。。「お酒が」という理由があるなら「少し控えてね」とか、「だから飲み過ぎはダメだよ」とか、素人でもいろいろ言えそうなものなのですが、直近に考えられる直接的な原因が言えないとなると、異常な状態が慢性化しているようにも見えて。。。やっぱり不安です。
大事はないというけれど、さすがに山はムリということで、「あなたたちだけでいってらっしゃい」とのこと。
はじめは父と二人で歩こうか?と思っていた話で、せっかくの機会だったのだけど。。。心臓に必要以上の負担をかけるわけにはまいりません。大事にしないとね。



「父ちゃんは帽子だけ参加するって」と弟が父の帽子をかぶってやってきました。
妹家族4人とさっちゃんと僕で7人。
5月3日のお天気は曇り。強すぎるくらいの初夏の陽射しがないのはさみしかったけれど、女性陣にとっては「日焼けしないからよい」らしい。それでも歩きはじめればちょっと汗ばむくらいだから、山歩きには曇りくらいがちょうど良いのかも。
はりきっていたサクはさっさと先頭を切って登っていきます。



まわりの景色はあんまり見えている様子ではなくて、一心不乱に登っている。だいぶ先に進んでから振返って「ちょっと~、みんなおそいよ~」と得意気。「あれ?あいつっていつから山好きになったの?」と妹に聞いてみると「遠足だと思うんだけど」とのこと。どんな楽しい出来事があったのかは知らないけれど、普段は家でゲームばっかりの子が山なら出かけるというので、母親としては「よし、一緒に行こうか!」とまめにつきあっている様子。「なんでかはわからないけど、楽しそうだし、一生懸命だから、最近はよく登る」といいます。実はこの日の前にも、山開きがあるからというので大野山に登ったばかりとのこと。やるとなったらとことんってこと?思っていたよりもサクってすっごい根性あるのねぇ~。好きなことならがんばれるっていうなら、そういう正直さはよいな。



ルカはまだ自力ではのぼりきれないので、そこが山道であっても、だっこやおんぶをせがむ。ところどころで、妹はルカを背負いながらの山登り。。。いつのまにそんなにたくましくなった?妹よ。。。見かけによらず、たくましい母親になったものです。
昨年は特になんですけど、妹一家もどこにも出かけられない時間がひたすら続いていたのです。その事情というのが僕らと一緒で。。。本当に大変な思いをしていました。忘れたくても2010年のことは忘れられません。いろいろ済んで、そろそろどこかしらに出かけてみようかしら?と思っていたところで、大震災がやってきた。。。それからの話なので、よく登るといってもここひと月ほどのことらしいんだけど、山登りはサクの中では長続きしているマイブームといったところか?心を締め付けるような時間を子どもだって分かち合っているのだから、意外と山歩きをすることで何かが解放されてるのかもしれないなぁ。



今回登った道は「足柄古道」と呼ばれてはいますが、完全な一本道ではなくて、ところどころ舗装道路に出て歩くところがあります。サクが遠足で通った道は僕らが遠足で登った道とは違う道。峠越えの道が1本というわけはなく、わかりやすい道に限定しても幾筋かある。「足柄古道」はそれらいくつかの道の総称であるはずなのです。
杉林の中を抜けていくと、古代の足柄杉の森を想像させるには十分な雰囲気があります。



ヤマトタケルの東征について、「大軍を率いてこの足柄峠にいたり、侍僕を三年にわたってこの地に滞在させた」という言い伝えがのこされています。それがピンポイントでどのあたりになるのか?は不明。神奈川県神社庁にある説明では、

「明神嶽から足柄山を越えなむとするも樹木草生い繁り遂に進路に御迷いの所、白鹿眼前に現れ、其の後に従い足柄峠に難なく進むことが出来、此処に於て白鹿消え給うと、これ神霊の御導きならむと待僕を同所に三年間滞在させ、神霊を齋祀されたと云はれている 。」

となっていて、足柄峠と金時山、明神ヶ岳をゆるやかにつなぐ足柄山一帯のどこかで迷ったということになっています。普段なら眺めもよいところ。富士山を眺めつつ、振返れば相模湾も見通せるような山で「迷う」を字義通りに解釈することはちょっと難しい。。。確かに季節によっては、濃い霧はよく出ます。
この日も曇り空でしたから、眺望はまったく望めませんでした。なだらかとはいえ、道のない山肌で視界を遮られると、方向感覚は狂うかも?




峠は、のぼりきれば道はなだらか。ハイキングにはちょうどよいのです。
ひところ「自転車ブーム」と言われていましたが、それもブームを通り越して定着しているのか?足柄峠ではたくさんの自転車が山を登っていくのを見かけました。みなさん「すいすい」と登っていかれるので、ちょっとびっくり。中年(というには、若いか?)とおぼしき女性が多かったのにも驚きました。みなさん、体力がありあまっているよう。



このあたりではまだ、桜がきれいに咲いています。





ゴールデンウィークの足柄峠(2)
ゴールデンウィークの足柄峠(3)







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