家庭教師1(スザルル)
住宅街の一軒家の前に、一台の車が止まる。
「ここかな?」
「うん、送ってくれてありがと。」
車のドアを開け、漆黒の長い髪の少女が降りる。
「かまわないよ。しかし、中3の男の子の家庭教師とは、少し心配だな。」
外から運転席に回った少女に合わせて、窓を開け、
ハンドルを握っていた金髪の男性が、少し眉を顰めながら、答える。
「大丈夫だよ。スザクは、小さい頃から知ってるから。」
軽く笑う、少女に、男性は苦笑しながら、その頬にキスを送って、見送る。
「そうかい?まあ、がんばっておいで。ルルーシュ。」
「うん。いってくるね。」
「ごめんなさいね。ルルちゃん。急に家庭教師なんて頼んで。」
「いえ。」
「もうすぐ受験なのに、この頃ますます勉強しなくなっちゃって。
塾にも行こうとしないし、でもルルちゃんが教えてくれるならっていうのよ。」
「私でよければ。」
「そういってもらえると助かるわ。」
スザクの母に、スザクの部屋まで案内される。
「じゃあ、私は少し、用があるから、留守にするけど、ビシバシしごいてやってね。」
「はい、おばさま。」
コンッ、コンッ
「どーぞー。」
記憶の中にあるスザクの声より、だいぶ低い声が、答える。
「久しぶり、すざ・・・・く?」
了承を得て、部屋に踏み入れたのは、懐かしいスザクではなく、ベットの上で布団に丸々物体だった。
(ルルちゃんが教えてくれるっていうなら)
ホントにそんなこと言ったんですか?おばさま!!
心の中で絶叫しながら、ルルーシュは、ベットに丸々物体=スザクに近づく。
「スザク!勉強嫌かもしれないけど、とりあえず、3時間だけはがんばれ。ほら、起きろ!」
スザクの肩を揺さぶるように掴んだ手が、男らしく角張ったスザクの手に掴まれる。
顔だけ振り返ったスザクがにっこりと微笑む。
「ひさしぶり、ルルーシュ。」
うわ、なんか大人っぽくなった。
可愛い弟分の成長に、ドキッとしながら、ひさしぶりと返す。
グイッ
「え?」
強く手首を引かれて、一瞬の間にルルーシュはスザクにベットに押し倒された。
「ちょっ、」
「ねえ、ルルーシュ。なんでも教えてくれるんだろ?」
困惑した声に、スザクの声が被さる。混乱した頭のまま、その問いに答える。
「え、あ、うん。わからないことあったら、なんでも・・・」
「へえー。じゃあさ。」
「SEXについて教えてよ。」
頭が真っ白になった。