君が私を殺す日まで、どんなことをしてでも生きてやろう。私を殺すのは、君だから。
「どうして、出会ってしまったんだろう・・・。」
「出会わなければよかったね・・・。俺達。出会わなければよかった・・・。」
*************************************
壊滅した、ブリタニアの中枢。血に染まった王座と、黒と白を纏った少年。
漆黒を纏った少年は、優雅な笑みを浮かべて、背後の白き騎士に両手を広げる。
「待たせたな。さあ、私を殺せ。」
「なにを・・・。」
「ずっと待っていたんだろう?私を殺すタイミングを。今なら、ちょうどいいのではないのか?」
「なぜ。」
「知っていたよ。分かっていたよ。お前が私の所にきたときから。お前は私を殺すためにここにいるのだということは。お前が最も愛した女性を殺した私を殺すために。それでもお前の働きにはとても助けられたよ。計画が早まり、私の願った形へと世界が変わっていく。私の願いが叶う。」
「君の願いはなんなんだ。これだけ多くの犠牲をだしてでも叶えたい願いってなんだい。世界の覇権か?地位か名誉か?」
「そんなもの、いらない。いや、状況によれば必要だったのかもしれない。でも、もういらない。」
「じゃあ、何が願いなんだ。」
「優しい世界がほしかった。」
「なっ」
「大切な人が笑っていられる平和で優しい世界がほしかった。」
「こんなことをして、こんな屍の上に成り立つ世界が優しいと!?」
「それ以外の方法、私は知らない。」
「それで、君は幸せなの?」
「多くのものを失った。でもなにも変わらないあの世界より、今の方がましさ。全部自分で選んだ。ウソだらけの自分に何もできない自分に嫌気がするだけのあの日々。穏かな死である、あの時間。失ってあの時間すら愛しかったことも思い知った。けれど、あの日決めたんだ。戻る道などいらない。ただ、全てを抱き締めて、前に進むだけだ。そして、今ようやく、その道が終わる。」
罪も罰も痛みも哀しみも怒りも、愛しさも涙も全部全部抱き締めて、前を向いて歩くから。
「傲慢だ。君は。」
スザクはゆっくりと銃を構える。
「そうかもしれない。」
「俺は、ユフィを殺した、君を許せない。」
「許す必要などない。お前の心のままに、憎めばいい。」
愛しい人
お願い、私を殺して。
全てが終わったその時に。
あなたの手で私を殺して。
好きだったのだと気付いたのは、君が自分じゃない人を選んだ瞬間
涙はこぼれなかった。
ただ、狂ったように笑っただけ。
どうして気付いてしまったんだろう。ただの友達でいられればよかったのに。
隣でただ笑っていられたらよかったのに。
偽りでしか、仮面を被らなきゃ、君の隣で笑えない
もう君の隣に本当の私はいない。
そこに居場所はもうなんだ。
繋いだ手を離したのは、どちらだろう。
今も、この手を君に伸ばしたくてたまらないのに。
繋がることは、ないんだと、思い知っているのに。
「ルルーシュ!!!」
憎しみに染まった翡翠の瞳。
迷うことなく、指が銃の引き金を引く。
それでも、偽りでも、君が伸ばしてくれた手にすがりついた。
その手がいつか自分を殺してくれるのを知っていたから。
「・・・・・・ありがとう、スザク」
バンッ
紅を纏って、倒れてゆくルルーシュの表情は、とても穏かで、その唇が最期の言葉をかたどった。
(好きだったよ。)
声に出すことの許されなかった、たった一つの想いを。
「どうして、出会ってしまったんだろう・・・。」
「出会わなければよかったね・・・。俺達。出会わなければよかった・・・。」
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壊滅した、ブリタニアの中枢。血に染まった王座と、黒と白を纏った少年。
漆黒を纏った少年は、優雅な笑みを浮かべて、背後の白き騎士に両手を広げる。
「待たせたな。さあ、私を殺せ。」
「なにを・・・。」
「ずっと待っていたんだろう?私を殺すタイミングを。今なら、ちょうどいいのではないのか?」
「なぜ。」
「知っていたよ。分かっていたよ。お前が私の所にきたときから。お前は私を殺すためにここにいるのだということは。お前が最も愛した女性を殺した私を殺すために。それでもお前の働きにはとても助けられたよ。計画が早まり、私の願った形へと世界が変わっていく。私の願いが叶う。」
「君の願いはなんなんだ。これだけ多くの犠牲をだしてでも叶えたい願いってなんだい。世界の覇権か?地位か名誉か?」
「そんなもの、いらない。いや、状況によれば必要だったのかもしれない。でも、もういらない。」
「じゃあ、何が願いなんだ。」
「優しい世界がほしかった。」
「なっ」
「大切な人が笑っていられる平和で優しい世界がほしかった。」
「こんなことをして、こんな屍の上に成り立つ世界が優しいと!?」
「それ以外の方法、私は知らない。」
「それで、君は幸せなの?」
「多くのものを失った。でもなにも変わらないあの世界より、今の方がましさ。全部自分で選んだ。ウソだらけの自分に何もできない自分に嫌気がするだけのあの日々。穏かな死である、あの時間。失ってあの時間すら愛しかったことも思い知った。けれど、あの日決めたんだ。戻る道などいらない。ただ、全てを抱き締めて、前に進むだけだ。そして、今ようやく、その道が終わる。」
罪も罰も痛みも哀しみも怒りも、愛しさも涙も全部全部抱き締めて、前を向いて歩くから。
「傲慢だ。君は。」
スザクはゆっくりと銃を構える。
「そうかもしれない。」
「俺は、ユフィを殺した、君を許せない。」
「許す必要などない。お前の心のままに、憎めばいい。」
愛しい人
お願い、私を殺して。
全てが終わったその時に。
あなたの手で私を殺して。
好きだったのだと気付いたのは、君が自分じゃない人を選んだ瞬間
涙はこぼれなかった。
ただ、狂ったように笑っただけ。
どうして気付いてしまったんだろう。ただの友達でいられればよかったのに。
隣でただ笑っていられたらよかったのに。
偽りでしか、仮面を被らなきゃ、君の隣で笑えない
もう君の隣に本当の私はいない。
そこに居場所はもうなんだ。
繋いだ手を離したのは、どちらだろう。
今も、この手を君に伸ばしたくてたまらないのに。
繋がることは、ないんだと、思い知っているのに。
「ルルーシュ!!!」
憎しみに染まった翡翠の瞳。
迷うことなく、指が銃の引き金を引く。
それでも、偽りでも、君が伸ばしてくれた手にすがりついた。
その手がいつか自分を殺してくれるのを知っていたから。
「・・・・・・ありがとう、スザク」
バンッ
紅を纏って、倒れてゆくルルーシュの表情は、とても穏かで、その唇が最期の言葉をかたどった。
(好きだったよ。)
声に出すことの許されなかった、たった一つの想いを。