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御伽噺ロジック

コードギアス中心に色々やらかします。

ぬくもりの証 第二部 2

2007-05-18 21:31:41 | ぬくもりの証 第2部

悲しい記憶の多い故郷。侵した罪を突きつけられる場所。
それでも、君と過ごした優しい時間が確かにあった場所に戻ってきた。






「ただいま、ルルーシュ、ナナリー」





隠すように作られた墓の前で、ホワイトローズとアイリスの2つ花束とを抱えた青年は、淡く微笑んだ。



ルルーシュにはホワイトローズをナナリーにはアイリスを。
2人の墓に花を供えて、そっと、目を伏せて、二人の安らかな眠りを祈る。





日本に戻るたびに、二人の墓へ行くのが、この5年間の習慣だった。

「ただいま」

そう、二人の墓に告げる。スザクに帰る場所など、もうない。

帰りたいと願う場所は、5年前に失くした。守りたくて、守れる力を手に入れて、
ずっとあの優しい二人を守っていくのだと、決めていたのに。

結局、自分は何もできず、何も知らず、彼女たちを失った。
ただ、泣くことしかできなかった。

守りたかった人は、もういないのに、俺は生きてる。
ユーフェミア皇女の騎士として、世界を変えるために、自分に出来ることを探していた。
そして、ここにくるたびに、自分の行動を二人に報告する。


(ホントはね?君達に優しい世界をあげたかったんだ。
もう遅いかもしれないけど、それでも、君達にあげたかったんだ。
ねぇ、俺の行動で世界は少しでも君達が願ったものに変わってる?)


そっと、心の中で問いかける。何も答えの帰ってこない問いに、
自分の行動は、ただの自己満足なのだろうと、ここに戻ってくるたび、
そう思ってしまう。
それでも、そうしなければ、自分の心は精神は壊れてしまう気がした。
二人を支えに、いい訳にして、自分を正当化する。なんて、醜い。
きっと、彼女なら、「俺たちを理由にするな。」と怒るだろう。それとも、「それでいいなら、好きにしろ」
と呆れるだろうか。


軽蔑されても、いい。罵られたっていい。願いがあるんだ。
それが叶うなら、どれだけ自分が醜いことをしてたって構わない。


「ねえ、ルルーシュ。会いたいよ。恨み言でも、何でもいいから、
俺に会いに来て言ってよ。そしたら、俺も言うから。
君に、言わなきゃいけないことがあるんだ。」






ホワイトローズに籠めた俺の思い。それに気づいたなら、幻でも、幽霊でもいい。姿を見せて。
そしたら、君に言葉にして伝えるから。










『君を愛してるんだ』って。