狂ったように笑ったあの日、気づいてしまった。
「ああ、そうか。・・・・俺は好きだったんだ、スザクが。」
だから、彼に抱かれた。だから、彼との子どもを産みたいと願ったんだ。
狂ったように笑う。愚か過ぎる自分を。
涙は、零れなかった。
恋を知った、その瞬間、恋は俺を壊した。
**************************************
LIVE中継されるスザクの騎士侯授与式。ユフィに忠誠を誓う姿を、まっすぐに見つめる。
ただ握り締めた手が震えていた。
ユーフェミアの騎士になった、スザクに絶望を感じた、俺達じゃなくて、お前はユフィを選ぶのか。あの白兜のパイロットがスザクであったこと、スザクがユフィを選んだことは彼に絶望するには十分な理由だった。
騎士侯授与式から数日後、ナナリーが主催した、スザクの騎士侯授与祝いのパーティー。
多くの人に祝福され、その中心で笑うスザクを、離れた場所で見つめる。
嬉しそうで、幸せそうで、そんなスザクを見て、心の奥が冷たくなっていくのがわかる。
その思いを隠すように、きつく瞳を閉じて、気持ちを切り返る。
心を隠すのなんて、慣れている。表情を偽るなんてたやすいことだ。
人込みを擦り抜けて、にっこり笑って、スザクに声を掛ける。
「おめでとう。スザク。」
「来てくれたんだね。ルルーシュ!ありがとう。」
それに気付きもせずに、笑う君が憎かったのは、選ばれなかったことへの僻みでしかない。
ただ、スザクの嬉しそうな顔を見て、心の何かが壊れ、ひどく冷静になれた。
「この間はごめんね。それで、大事な話って?」
少し申し訳なさそうな顔をしながら、そう訪ねてくる彼に、友人の顔をして笑いかける。
「いや、それはもういいんだ。」
「え、でも。」
「相談したいことがあったんだけど、もう解決したんだ。」
これは、本当。相談したかった、ここにある命。だけど、彼に話すまでもなく、その答えを彼はくれた。だから、もう解決済み。
「そっか。でも、ごめんね。力になれなくて・・・・。ルルーシュが僕に相談するなんて、珍しいのに。」
「気にするな。お前は、自分のことだけ考えてればいいんだよ。騎士さま?」
おどけたように、そう言うと、スザクは、ちょっと照れたように頬をかいた。
「スザク~!!ちょっとこっちこいよ~。」
離れた場所からリヴァルが大声でスザクを呼ぶ。
「あ、うん!じゃあ、また後で、ルルーシュ」
「ああ。」
リヴァル達の方へ走っていくスザクの後ろ姿を見ながら、小さく呟いた。
「さよなら。スザク。」
多くの人に囲まれて、笑うスザクに背を向け、パーティー会場から、抜け出し、外へ出る。
「お姉様。」
ふいに後ろから、掛けられた声に、ゆっくり振り返る。
「ナナリー。」
誰より大切な最愛の妹。ナナリーは、穏かに問いかける。
「お別れ、できましたか?」
「ああ、お前は?」
「はい。ちゃんと。」
「そうか。じゃあ、行こうか。」
「はい。お姉様。」
そっと手を取り、互いの手をぎゅっと握り締める。
ナナリーが開いたパーティーは、スザクの騎士侯授与祝いの他に、もうひとつ意味があった。
“俺達“の日常への別れの儀式。決めてしまったから。
偽りの箱庭にさよならすることを。
「ああ、そうか。・・・・俺は好きだったんだ、スザクが。」
だから、彼に抱かれた。だから、彼との子どもを産みたいと願ったんだ。
狂ったように笑う。愚か過ぎる自分を。
涙は、零れなかった。
恋を知った、その瞬間、恋は俺を壊した。
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LIVE中継されるスザクの騎士侯授与式。ユフィに忠誠を誓う姿を、まっすぐに見つめる。
ただ握り締めた手が震えていた。
ユーフェミアの騎士になった、スザクに絶望を感じた、俺達じゃなくて、お前はユフィを選ぶのか。あの白兜のパイロットがスザクであったこと、スザクがユフィを選んだことは彼に絶望するには十分な理由だった。
騎士侯授与式から数日後、ナナリーが主催した、スザクの騎士侯授与祝いのパーティー。
多くの人に祝福され、その中心で笑うスザクを、離れた場所で見つめる。
嬉しそうで、幸せそうで、そんなスザクを見て、心の奥が冷たくなっていくのがわかる。
その思いを隠すように、きつく瞳を閉じて、気持ちを切り返る。
心を隠すのなんて、慣れている。表情を偽るなんてたやすいことだ。
人込みを擦り抜けて、にっこり笑って、スザクに声を掛ける。
「おめでとう。スザク。」
「来てくれたんだね。ルルーシュ!ありがとう。」
それに気付きもせずに、笑う君が憎かったのは、選ばれなかったことへの僻みでしかない。
ただ、スザクの嬉しそうな顔を見て、心の何かが壊れ、ひどく冷静になれた。
「この間はごめんね。それで、大事な話って?」
少し申し訳なさそうな顔をしながら、そう訪ねてくる彼に、友人の顔をして笑いかける。
「いや、それはもういいんだ。」
「え、でも。」
「相談したいことがあったんだけど、もう解決したんだ。」
これは、本当。相談したかった、ここにある命。だけど、彼に話すまでもなく、その答えを彼はくれた。だから、もう解決済み。
「そっか。でも、ごめんね。力になれなくて・・・・。ルルーシュが僕に相談するなんて、珍しいのに。」
「気にするな。お前は、自分のことだけ考えてればいいんだよ。騎士さま?」
おどけたように、そう言うと、スザクは、ちょっと照れたように頬をかいた。
「スザク~!!ちょっとこっちこいよ~。」
離れた場所からリヴァルが大声でスザクを呼ぶ。
「あ、うん!じゃあ、また後で、ルルーシュ」
「ああ。」
リヴァル達の方へ走っていくスザクの後ろ姿を見ながら、小さく呟いた。
「さよなら。スザク。」
多くの人に囲まれて、笑うスザクに背を向け、パーティー会場から、抜け出し、外へ出る。
「お姉様。」
ふいに後ろから、掛けられた声に、ゆっくり振り返る。
「ナナリー。」
誰より大切な最愛の妹。ナナリーは、穏かに問いかける。
「お別れ、できましたか?」
「ああ、お前は?」
「はい。ちゃんと。」
「そうか。じゃあ、行こうか。」
「はい。お姉様。」
そっと手を取り、互いの手をぎゅっと握り締める。
ナナリーが開いたパーティーは、スザクの騎士侯授与祝いの他に、もうひとつ意味があった。
“俺達“の日常への別れの儀式。決めてしまったから。
偽りの箱庭にさよならすることを。
スザク・・・。確かに私も本編のスザクは嫌いです。あなた何様とかたまに思えてきて、あまりにルルの片思いっぷりに泣いてます。まだ、昔の俺スザクのほうがいいです!(小説版をさっき読んだばかり)
あのキレイ事は理由があると分かっても、某スーパーコーディ(げほげほ)&ピンクの姫を思い出し、どうしてもだめですね。
「ぬくもりの証」のスザクは、うーん。痛めつけようかと思いつつも、まだ悩んでますね。彼幸せにしていいのかしら??(えっ)
ルルにはハッピーになって欲しいんですがね。私も。
下手したら、2パターン作りそうです。
色々悩みながら、書いてますので、暖かく見守ってください・・・。