自分の中に宿った命。
産みたいと強く願った。それが、本能だったからなのか。
それとも・・・・・・・・
妊娠した事実を受け入れてから、考えることなど、山ほどあった。
どうすればいいのか、答えなんてなにひとつわからない。何が最善なのか、いくつものパターンを考えた。
伝えなくてはいけないと思った。スザクに。
ナナリーとスザクと3人で過ごす昼下がり。
スザクとナナリーが笑いあうその光景を本を読む振りをしながら、横目で眺める。
告げようと決めた。
産まないのなら、告げずにこっそりと処分しただろう。けれど、産むと自分は決めてしまった。それなら、スザクには知る権利がある。そう想っていた。
3人の穏かな時間はスザクの上司である軍の女性がきたことで、終わりを告げる。
軍人に呼ばれて、軍へいくスザクに声を掛ける。
「スザク。大事な話があるんだ。戻ってきたら・・・・。」
ルルーシュの真剣な表情に、一瞬スザクは固まるが、すぐに微笑んだ。
「わかった。なんだか怖いな。戻ってきたら、時間つくるから。そのときに。」
「ああ。気をつけろよ?」
そう声をかければ、微笑んで手を振りながら、彼は軍へと向かった。
そして、再び会った彼は、白いナイトメアの中にいた。
いつも、いつも邪魔をする白兜。
ようやく、追い詰めて、チェックをかけたそのときに、顕になったコックピット。
現れたパイロットは、見知った人。
呆然とする頭に、カレンの、藤堂の、四聖剣の、騎士団の声が響く。
混乱していく意識。
白兜を打たなきゃ、今が絶好のチャンスなのだから。
だめ、あれにはすざくが。そう、スザクが乗って・・・。
どうして、スザクがあそこにいるの?
「す・ざ・く?」
音にならずに唇だけがその名を紡ぐ。
ショックを隠しきれないままに撤退した。
収容された格納庫の中で、ナイトメアの中で、狂ったように笑った。
最愛の友が、最悪の敵だった。
それは、もうただ、笑うしかないじゃないか。
こんなに、こんなに、大切に思っていても、何ひとつ届かないのなら、
ただ、壊れたように笑うしかできなくて。
どうしたらよかったのだろう。何を間違えてしまったのだろう。
産みたいと強く願った。それが、本能だったからなのか。
それとも・・・・・・・・
妊娠した事実を受け入れてから、考えることなど、山ほどあった。
どうすればいいのか、答えなんてなにひとつわからない。何が最善なのか、いくつものパターンを考えた。
伝えなくてはいけないと思った。スザクに。
ナナリーとスザクと3人で過ごす昼下がり。
スザクとナナリーが笑いあうその光景を本を読む振りをしながら、横目で眺める。
告げようと決めた。
産まないのなら、告げずにこっそりと処分しただろう。けれど、産むと自分は決めてしまった。それなら、スザクには知る権利がある。そう想っていた。
3人の穏かな時間はスザクの上司である軍の女性がきたことで、終わりを告げる。
軍人に呼ばれて、軍へいくスザクに声を掛ける。
「スザク。大事な話があるんだ。戻ってきたら・・・・。」
ルルーシュの真剣な表情に、一瞬スザクは固まるが、すぐに微笑んだ。
「わかった。なんだか怖いな。戻ってきたら、時間つくるから。そのときに。」
「ああ。気をつけろよ?」
そう声をかければ、微笑んで手を振りながら、彼は軍へと向かった。
そして、再び会った彼は、白いナイトメアの中にいた。
いつも、いつも邪魔をする白兜。
ようやく、追い詰めて、チェックをかけたそのときに、顕になったコックピット。
現れたパイロットは、見知った人。
呆然とする頭に、カレンの、藤堂の、四聖剣の、騎士団の声が響く。
混乱していく意識。
白兜を打たなきゃ、今が絶好のチャンスなのだから。
だめ、あれにはすざくが。そう、スザクが乗って・・・。
どうして、スザクがあそこにいるの?
「す・ざ・く?」
音にならずに唇だけがその名を紡ぐ。
ショックを隠しきれないままに撤退した。
収容された格納庫の中で、ナイトメアの中で、狂ったように笑った。
最愛の友が、最悪の敵だった。
それは、もうただ、笑うしかないじゃないか。
こんなに、こんなに、大切に思っていても、何ひとつ届かないのなら、
ただ、壊れたように笑うしかできなくて。
どうしたらよかったのだろう。何を間違えてしまったのだろう。