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deep blue ocean

堂本光一くんと錦戸亮くんをまったり気ままに愛でる日々

悪人

2010-02-25 | 観たものレビュー
久しぶりに読み終わった後、後悔するような気持ちになった。
だめだ、犯人に気持ちが傾き過ぎている。
「彼は悪くない!」と叫びだしたいような気分。



実は読み終わってすぐに感想を書いた。



もうぐちゃぐちゃな気持ちになったから。
時間を置いて読み直したらそりゃーひどくてね(笑)
読んでるうちにLisaは祐一に恋をしていたような気持ちになった。
でも光代の視点にはならなかった。
でも祐一に恋してるみたいな気分だったの。
だから読み終わって、後悔したみたいな気分に。



どうしてもっとわかってあげれなかったのかなぁ、とか
おかん!わかれよー!!とか



被害者のお家に謝りに行くおばあちゃんの背中とか
刑務所に入っているそれでも変わらない祐一とか
なーんも変わってないけど、確実に根っこの変わってしまう佳乃の実家の理容室とか
人が一人殺されたってなんの変化も起こらない町並みとか
そういう、何かを凄く感じる作品でした。



日常の端っこがほどけても
また結んで続いていく日常。



怖いのはそんなどこかに悪人が潜んでいること。
でもホンモノは見つけるのが怖いから
何となく、何となく道をはずした人を悪人にしたてあげる世間。



いや、そもそも悪人ってなにを持って悪人と言うのだ?
だって、この本の中で祐一は凶悪犯という名の悪人として
世間からの制裁をうけるけれど、読んでるこちら側は決して祐一を
悪人だなんて思えない。



法を犯した人が=悪人とは限らない。
罪は罪だけど。



どちらも被害者にはなれない。
という祐一の言葉をびっくりするくらい重く取っていた自分に驚いた。
あぁ、被害者の顔した私のために加害者になってくれた人がいたんだ、なんてね。



ラストの言葉。
あなたの恋は間違いでも衝動でもなんでもない。
純粋に誰かを大切に思った恋なんだよ。
素晴らしいことなんだよ。
と伝えてあげたいくらい胸が痛くなる。



なぜ、もっと早く出会わなかったのか。
タイミングを計れば、みんな幸せになれたかもしれないのに。
その分岐点はいったいどこに存在するんだろう?