2幼児遺棄 ドアに粘着テープ、水道も使用せず(産経新聞) - goo ニュース
【なぜ虐待死は防げないのか】
■警察が介入し保護を
□児相に抗議殺到
大阪市西区のワンルームマンションで幼い姉弟2人が母親に置き去りにされ、遺体で見つかった虐待事件で、死体遺棄容疑で逮捕された母親の下村早苗容疑者(23)は「居室から出られないように室内ドアの外側に粘着テープを張っていた」と供述していることが2日、捜査関係者への取材で分かった。また近隣住民から虐待を疑う通報を3回受けながら事件を防ぐことができなかった大阪市こども相談センター(児童相談所)には全国から数百件の抗議が殺到している。
捜査関係者によると、下村容疑者の長女、桜子ちゃん(3)と長男、楓ちゃん(1)の遺体は、居室部分の真ん中辺りで寄り添うようにして、何も衣服を身につけずにあおむけに横たわっていた。
玄関に通じる廊下側の室内ドアには、上部、中部、下部に水平に複数枚のテープを張った跡があり、2人は、下村容疑者が置き去りにして以降、居室部分に閉じ込められていたとみられる。遺体発見時、室内は電灯がついておらず、エアコンもついていなかった。4~6月は水道もほとんど使用されていなかった。
抗議が殺到しているセンターの担当者は「さまざまな可能性が考えられる中で保護者や児童の特定ができず、緊急性の高さを認識できなかった」と話した。厚生労働省は2日、児童相談所が虐待の疑いがあると通告を受けたうち、子供の安全が確認できていない事例がないか、全国の自治体に把握するよう要請した。
大阪の2幼児虐待死事件では、母親が室内のドアに粘着テープを張ったり「ホストと遊ぶため外出するとき閉じ込めた」と供述するなど、通常の「ネグレクト(育児放棄)」をはるかに超える状況が明らかになってきている。こうした親とどう向き合えばいいのか。
NPO法人「日本子どもの虐待防止民間ネットワーク」理事長の岩城正光弁護士(55)は「親は現実逃避して育児を投げ出し子供は死んでもいい、自分は助かりたいと通常の精神状態ではなくなっている。対処法としては強制的に子供を救い出すほかない。子供を救うことで親も救われる。それが虐待対応のメカニズムだ」と指摘する。
岩城さんは「これまでのわが国の法制度や施策は虐待防止に無力であり、ほとんど機能していないと認めざるを得ない」とし、「危機介入は児童相談所に任せず、安全確認と保護は警察の任務にも法的に位置づけるべきだ」と訴える。
現行法は虐待通告先を児童相談所と市区町村としているが、岩城さんは「子供を親から引き離すことと、親への援助という矛盾する役割を児童相談所にだけ担わせるのは無理がある」。今回も通報が3回あり大阪市こども相談センター(児童相談所)が5回訪問しながら、保護者や児童の氏名や年齢が分からなかったとして強制立ち入り調査(臨検・捜索)を行わなかった。
岩城さんは法改正で通告先に警察を加えることを提言し「警察なら家主が持つ契約書を確認し実際の借り主は誰か、実際に住んでいるのは誰かと芋づる式に探していく」。
また「国はもっと主導的な役割を果たすべきだ」とも提言。全国に205カ所ある児童相談所は都道府県の施設でレベルに差があり、さらに近年は東京都江戸川区の岡本海渡(かいと)君事件のように市区町村と児童相談所の二層構造の谷間に落ちる例もある。
岩城さんは「例えば宮崎県などは『観光知事』で福祉に力を入れていないし、虐待の対応ではレベルが高いといわれている大阪市でも今回のようなことが起きた。国は自治体任せにせず、児童福祉司を国家資格にして研修させるなど能力を強化すべきだ」と話す。
■父親に責任はないのか/一刻も早く立ち入りを
≪読者から意見続々≫
大阪の2幼児虐待死事件に関して、読者からたくさんの意見が届いている。
2歳児の母という岐阜県の女性(41)は《児童相談所の職員が外から様子をうかがって帰ったというが、外からで様子が分かるはずがない。一番近くにいて様子をよく知る周りの住人が通報しているのだから、外からでなく実際に目で見て確認するところまでどうしてできないのか。不思議でなりません》。
埼玉県の女性(32)は《納得いかないのは児童相談所が3回の通報で家庭訪問していたにもかかわらず、連絡が取れないとの理由で警察へ連絡しなかったことだ。警察がもっと踏み込めるよう法改正を求めます。強制介入には子供の名前と生年月日が必要だというが、あまりに無意味な条件は権利そのものを無意味にします》とつづった。
オーストラリア在住の2児の母(45)は《豪では虐待通報で警察が飛んでくるし子供はすぐ親から引き離され安全な場所に隔離される。保育園でアジア人の乳児の尻に蒙古(もうこ)斑があったのを虐待と勘違いして通報した話もよく聞く。また、今回の事件では離婚した子供の父親に責任はないのだろうか。豪では親権を取らなかった親にも権利と義務がある。金銭だけでない養育の義務がある》と問いかけた。
山形県の女性(61)は《「連絡をください」とメモを残して立ち去っても母親は連絡するわけがない状態なのです。他人に見せられない、見せた後がどうなるか怖いと思っている人が連絡するわけがない。やはり一刻も早く強制立ち入り調査をし、親も子も助けなくてはいけない。親が罪を犯す前にさまざまな援助があることを指導するためにも、強制立ち入りしてください》と訴えた。
これは厳罰化をするしかないでしょう。幼い命を救うためには…。
…とだけコメントを入れるつもりでしたが、親が育児放棄する、また悩んでいることに関して、適切に処理できる環境が整っていない以上、まずは親および子を保護するという基本的なところから整備する必要があるのではないかと思いましたよ。
同じような悲劇が繰り返されないよう、関係各所、および我々世代としても何かできることがないか考えねばならないと痛感しています。
子どもは生んでくれた親しか頼れないのですよ! どんな親であっても…!
【なぜ虐待死は防げないのか】
■警察が介入し保護を
□児相に抗議殺到
大阪市西区のワンルームマンションで幼い姉弟2人が母親に置き去りにされ、遺体で見つかった虐待事件で、死体遺棄容疑で逮捕された母親の下村早苗容疑者(23)は「居室から出られないように室内ドアの外側に粘着テープを張っていた」と供述していることが2日、捜査関係者への取材で分かった。また近隣住民から虐待を疑う通報を3回受けながら事件を防ぐことができなかった大阪市こども相談センター(児童相談所)には全国から数百件の抗議が殺到している。
捜査関係者によると、下村容疑者の長女、桜子ちゃん(3)と長男、楓ちゃん(1)の遺体は、居室部分の真ん中辺りで寄り添うようにして、何も衣服を身につけずにあおむけに横たわっていた。
玄関に通じる廊下側の室内ドアには、上部、中部、下部に水平に複数枚のテープを張った跡があり、2人は、下村容疑者が置き去りにして以降、居室部分に閉じ込められていたとみられる。遺体発見時、室内は電灯がついておらず、エアコンもついていなかった。4~6月は水道もほとんど使用されていなかった。
抗議が殺到しているセンターの担当者は「さまざまな可能性が考えられる中で保護者や児童の特定ができず、緊急性の高さを認識できなかった」と話した。厚生労働省は2日、児童相談所が虐待の疑いがあると通告を受けたうち、子供の安全が確認できていない事例がないか、全国の自治体に把握するよう要請した。
大阪の2幼児虐待死事件では、母親が室内のドアに粘着テープを張ったり「ホストと遊ぶため外出するとき閉じ込めた」と供述するなど、通常の「ネグレクト(育児放棄)」をはるかに超える状況が明らかになってきている。こうした親とどう向き合えばいいのか。
NPO法人「日本子どもの虐待防止民間ネットワーク」理事長の岩城正光弁護士(55)は「親は現実逃避して育児を投げ出し子供は死んでもいい、自分は助かりたいと通常の精神状態ではなくなっている。対処法としては強制的に子供を救い出すほかない。子供を救うことで親も救われる。それが虐待対応のメカニズムだ」と指摘する。
岩城さんは「これまでのわが国の法制度や施策は虐待防止に無力であり、ほとんど機能していないと認めざるを得ない」とし、「危機介入は児童相談所に任せず、安全確認と保護は警察の任務にも法的に位置づけるべきだ」と訴える。
現行法は虐待通告先を児童相談所と市区町村としているが、岩城さんは「子供を親から引き離すことと、親への援助という矛盾する役割を児童相談所にだけ担わせるのは無理がある」。今回も通報が3回あり大阪市こども相談センター(児童相談所)が5回訪問しながら、保護者や児童の氏名や年齢が分からなかったとして強制立ち入り調査(臨検・捜索)を行わなかった。
岩城さんは法改正で通告先に警察を加えることを提言し「警察なら家主が持つ契約書を確認し実際の借り主は誰か、実際に住んでいるのは誰かと芋づる式に探していく」。
また「国はもっと主導的な役割を果たすべきだ」とも提言。全国に205カ所ある児童相談所は都道府県の施設でレベルに差があり、さらに近年は東京都江戸川区の岡本海渡(かいと)君事件のように市区町村と児童相談所の二層構造の谷間に落ちる例もある。
岩城さんは「例えば宮崎県などは『観光知事』で福祉に力を入れていないし、虐待の対応ではレベルが高いといわれている大阪市でも今回のようなことが起きた。国は自治体任せにせず、児童福祉司を国家資格にして研修させるなど能力を強化すべきだ」と話す。
■父親に責任はないのか/一刻も早く立ち入りを
≪読者から意見続々≫
大阪の2幼児虐待死事件に関して、読者からたくさんの意見が届いている。
2歳児の母という岐阜県の女性(41)は《児童相談所の職員が外から様子をうかがって帰ったというが、外からで様子が分かるはずがない。一番近くにいて様子をよく知る周りの住人が通報しているのだから、外からでなく実際に目で見て確認するところまでどうしてできないのか。不思議でなりません》。
埼玉県の女性(32)は《納得いかないのは児童相談所が3回の通報で家庭訪問していたにもかかわらず、連絡が取れないとの理由で警察へ連絡しなかったことだ。警察がもっと踏み込めるよう法改正を求めます。強制介入には子供の名前と生年月日が必要だというが、あまりに無意味な条件は権利そのものを無意味にします》とつづった。
オーストラリア在住の2児の母(45)は《豪では虐待通報で警察が飛んでくるし子供はすぐ親から引き離され安全な場所に隔離される。保育園でアジア人の乳児の尻に蒙古(もうこ)斑があったのを虐待と勘違いして通報した話もよく聞く。また、今回の事件では離婚した子供の父親に責任はないのだろうか。豪では親権を取らなかった親にも権利と義務がある。金銭だけでない養育の義務がある》と問いかけた。
山形県の女性(61)は《「連絡をください」とメモを残して立ち去っても母親は連絡するわけがない状態なのです。他人に見せられない、見せた後がどうなるか怖いと思っている人が連絡するわけがない。やはり一刻も早く強制立ち入り調査をし、親も子も助けなくてはいけない。親が罪を犯す前にさまざまな援助があることを指導するためにも、強制立ち入りしてください》と訴えた。
これは厳罰化をするしかないでしょう。幼い命を救うためには…。
…とだけコメントを入れるつもりでしたが、親が育児放棄する、また悩んでいることに関して、適切に処理できる環境が整っていない以上、まずは親および子を保護するという基本的なところから整備する必要があるのではないかと思いましたよ。
同じような悲劇が繰り返されないよう、関係各所、および我々世代としても何かできることがないか考えねばならないと痛感しています。
子どもは生んでくれた親しか頼れないのですよ! どんな親であっても…!