La Rose Bleue

『ベルばら』でフランス語、ハリポタで英語をお勉強

アンドレ・グランディエの妻 bis その2

2006-11-27 00:01:07 | 比較文学

「ベルサイユのばら」で学ぶフランス語 のテクストの考察の続きです。

 

◆ 「学ぶ」版テクスト 

Ce soir....Je voudrais passer la nuit....

(ス ソワール…ジュ ヴドレ   パッセ   ラ ニュイ…)

Avec .... toi ....

(アヴェク…  トワ…)

Et devenir l'épouse d'André Grandier....

(エ ドゥヴニール   レプーズ   ダンドレ  グランディエ…) 

 

オリジナル・テキスト  

    こん夜… ひと晩を おまえ…と…おまえと……いっしょに…

  アンドレ・グランディエの妻…に…        (集英社文庫第4巻)

 

「学ぶ」版テクストは、以下の2つの文を一緒にしたものです。

Je voudrais passer la nuit avec toi .

  私はおまえとひと晩を過ごしたいのだが…。

Je voudrais devenir  l'épouse d'André Grandier.

  私はアンドレ・グランディエの妻になりたいのだけれど…。

 

この2文を、Et:そして でつなぎ、2番目の分で重複する Je voudrais の部分を省略しています。Je voudrais は、Je veux をやわらかくした表現ですので、はっきりと 「~たい」 というのではなく、「~したいのだが…」 といった感じになります。

フランス語の文では、同じ言葉を繰り返し使うのを避けることが要求されます。「初級フランス語」本である、「学ぶ」版でも、その点は厳格に守ろうとしています。

 

ところで、「学ぶ」版で使われている、vouloir の条件法現在1人称単数の活用 voudrais ( ヴドレ )の「語気緩和」の用法は、フランス語初心者にとって、とても強い味方になります。

筆者は、昨年夏まで、動詞の活用は直説法現在と複合過去しか知りませんでした。フランス語の直説法現在は、守備範囲が広くて現在のことだけでなく、未来のことを表現する場合にも使えたりします。また、フランス語には、近接過去とか近接未来とか、現在形を使って表せる表現もあったりします。

そしていろいろある過去形の中で、複合過去さえ覚えておけば、筆者のように、1年に1度、フランスに1週間程度旅行できるか否か…くらいのフランス語必要度のものにとっては、まず困ることはありませんでした。その上、覚えた活用は、jeonvous だけ。

…おかしなところも多々あったでしょうが、ともかく、必要な場面でフランス語で意志が通じていたのですから、良しとして良いのでは…と思います。

 

英語も出来なかった筆者ですが、この超省エネ(?)フランス語だけで、フランス国内だけでなく、ユーロスターでイギリスに行ったりイタリアに行ったり…現地の方と、軽くお友だちになったりもしました。

 

そんな筆者ですが、条件法現在の語気緩和用法、

voudraisvouloir (~したい、ほしい)

pourraispourriez  pouvoir (~できる)

だけはしっかり覚えて、よく使いました。 

 

Je voudrais Je pourrais pourriez-vous …等は、「 丁寧表現 」 ととらえても良いと思います。( 「ベルサイユのばら」で学ぶフランス語 にも、「より丁寧なニュアンスが出る」P163 と書いてありますね。 )

これらは、続けて動詞の原形をそのまま使えるので、とても簡単で便利です。また、vouloir の後には動詞だけでなく、「 もの 」 も置けますので、Je voudrais は、お買い物の時などにも役立ちます。よろしければ、フランスにご旅行される際、使ってみてくださいませ。

 

さて、「学ぶ」版、「 アンドレ・グランディエの妻 」を、l'épouse d'André Grandier と表現しています。

「大事典」版は la femme d'André Grandier、Kana版 は ton épouse, André Grandier、でしたね。

 

ちなみに、「妻」 épouse (エプーズ)に対する「夫」は、époux (エプー)といいます。日本人の感覚からすると、んん…? と感じてしまうのは、筆者だけでしょうか?

「妻」 femme に対する夫は、mari (マリ)です。フランス語で、動詞「結婚する」は、marier (マリエ)、「結婚」は、mariage (マリアージュ) です。marimariermariage は、関連語なのでしょうね。

 

Kana 版で、オスカル・フランソワは、アンドレのことを 「 わたしの夫 」 と呼ぶ際、mon mari ( モン マリ ) と言っています。よろしければ、皆さまのご家庭でもおっしゃってみて下さいませ。

 

 

ランキングに参加しています。ご協力いただけると、大変励みになります。

              クリックよろしくお願いいたします。   m(v_v)m

                           語学ブログランキング        

                     

 


Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アンドレ・グランディエの妻... | TOP | すべてを、おれに… »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | 比較文学