通りすがり さまに間違いをご指摘いただいて、12月8日、一部修正しました。
通りすがり さま、本当にありがとうございました。
フランス革命の時代を背景にしたアニメ、 『 ラ・セーヌの星 』 が某Yahoo で無料配信されていることは、ご存知の方も多いことと思います。
(2006年9月1日~2006年10月31日 配信)
http://streaming.yahoo.co.jp/p/t/00154/v00336/1/
筆者はこのアニメを見ていないのですが、オープニング・テーマがフランス語で始まっている…ということは、うすうす知っておりました。
なかなか見る機会がなかったのですが、今日、やっと視聴することが出来ました。(途中までですけど;;)
主題歌は、“ アレーヌ ” さん、なるフランス人女性が歌っているようです。
冒頭のフランス語部分、筆者の記憶の中には、
Espoir de la Seine (エスポワール ド ラ セーヌ ) “ ラ・セーヌの希望 ”
と残っていて、
「 “ ラ・セーヌの星 ” なのに、何故、
Étoile de la Seine (エトワール ド ラ セーヌ ) “ ラ・セーヌの星 ”
じゃなくて、 Espoir de la Seine “ ラ・セーヌの希望 ” なんだろう?
皆の “ 希望 の星 ” という意味を込めてこうしたの???」
と思っておりました。
注1:パリの象徴・セーヌ川 La Seine 。 la rivière (ラ・リビエール) 「 川 」 が女性名詞なので、セーヌ川も la Seine と女性名詞になります。
今回、しっかりオープニング・テーマを聞いてみました。
最初は、やはり Espoir de la Seine と聞こえ、
「 やっぱり、 Espoir de la Seine と言っているのでは?」
と思いましたが、音量を大きくしたりして何度も聞いてみると、実は、
Étoile de la Seine
であったことがわかりました。
“ É(t)toile de la Seine ” (エットワール ド ラ セーヌ ) と、É と t の間を詰まったような感じで発音しているので、特に意識せずに聞いていると É と t の間に s がはさまれているように聞こえ、Esp と聞こえる原因となっていたのです。
なおかつ、t と p は、同じ 【 破裂音 】 なので、区別しにくかったのです。某Yahoo ではあまり音がクリアではなく、識別しにくかったですが、某YouTube でもオープニング・テーマが視聴でき、そちらの方は大変クリアでわかりやすかったです。
Éttoile ではないので、フランス語では、本来は “ エトワール ” と É と t の間の音が詰まったり空いたりしないのですが、“ アレーヌ ” さんが気合いを込めて叫んでいるため、Éttoile という発音になり、それが筆者の耳には、 e(s)poir と聞こえていたようです。
結局は空耳でしたが、「 もしかしたら、あり?」 という感じの聞き違いなので今回聞けなかったら、ずっと、 Espoir de la Seine だと思っていたことでしょう。
オープニングの謎が、やっと解けて、すごくスッキリしました。
冒頭の Étoile de la Seine ! の他に、オープニング、エンディングともフランス語が入っています。
オープニング・テーマでは、歌詞の後半部分、合いの手のように、何やらフランス語で叫んでいます。
Allons-y ! (アロンジ!)=「行くわよ!」
よるのくらさを きりさくために
Oh ! Liberté ! (オ リベルテ!)=「ああ、自由よ!」
ぎんのつるぎを ふるうのだ
Oh ! L'amour ! (オ ラムール!)=「ああ、愛よ!」
あさがくれば きえるわたし
Étoile ! (エトワール !)= 「星よ!」
最後の Étoile も最初は、 Espoir に聞こえていたのですが、「 朝がくれば消える 」 のが Espoir 「希望」 では、さすがにまずいですね。
エンディング・テーマの 『 私はシモーヌ 』 でも、冒頭部分にフランス語が入っています。
Simone, c'est moi !
(シモーヌ セ ムワ!)
「 私はシモーヌよ!」
Pour mes parents , mes sœurs et mes amis ,
(プール メ パラン、 メ スール エ メザミ、)
「おとうさん、おかあさん、おねえさん、そしてみんなのために、」
※ご指摘をいただいて、下線部 Pourを加筆、修正しました。
Je vais à Versaille ! à Versailles !
(ジュ ヴェ ザ ヴェルサイユ! ア ヴェルサイユ!)
「私、ベルサイユに行くわ! ベルサイユに!」
注2:mes parents は「私の両親」、mes amis は「私の友達」(複数)ですが、そのまま日本語にすると変なので、それぞれ「おとうさん、おかあさん」「みんな」としました。
注3:mes sœurs は、「私のお姉さんたち」と何故か複数形になっています。お姉さんは一人のはず ma sœur なんですけど、語呂の関係でしょうか? でも、「おねえさん」と訳した方が自然かと思いますので、そのようにしました。
『 ラ・セーヌの星 』 のお話の方は、かな~り奇想天外で、
☆ シモーヌのお父上にあたる某国超重要人物がパリの酒場で飲み歩いていた!?
☆ ラ・セーヌの星のコスチュームもかなり印象的(;;)ですがその他の人物の髪型・服装その他諸々の時代考証は???
☆ 一体全体どうして舞踏会では必ずみんな仮面をかぶっているの!?
など、突っ込みどころは尽きませんが、お話は結構楽しめます。
「 お約束 」 で “ ラ・セーヌの星 ” か、さもなければ 怪傑 “ 黒いチューリップ ” が必ず現れて、危ないところを何とかしてくれるので、 「 水戸黄門 」 系のすっきり感(?)があり、見た後に暗くなりません。
聞いたところによると、本当は 『 ベルばら 』 をアニメ化したかったのだけれど、当時は、その許可が下りなかったので、やむなく 『 ベルばら 』 っぽいアニメを制作したのが、『 ラ・セーヌの星 』 であったとか。
何と、監督は、かの富野喜幸氏。富野氏の 『 伝説巨神イデオン 』 というアニメを筆者は激しく愛しているのですが、その作中の、“ ハルル・アジバ ” という女性に、筆者は富野氏のオスカル・フランソワへのオマージュを感じています。
ハルル・アジバ、偉い軍人である父に、「 私は、おまえを女として育てたつもりはない!! 」 と言われています。また、「下司がっ!!」という台詞があったりします。
もし、富野氏の監督で『ベルばら』のアニメが完成していたら、どんな作品になっていたのでしょうか。
バスティーユの地下の遺跡から、異星人の文明の遺物が突如出現していたかもしれません。
それも、見たかったかも。
☆追記☆ 2009
これはまた懐かしい話題が・・・。
『ラ・セーヌの星』は小さい頃大好きで良く見ていたのですが、肝心の主題歌に日本語以外の言葉が混じっているので歌いたくても歌えなかった記憶があります。
こちらで解説されているような内容だったのですね。
『ラ・セーヌの星』のシモーヌも『ベルサイユのばら』のオスカルも、マリーアントワネットの人生を側で関っていく点でストーリー的には良く似ているのですが、シモーヌがあくまで町娘で女性的である部分が大きく異なっているように思います。
同じフランス革命を扱った2つの作品。
比較してしまうと圧倒的に見劣りしてしまいますが、『ラ・セーヌの星』の寂しい中に新たな希望を伺わせるようなラストもまた良い物だと思いました。
(^_^;)
シモーヌも最初は民衆のために戦い、最後は姉:アントワネットのために戦う…という、オスカル・フランソワとは逆ですが、ある意味「寝返る」のですね。(あまり好きな表現ではありませんが)
その行為の背景にあるのが、「理想」であると同時に「情」である、というのも共通しています。
一方、シモーヌが厳しい時代を戦いながら生き抜いていくために、「男装する必要がない」=「無理をして男性を演じる必要はない」という点には、現代の女性の生き方につながる価値観を感じます。
オスカル・フランソワがずっと女性であることをあきらめて生きてきて、後半堰を切ったように「愛」にのめり込んでいくのに対して、シモーヌは「昼と夜の自分は別」という健康な割り切り方をして、程よくときめいたりしているので、一種の安定感があるのでしょうね。
オスカル・フランソワは、バスティーユで散っていくという避けがたい“ノブリス・オブリージュ(聖なる義務)”を負っていますが、シモーヌの“普通さ”は日々を生き抜いていく強さであり、それが希望のある「新しい生」を選ぶ柔軟性へとつながっていったのではないか…と思います。
まだ全編見たわけではありませんが、『ラ・セーヌの星』、昔のアニメならではのシンプルなわかりやすさと同時に全体構想がしっかりしていてディティールもよく描かれている、素敵な作品だと思います。
意味が分からずも歌の一部として覚えていたサビのフランス語は、ほぼ正確でした。おかげで、フランス語を勉強するようになって、どんな単語が分かったんですが。
やっぱり、子供は耳がいいんですかねぇ。フランスという国さえ知らない、それどころか日本語の歌詞(文字)も読めたかどうかという年齢だったので、毎週毎週聴いて、純粋に音だけで記憶していったんでしょうね。
あの頃の耳よ、戻れ!って、痛切に思います(笑)
某Yahooで視聴された方のレビューを拝見すると、皆さんかなり熱い思いを抱いていらっしゃるよう。
実際に見て、突っ込みどころは多々あるものの、固いテーマでメッセージ性の強い内容なので、とても驚きました。
子どもの頃、フランス語を正確に聞き取られていらっしゃったとは、素晴らしいですね!!
何屋さまは、耳が良いのだと思いますよ~☆
「音から入る」って、語学学習ではとても大事ですよね。
大人になると、これはもう、修行しかない!!ですね。
お互いに、頑張りましょう!!(^^)/
↓
Pour mes parents , mes sœurs et mes amis ,
では?
ご指摘のとおり、
Pour mes parents , mes sœurs et mes amis ,
ですね!
何をとぼけていたのでしょうか…
お恥ずかしゅうございます…
早速、修正させていただきます。
また、何かありましたら、教えて下さいませね。
本当にありがとうございました!
そういえば、『ラ・セーヌの星』まだ全部見ていなかったのに、配信が終わってしまったのね…と思っていましたが、チェックしてみたら、配信期間がまた延長されたようで、12月いっぱい見られるのですね!Yahooさん、太っ腹です!
通りすがりさまのご指摘がなかったら、見ずに終わっていたかもしれません。
重ねて、ありがとうございました!
おかげさまで、長年のモヤモヤを(半分だけ)晴らすことができました。ありがとうございました。
上で、(半分だけ)と書いたのは、実はエンディングの曲は3番まであるのですが、2番と3番の冒頭にも、フランス語の語りが入っているのですが、最初の「シモーヌ・セ・ムア」とラストの「ジュ・ヴェ・ザ・ヴェルサイユ ア・ヴェルサイユ」に挟まれた中間部分は、別の文句を言っています。
私はフランス語が全くわからず、ヒアリングしてここに書き記すこともできないのですが、もし、「私はシモーヌ」のフルバージョンを聞く機会がありましたら、ぜひ、2番、3番の訳も教えていただきたいなあと思います。
それと、レコードで聞く限りでは、オープニングのラストの「エトワール」は、やはり「エスポワール」と言っているようです。
コメントありがとうございました。
何と『私はシモーヌ』には別の台詞が挿入されているのですか!
オタクゴコロを刺激され、Amaz○nで調べましたところ、『ラ・セーヌの星』のTVサントラ盤が入手できることがわかりました。
http://www.amazon.co.jp/%E3%80%88ANIMEX1300-Song-Collection-%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%80%89-%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%8C%E3%81%AE%E6%98%9F/dp/B0007VLVXC/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=music&qid=1226842735&sr=8-1
こちらを購入し、聞いてみたいと思います。
台詞が入っているといいのですが。
また、オープニングはY○utubeとニコ動で見つけた動画を再見してみました。おっしゃるとおり、ラストの合いの手では、「エスポワール」と言っている可能性が非常に高いと思います。
こちらについてもCDでチェックしてみます。
なお、拙ブログはご覧のように忘れた頃に更新。。。という情けない状態になっております。
これから年末の本業多忙期&個人的にもいろいろ・・・という時期になりますので、記事のUPは、かなり遅くなるかもしれません。
気長にお待ちいただけますと幸いです。
ラ・セーヌの星のファンです。
エンディングのナレーションで「お姉さまたち」と
なっている件ですが、
・テレビ版では、メスューゼメザミ、と
確かにリエゾンします。しかし、
・レコード版では、メスュー、エ、メザミ
と、はっきり言っており、「お姉さん」のようです。
察するに、テレビ版の録音でOKが出たあと間違いに気が付いたんだけど、「レコード録音版で直せばまぁいっか~」、とディレクターがOKしちゃったってな感じではないでしょうか、、、。
『ラ・セーヌの星』のファンの方に読んでいただけて嬉しいです。
『私はシモーヌ』のフランス語ナレーションのこの部分、謎ですね~
確かに、mes sœurs et mes amis...【メ スール エ メザミ】
と言っていますね。
「お姉さん」は単数の場合、
ma sœur (マ スール)
となります。
CDでも何度も聞いてみましたが、
【マ スール】ではなく【メ スール】mes sœurs
と言っていますので、【スール ゼメザミ】とリエゾンしなくても、複数の「私のお姉さんたち」という意味になります。
フランス語では言葉の繰り返しはあまりしないのですが、あえて
【メ パラン】
【メ スール】
【メ ザミ】
と並べて、次の
【ア ヴェルサイユ ア ヴェルサイユ】
という繰り返しとバランスをとっているのかもしれません。
2番・3番でも同じ場所がそれぞれ、
2番:【L】で始まり、最後が【R】ルという音
【ル ボヌール】
【レスポワール】
【ラムール】
3番:【La】で始まり、最後が エという音
【ラ ぺ】
【ラミチエ】
【ラ リベルテ】
と、頭韻と脚韻を踏んでいるので、1番も韻を踏むためにあえてsœur を複数にしたのかもしれません。
フランス語は素人なので、あくまで推測ですが・・・
もしかしたら、1番だけがまず先にあって、ディレクターが、
「あ、勢いで、お姉さんを複数にしちゃった・・・2番と3番でそれらしく辻褄合わせるか~」
というノリだったのかもしれませんね。