わただま 摘んだ?

風になる 花のかおりをまとうこと 遠い訪れを搬ぶこと 水のありかを囁くこと そして こっそり石たちの夢にすべりこむ

「たそがれに(抄)」

2009-08-16 21:47:43 | かぜは・・・
げに、いと小家がちに、むつかしげなるわたりの、このもかのも、怪しくうちよろぼひて、むね〱しからぬ、軒のつまごとに、這ひまつはれたるを、
「くちをしの、花の契りや。一房折りて参れ」
と、の給へば、この、押しあげたる門に入りて折る。






さすがにされたる 鑓戸 口に、黄なる 生絹の単袴、長く着なしたる童の、をかしげなる、出で来て、うちまねく。白き扇の、いたうこがしたる を、
「これに置きて、参らせよ。枝も情けなげなめる花を 」
とて、とらせたれば、門あけて惟光の朝臣出で来たるして、たてまつらす。


源氏物語「夕顔」の帖より
ドビュッシー「小さな羊飼い」

ピアノ演奏:柳沼和子
語りと構成:みさきすずか




2 Comments

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Unknown (陽花)
2009-08-18 12:02:30
横浜まで行かずに、舞台の様子
見せて頂けて嬉しいです。
扇をあのように使われたのですね。
お声もよく通っていて素敵でした。
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ただいま (Suzuka)
2009-08-21 20:24:22
陽花さま

コメントありがとうございます。
すこし遠出をしていて遅くなりました。

扇のシーンが印象的だったと仰っていた方がいらしたので お留守番をさせておきました。


コメントを拝見して、Podcastのままだと見づらかったのだとわかりました。
すこしお待ちくださいね。
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