「今後30年以内に震度6弱」北海道内に迫る大地震…「備え」への課題は
これは、国が公表した今後30年以内に震度6弱以上の地震が起こる確率を示した地図です。
赤紫色の地域が特に高くなっていて、北海道・根室で80%、釧路で71%、浦河で69%となっています。大きな津波が襲うことも懸念される中、住民は「備え」に悩んでいます。 (釧路市・大楽毛地区連合町内会 中村啓会長)「備蓄品があれば2~3日は生き延びられる」 釧路市の沿岸、大楽毛地区で町内会長を務める中村啓さん。 災害時の備蓄品は用意していますが、いま、不安なのが津波です。 (釧路市・大楽毛地区連合町内会 中村啓会長)「この辺りに住んでいる人は釧路新道まで逃げないといけない。
大体1.5キロある。お年寄りたちが安全に逃げ切れるのか」 先週、国が公表した今後30年の地震予測地図。 震度6弱以上の地震が発生する確率は釧路市で71%。 そして、道内で最も高い80%となったのが根室市です。 前回、3年前の公表分から2%上がりました。 (根室振興局地域政策課 今野一幸主幹)「大変重く受け止めている。関係機関との連携を図っていきたい」 道東沖の千島海溝で巨大地震が発生した場合、太平洋沿岸での津波は20メートルを超えると想定されていて、専門家は、危機感を募らせています、 (北大 地震火山研究観測センター 高橋浩晃教授)「北海道東部は日本の中でも次の地震が切迫している。
対策はスピード感を持ってやらなければならない。住民も(地震が)いつきてもおかしくないという心構えでいるのが大事」 釧路市の町内会長、中村さんです。 住宅街から高台までは川沿いを歩いて15分もかかります。
より近くに避難できる建物を建てるよう市に要望していますが、めどは立っていません。 (釧路市・大楽毛地区連合町内会 中村啓会長)「この距離を足腰の弱いお年寄りが歩くのは無理だろう。1人の犠牲者も出さない思いでやっているんだけどね」 いつ、どこで起きるかわからない大地震。 避難体制を含めた「備え」への課題が浮き彫りとなっています。