今回の急増と第2波との違いは?専門家が分析
東京都は12日、新たに393人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表しました。
9、10月は100人台が多かったのですが、11月に入り、右肩上がりの曲線になり始めています。
日本医師会は「第3波と考えてもよいのでは」とも言っています。“第3波”は来ているのでしょうか。
コロナ発生当初から多くの患者を診てきた国立国際医療研究センター・忽那賢志先生に聞きます。
(Q.先生はどのように受け止めていますか)
“第3波”が来ていると、警戒を強めたほうがいいと思います。
なぜ、再増加したのかはっきりした原因はわかりませんが、8月以降、緊急事態宣言をすることなく減少に転じたものの、1カ月以上横ばいが続きました。感染者が増える要素と減る要素が拮抗していた状況が続いていた。今回は、増える要素が勝ってしまったということ。ちょっと気が緩んだということもあるかもしれません。
私の病院でも、この1、2週間くらいで急に重症者が増えていて、8月に比べて重症者の数は、同じくらいの数になっています。重症者は診断されてから遅れて増えてくるので、これからさらに、第2波の時よりも増えてくることを心配しています。
(Q.12日の感染者では、60代以上の割合が増えています。これをどう分析していますか)
第2波の時と違うのは患者層で、今のほうが60代以上のハイリスク患者が多いということは、それだけ、感染して重症化する人の割合が多いということです。重症者が増えれば、それだけ医療機関の負担が増える。どれだけ負担が大きくなるのか心配です。今の感染は、家庭内が最も多くなっているものの、結局、職場や会食から持ち込まれて、家庭内に広がっているという状況が考えられます。家庭内でマスクをするというのは、難しいと思いますので、家の中に持ち込まないためにも、職場や会食などで、“3密”を避けるなど、基本の感染対策を今一度、徹底してほしいと思います。
(Q.都市部で感染が増えているようですが、先生が気になる地域はありますか)
北海道で感染者が増えているのが気になっています。症例数は大阪府と同じくらいですが、ベッド数や医療従事者の規模を比べると、北海道のほうが大変な状況を迎えているのではないかと思います。気温が低いほど、ウイルスが広がりやすいというデータもありますし、換気もしにくいということもあります。今後は、全国的に気温が下がってくるので、今後は、感染が他の地域で広がることが心配されます。