太陽活動「2019年後半〜来年」極小期へ 「マウンダー極小期」の再来は?
太陽は、黒点の増減やフレアの発生などを繰り返しながら、約11年の周期で活動している。米海洋大気庁(NOAA)は今月5日、「今年後半から2020年初めにかけて活動極小期を迎える」という予測を発表した。
2009年の暮れごろに始まったと考えられている現在の太陽周期は、「第24周期(サイクル24)」と呼ばれており、最終局面に入っている。
サイクル24まもなく極小期へ
第24周期の活動は…
NASAやNOAAと共同研究を進める「宇宙システム研究所(SSRC)」の太陽物理学者リサ・アップトン(Lisa Upton)博士は今月5日、「今年終わりから2020年にかけて第24周期の極小期に突入する」という予測を発表した。
そのうえで、「第25周期への移行は遅れる可能性が高く、次の極大期は2023〜2026年ごろになる」という考えを示した。アップトン博士によると、次のサイクルでも極大期の活動は弱くなって、黒点数は平均95〜130にとどまると予測。過去のサイクルでは、140〜220の範囲で推移していたことから、太陽活動はかなり低下する見通しだ。
マウンダー極小期の再来はあるのか?
とはいえ、太陽活動の低下によって、地球に氷河期をもたらす心配は無用だ。西暦1645〜1715年の70年間は、11年周期が失われるほど黒点数が激減。太陽学者エドワード・マウンダーにちなんでマウンダー極小期と呼ばれるこの時期は、世界各地でミニ氷河期を迎え、飢饉がひんぱんに発生、疫病によって多数の死者を出した。江戸時代の日本でも、農村でたびたび百姓一揆が発生した記録が残っている。
マウンダー極小期の後にも1790〜1824年にかけて太陽活動が低くなるダルトン極小期があった。従来の研究で、数十年間続く太陽活動の低下はおよそ2000年に1度の割合で発生したことが指摘されているが、その規模や継続時期はバラバラで、千年以上にわたって発生しなかったこともあったという。 アップトン博士は「第21周期から第24周期にかけて太陽活動は低下傾向が続いていましたが、次のサイクルでは24周期と同程度になると考えられることから、マウンダー極小期の再来を心配する必要はありません」と話している。