アジア映画巡礼

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TIFF2023-DAY1:第36回東京国際映画祭開始! オープニング・フィルムは『PERFECT DAYS』

2023-10-23 | 映画祭

本日、第36回東京国際映画祭が開幕しました。昨年と同じく、東京ミッドタウン日比谷から東京宝塚劇場までの短いレッドカーペットでしたが、着飾った映画人たちが華々しく練り歩きました。ご覧になりたい方はこちらをどうぞ。2時間半あまり、たっぷりご覧いただけます。その後東京宝塚劇場でオープニング・セレモニーが行われ、終了後の6時半過ぎからオープニング・フィルムの上映が行われました。今年は日本映画で、ヴィム・ヴェンダース監督作の『PERFECT DAYS』で、春の第76回カンヌ国際映画祭で役所広司が主演男優賞を獲得、大きな話題になった作品です。これから日本公開を控えているので、あまり詳しくはご紹介できませんが、この2時間4分の小品的大作をちらとご紹介してみます。まずは、映画のデータをどうぞ。

©2023 MASTER MIND LTD.

『PERFECT DAYS』 公式サイト
    2023/日本/日本語/124分
 監督:ヴィム・ヴェンダース
 主演:役所広司、柄本時生、中野有紗、アオイヤマダ、田中泯、三浦友和
 配給:ビターズエンド

©2023 MASTER MIND LTD.

すでに皆さん、主人公の職業はこれまでの報道でご存じだと思いますが、主人公平山(役所広司)は公衆トイレの委託清掃業者です。一人で、あるいは仲間の青年(柄本時生)と一緒に、公園などにあるモダンなトイレを車で回っては次々ときれいにしていきます。夜明け前に近所の寺院の竹箒掃除の音で目覚め、歯を磨き、ヒゲを当たって顔を洗い、仕事着に着替えて玄関を出たあとは、自販機で缶コーヒーを買って車に乗り、今日の掃除場所に向かう――判で押したように、毎日がくり返されます。帰宅後はお風呂屋さんに一番で入り、東武浅草駅地下にあるアーケードの飲み屋で、夕食を兼ねた一杯をやる、そして、文庫本を読みながら眠りに就く。仲間の青年の彼女が現れたりする小さな変化はあるものの、お昼ご飯はある神社の庭で、木漏れ日を浴びながら食べるのも毎日の決まり。その木漏れ日を写真に撮り、コレクションしていることや、大木の実が地面に落ちて芽吹いたものをそっと掘り起こし、自宅に持ち帰って鉢植えにして育てることが、平山の趣味でした。

©2023 MASTER MIND LTD.

そんな日々が、後半はちょっとかき乱されます。大事件が起きるわけではないのですが、さざ波のような変化が押し寄せ、平山が翻弄されます…。上手な脚本と、役所広司の賞をもらったのも納得の演技で、2時間まったく退屈せず、最後まで映画の世界に浸れました。後半の変化が、トイレ自体にまつわるものだったらもっと面白かったかも、とか思ったりしましたが、見応え十分の作品で特に意外なゲスト?の登場するエピソードは印象に残りました。

ここに登場するトイレは、こちらのサイトで紹介されています。どれも見たことのない公衆トイレで、実際に行って利用してみたいな、と思わせられるものばかり。ヴィム・ヴェンダース監督、着眼点もすごい人ですね。最後に予告編を付けておきます。

PERFECT DAYS (2023) | Trailer | Wim Wenders | Koji Yakusho | Tokio Emoto | Arisa Nakano

 


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